2020年8月19日 更新

【体験談】自閉スペクトラム症児のんびりトイトレ

子育ての大きな関門の一つである『トイレトレーニング』。トイトレで悩みを抱えるママたちは多いと思いますが、発達障害を抱える子供の場合、更に困難を極めることが多いです。今回、自閉スペクトラム症である筆者の娘の、オムツ卒業までの道のりをお話します。

ひと昔前(昭和の頃)は、1歳半前後にはオムツが取れる子が多かった…という話を聞きます。事実、2人の子供を育てた筆者の祖母も、子供たちはどちらも1歳頃にはオムツを卒業したと聞いたことがあります。

最近では「2歳の夏が勝負!」と言われていますが、実際のところはどうなんでしょうか?
トイレトレーニングの開始時期

トイレトレーニングの開始時期

このアンケート調査によると、2歳~2歳半が約3割を占め最も多く、次いで1歳台ですが、2歳7ヵ月以降に開始するケースもあり、極端な差はそこまで見られません。
トイレトレーニング完了までの期間

トイレトレーニング完了までの期間

トイトレ開始から完了までに掛かる期間で最も多かったのが、3~6ヵ月未満(22%)と6ヵ月~1年未満(22%)。しかし、これ以外の結果も少なくなく、個人差があるのが分かります。

発達障害児のトイレトレーニング

定型発達の子供でも大変なトイトレですが、発達障害を持つ子供の場合、定型発達の子供よりも時間が掛かることが一般的で、小学校に上がるまでオムツが取れないというケースもよく耳にします。

どんな障害を持っているか・障害の度合い・成長具合・性格などによって、トイトレの開始時期・アプローチの仕方・掛かる期間などが大きく変化すると言われています。

一般的に、①おしっこの間隔が2時間以上空く ②コミュニケーションが取れる ③1人で歩ける というのがトイトレを開始する目安とされていますが、発達障害児の場合、必ずしもこれらの条件が揃わないことも。

特に、コミュニケーションを苦手とする子供は多く、体の成長が遅いケースもあるため、定型発達の子供の多くが2歳頃からトイトレを開始するのとは異なり、発達障害の子供はこの例からも大きくズレるのが通例です。

発達障害児のトイトレで重要とされるのが、その子の特徴を良く理解することと言われています。


【感覚】
発達障害児は、感覚が敏感であったり、逆に鈍麻(鈍い)であることが多いです。そのため、敏感な場合、排泄する際の感覚に抵抗感を覚えたり、漏らしてしまった時の気持ち悪さから、パンツを穿くことを嫌がってオムツを穿きたがる。

鈍麻な場合、尿意・便意に気付きにくく(又は気付かない)、漏らしてしまっても気持ち悪さを感じないなどがあります。

【恐怖心・警戒心】
発達障害児は、特定の場所・新しい物事・音・形などに敏感であるケースが多く、時に強い不安を感じたり、緊張してしまうことがあり、一度不安に思うとなかなかその不安を取り除くことができなくなってしまう傾向にあります。

・トイレの空間が苦手
・水を流す音が怖い
・便座やおまるが怖い
・特定の場所でしか排泄したがらない(カーテンに隠れて…部屋の隅っこで…テーブルの下でなど)

このような子供は多く、そういった子供に対しては、警戒心や不安を取り除き、先ずはトイレやおまるに慣れてもらうことが、発達障害児のトイトレの大きなポイントの一つです。

【スモールステップ法】
発達障害児は、こだわりが強い・新しいことに挑戦する際の警戒心が強い・自分の気持ちを伝えるのを苦手とする子が多いです。そのため、尿意を感じる→排泄する→排泄後の後処理 までの一連の流れを細かく分けて目標を立て、その目標が達成できたら次の段階へと進んで行く、スモールステップ法に効果があると言われています。

《例》
1.排泄をトイレやおまるでするものと認識させる
2.『出る』ことを伝える
3.トイレを使用させたい場合、トイレの空間に慣れる
4.便座・おまるに座る練習(服を脱ぐのを嫌がる場合は、服を着たままから始める)
5.排泄する
6.拭き取る
7.服を着る
8.水を流す
9.手を洗う


上記に挙げた例はあくまで一例です。子供の特徴に合わせてステップの一部を省いたり、更に細かいステップを加えることが必要になってくるケースもあるでしょう。

また、中には言葉による説明をなかなか理解ができない子もいます。そういった場合には、絵カードを利用して、視覚からトイレの流れを理解することも効果的と言われています。
トイレでうんち絵カードの一例

トイレでうんち絵カードの一例

こちらのサイトでは、発達障害児のための様々な絵カードを無料でダウンロードすることができます。

【体験談】自閉スペクトラム症の娘のトイトレ

【アッサリ諦めたトイトレ1回目】

gettyimages (234329)

筆者の娘は高機能自閉症。実は、娘が1歳7ヵ月の時に、一度数日間だけトイトレをしたことが…。丁度この頃は、娘に何かしら発達障害があるかも…と気付き始めた時期でした。

それなのに、なぜこんな早い段階でトイトレを試みたのかと言うと、それは祖母からの相次ぐプレッシャーが理由です。最初に述べたように、祖母の子供たち2人は、1歳頃にはオムツをしっかり卒業していたため、何も始めてすらいない筆者に「やらないことには、取れるものも取れないわよ!」と、当時よく言われていました。

どう考えても、無理がある…と内心思っていたものの、話をする度に言われたのもあり、とりあえず一度やってみてダメなら、祖母も勧めてくるのを止めてくれるだろうと目論んだのが事の次第です。

そして、試しにやってみた結果は、見事に惨敗。

・トイトレ初日
朝9時過ぎにオムツを替え、13時の段階でおしっこをしていなかったので、オムツを外しておまるに約10分間座らせるも、何も出ず。その後暫くして、オムツでおしっこ。

・トイトレ2日目
自分の気が乗らず、トイトレお休み。

・トイトレ3日目
午前中、約1時間程オムツなし(すっぽんぽん)で過ごさせる。途中、運良くうんちをいきみ出したので、すかさずおまるに座らせるも、小粒のうんちが出たところで、するのを止めてしまった感じあり。

午後になり、再びオムツなしで2時間程過ごさせる。すると、おまるに手を添えて、カーペットにおしっこ。直ぐにおまるに座らせたものの、嫌がって泣くだけでそれ以上は出ず。汚れたカーペットを掃除し終わった直後、同じ場所でカーペットにおしっこ。再びおまるに座らせるも、やはり嫌がって泣く。

トイトレをしたのは、実質2日間。おしっこの間隔もバラバラで、言葉の理解力もほぼない娘に、これ以上続けるのは無理と判断し、トイトレ1回目は終了。しかし、とりあえずトイトレを試みたことで、目論見通り祖母からプレッシャーを掛けられることはほぼ無くなりました。

【トイトレ準備段階】

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・2歳11ヵ月~3歳0ヵ月
1回目のトイトレを止めた後、暫くは娘におまるを見せることすらなく、おまるはクローゼットで眠ってる状態でした。去年の夏9月、主人の転勤で引っ越し。新居での生活が落ち着いてから、おまるをバスルームに設置したのが同年11月(当時、娘2歳11ヵ月)。この時点では、先ずおまるの存在に慣れてもらうことからスタートしました。

初めのうちは、ボウル部分を取り外しては遊び、座らせようとすると嫌がることが多かったものの、1ヶ月程経つと徐々に慣れ、オムツ替えのタイミングでたまにおまるに誘うと、本人の気が向いた時は座ってくれるようになり若干の進歩。拒否された時は、「じゃあ、また今度座ってみようね」という感じで、無理強いはしませんでした。

この頃から、朝シャワーを浴びた後、おまるの真横に立ったままおしっこをすることが数回あり、その都度「出る時は、おまるに座ってするんだよ」と言ってみるものの、理解している感じは見られませんでした。
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