『2人目の壁※1』を感じる方の割合が2014年以降最高値に
「『2人目の壁』は存在すると思う」の数値はほぼ横ばいで推移していましたが、75.8%となった本年度は、同様の選択肢で調査を実施した2014年以降で最高値という結果となりました※2。<グラフ1>
男女別に見ると、男性では68.0%、女性では78.6%の方が「存在すると思う/どちらかといえば存在すると思う」と回答しており、「2人目の壁」は女性にとってより深刻な課題である現状が浮き彫りになりました。<グラフ2>
※2 2013年の選択肢は「存在すると思う/存在しないと思う」。2014年~2022年の選択肢は「存在すると思う/どちらかといえば存在すると思う/どちらかといえば存在しないと思う/存在しないと思う」
※3 2014年~2022年は、「存在すると思う」=「存在すると思う」と「どちらかといえば存在すると思う」の合計値
「2人目の壁」実感理由の調査を開始した2014年からの推移を見ると、「経済的な理由」は緩やかな減少傾向にあることがわかりました。しかし、70%以上の方が不安を感じており、生活者にとっては依然重要な課題であることに変わりはないようです。
一方、育児ストレスなどの「心理的な理由」は緩やかに増加しており、孤独な子育て環境や不安定な社会情勢が出産や子育てに影響を与えていることが予想されます。<グラフ3>
「理想の子どもの人数」は10年間、緩やかに減少傾向。人生において「理想の子どもの人数が減少した」タイミングは「結婚」と「出産」
「理想の子どもの人数」は2013年以降、緩やかな減少傾向にあります。本年度は昨年から微増したものの、1.91人となり、2人を下回りました。<グラフ4>
この傾向の原因を詳しく調べるため、「理想の子どもの人数」の変化(増減)について聞いたところ、これまでの人生の中で「増えた」が14.8%、「減った」が28.9%という結果となりました。<グラフ5>
また、「理想の子どもの人数」が減少した理由は、「体力的に厳しいから」(34.7%)、「収入が低いから」(33.2%)が上位となりました。<グラフ 6>
*「理想の子どもの人数」は、経済的な問題など外的要因を排除した上での「本当に欲しい子どもの人数」を表し、「実際に予定している子どもの人数」と切り分けて回答を頂きますが、本調査では過去10年間の結果から、何らかの経験や外的要因によって本来の「理想の子どもの人数」そのものが減少しているのではないかとの仮説のもと実施しました。
きっかけ別に「理想の子どもの人数」の減少理由を見ると、「結婚時に理想の子どもの人数」が減少した方は「収入が低いから」(37.7%)、「将来も収入が上がる見込みがないから」(33.4%)といった、自身の収入に関わる不安が上位を占めました。<グラフ7>
一方、「出産時に理想の子どもの人数」が減少した方は「体力的に厳しいから」(42.7%)の他、「出産後、想像以上に子育てに厳しい社会を感じたから」(36.7%)など、ワンオペ育児や仕事と子育ての両立を含め、日常生活において子育てする厳しさを減少理由に挙げる方が多いことがわかりました。<グラフ8>
以上から、「理想の子どもの人数」を考える際には「結婚」と「出産」という壁が存在し、前者では収入面、後者では日常生活と子育ての両立の厳しさに直面する方が多いことが伺えました。