2018年11月3日 更新

【妊娠時の栄養摂取に関する調査結果】妊娠中、サプリメントで栄養素を積極的に摂取する人は約半数

つわり時には摂取率が大幅に減る傾向も…。妊娠前・妊娠時の栄養摂取状況について実態調査を実施!

産科・婦人科「マミーズクリニックちとせ」院長・島田茂樹先生コメント

■日本の妊婦の葉酸摂取率は10%から20%。赤ちゃんを守る葉酸が摂取できていない

神経管閉鎖障害という病気があります。妊娠初期に神経管がうまく形成されなかった場合に、二分脊椎症、あるいは無脳症という病気が発症してしまうのです。この神経管閉鎖障害の発症を、お母さんが葉酸を飲むことによって減らすことができます。

日本でも厚生省から、「食品からの葉酸摂取に加えて、栄養補助食品(サプリメント)から、1日葉酸0.4mgを摂取すれば神経管閉鎖障害の発症低減が期待出来る」ということを情報提供するよう日本医師会や産婦人科学会に周知を依頼しています。

しかし、日本の妊娠女性の葉酸摂取率はいまだ10%から20%にとどまっており、発生率は低下していません。アメリカでは既にサプリメントが普及していることに加え、シリアルに葉酸が添加されることなどが義務づけられており、発症率は低下しています。
■つわりの時期こそ、サプリメントで葉酸摂取を

当クリニックにて実施した、つわりがある方へのアンケートでは、「栄養不足を意識したことはありますか?」の質問に対し「意識したことがある」58%、「非常に栄養不足を意識したことがある」18%、あわせて76%の方が栄養不足を意識しているという結果が判明しました。

つわりの時期に必要な栄養の中には、もちろん葉酸も含まれます。すべての妊娠を希望される女性は、胎児の神経管閉鎖障害を予防するために毎日0.4mgの葉酸摂取が推奨されています。妊娠初期の、つわりで食べられない時にこそ、サプリメントで葉酸を摂取する必要性が高まると考えます。
■つわりにはビタミンB6が有効

いくつかの論文で、ビタミンB6がつわりに有効だとする報告があります。日本産婦人科ガイドラインの2017最新版では、つわりの緩和には、ビタミンB6を投与するという治療法が記載されています。2014年度では“投与を考慮する”となっていましたが、この3年で“考慮する”から“投与する”と一段進んでいます。一方、アメリカでは2015年から既にビミンB6の投与は推奨レベルAです。

当クリニックでも、つわりがある方に、ビタミンB6を25mgと、葉酸400マイクログラム(0.4mg)を1日量として5日間、摂取していただき、吐き気がどうなるかというテストを20名の方にさせてもらいました。その結果、70%の方で吐き気が改善、65%の方で食欲の改善がみられました。

つわりは軽いうちに改善しなければ日に日に悪くなるという傾向があります。そして悪くなると経口摂取もできなくなる、つまり食べられない、飲めないという他に、薬やサプリメントすら飲めなくなるということを意味します。そのため、つわりは軽いうちに改善させることが非常に重要だと考えています。

妊娠初期は赤ちゃんを授かった喜びを感じて、毎日を幸せに過ごしていただきたい時期。つわりが軽減されて笑顔のお母さんが増える世の中になることを祈っています。
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