2020年9月27日 更新

他人事ではない子供のいじめ…その実態と親としてできるいじめの対応とは

今も昔もなくならない『いじめ』。子供がいじめの被害を受ける、逆にいじめる側になってしまう…など、どちらの場合でも、自分の子供がいじめに関係していることは親としてショックなことですよね。今回、いじめの実態と共に、親としてできるいじめの対応についてご紹介します。

【人と違っている・目立っている】

勉強や運動が得意・不得意、家が裕福・裕福でない、内気な性格・活発な性格・正義感の強い性格、背が高い・小さい、先生に気に入られている…など、周囲の子供たちと比べると目立つ、少し違った特徴を持つ子は、いじめの対象になりやすいと言われています。外国のバックグラウンドを持っている子、LGBT*の子、発達障害を持っている子なども、いじめに遭いやすい傾向にあります。

*LGBTとは、レズビアン(女性の同性愛者)・ゲイ(男性の同性愛者)・バイセクシャル(両性愛者)・トランスジェンダー(心の性と身体の性が一致せず、身体の性に違和感を持つ人)、これらの頭文字を取ったものになります。

【個人主義】

日本では、良くも悪くも『集団主義』『同調性』『協調性』を重んじる傾向にあります。また、『空気を読む』『雰囲気を読む』といったこれらのことは、日本独特の文化のひとつであり、ハッキリと意思表示をすることを重んじる外国では、あまり見られません。

『周りに合わせる=仲間』という意識を持っている多くの子供たちは、その輪から外れるような言動・行動を取る子に対し、ネガティブなイメージを抱きやすく、いじめに繋がるケースも多くあります。

例えば、いじめに加担したくない、いじめを止めさせたい…と、心の中では思っていても、それを口にしたり、行動に移すことで、今度は自分がいじめのターゲットとなってしまう可能性が高く、なかなか行動に移すことができない子がいるのも実情です。

いじめっ子の特徴

それでは、次にいじめをする子に特徴があるのか見ていきます。

※いじめの対象となる子同様、ここに挙げた特徴があるからといって『いじめっ子』である、又はそうなる可能性が絶対にあるという訳ではありません。

◎異なるものを受け入れられない
⇒価値観の違い・性格の違い・生活環境の違いなど、自分や周囲と違う子を受け入れることができず、いじめてしまう。

◎家庭内で問題を抱えている
⇒親から過度なプレッシャーを受けている・愛情不足・虐待を受けている・家庭内で暴力が横行している。虐待や暴力のある家庭内の子供は、いじめ加害に加担するリスクが高いとされています。他の子供と比べて攻撃的な態度を取りやすく、特に男児の場合、その傾向が顕著です。

◎ストレス発散
⇒学校内でのストレス(勉強・友人・教師)、家庭内でのストレス、身体的なストレス(特に成長期の場合、身体の成長に心が追い付かない、ホルモンの影響でイライラしてしまう)など、子供も様々なストレスを日常生活で感じており、そのストレス解消法ひとつとしていじめをしてしまう。

【いじめ加害3要因】

国立教育政策研究所の「いじめの未然防止Ⅰ*¹」によると、いじめ加害に大きく影響を及ぼす3つの要因として『友人ストレッサー*²』『競争的価値観』『(不機嫌怒り)ストレス』を挙げており、これらの要因が高まると、いじめ加害に繋がるリスクが高くなるとしています。

『競争的価値観』における競争意識は、必ずしも悪いものではありません。適度な競争意識は、子供たちが切磋琢磨しながら共に成長する要素となります。しかしながら、『勝ち負け』という結果のみを必要以上に重視することは、時に相手を貶めるような発言や行動をしてしまい、それがいじめを生むことに繋がることもあります。

しかしながら、どれだけリスク要因が高くとも、実際にいじめ行為に及ぶには、適当な相手(自分が勝てそうで、都合の良い口実・きっかけがあるなど)、適当な方法(自分にとっては簡単で、大人に見つかりにくく、見つかっても言い逃れができそうなど)という要素が加わる必要があり、これらが揃わない場合は、いじめ加害に手を出さないという分析をしています。

*¹ 参照:https://www.nier.go.jp/shido/leaf/leaf08.pdf
*² ストレッサーとは、ストレスを引き起こす原因のことを言います。

【観衆と傍観者】

日本のいじめは『4層構造』と言われており、「①いじめられる子」「②いじめる子」の他に、「③観衆(いじめをはやし立てる子)」「④傍観者(いじめを見て見ぬふりをする子)」という、いじめを取り巻く子供たちも存在します。

いじめを面白がっている観衆の存在は、いじめる子からしてみると、自分のいじめ行為を支持していると受け取り、いじめをエスカレートさせる要因になります。また、いじめを黙認している傍観者の場合、口出しすることで、自分がいじめのターゲットになることを恐れているケースが多いのですが、こちらも観衆同様、いじめ行為を助長する存在です。

直接的にいじめに加担こそしていないものの、いじめられている子からしてみれば、この観衆と傍観者も立派な加担者のひとりとして捉えられます。子供たちは、この事実もしっかりと把握する必要があり、いじめを直接的に止める勇気がなくても、周囲の大人などに相談することで、いじめを止めさせる手段があることを教えることも重要です。

いじめのサインを見逃さないで!

いじめは年齢に関係なく、そして、どの子にでも起こり得ることです。まだ小さいから…うちの子はいじめられない・いじめなんてしない…などという先入観は、時に子供のいじめのサインを見逃してしまうことにもなりかねません。いじめは小さな芽のうちに摘むことが重要で、子供をいじめから守るためには、大人たちが『いじめのサイン』に気付くことが大切です。

いじめを受けている子が、自ら親や先生にヘルプを求めるケースは決して多いとは言えません。

その理由として、以下の様なことが挙げられます。
・いじめを受けていることが恥ずかしい
・自分が悪いからいじめられていると思っている
・親に心配を掛けたくない
・相談しても、いじめの解決に繋がるのか疑問視している
・相談することで、逆にいじめが悪化するのが怖い

これらを理由に、いじめの悩みをひとりで抱えてしまっている子は少なくありません。しかし、口数が減った、食欲がない、学校を休みたがる、説明の付かない怪我をしてくる、持ち物がなくなった…など、何かしらのサインが現れるものです。その小さな変化に気付くことが、いじめの事実を把握するきっかけにもなります。

また、いじめをする側の子供も、いじめをしているというサインが現れることがあります。

その一例として、以下の様なことが挙げられます。
・言葉使いが荒くなる、悪口を平気で言う
・お小遣いでは買えない物を持っている
・急に聞き分けが良くなる(いじめをしている後ろめたさから、家では良い子を振る舞うようになる。いじめをすることでストレスを解消し、親の言うことを聞くようになる。)

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