2026年4月21日 更新

「心地よい領域を知っておく」HSPの方が持つ“自分なりの処方箋”

繊細さや敏感さを持ち、生きづらさを感じてしまう【HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)】。4分類の傾向や、HSPの方々から実際にお伺いした“快適に過ごすために行っているひと工夫”などをご紹介します。

生まれ持った気質「HSP」

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「敏感すぎる人」「非常に繊細な人」を意味する、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)。後天的にも形成しやすい“性格”とは異なり、人口のうち2割が持つ“生まれつきの気質”といわれています。

生まれ持ったものを、環境や意識ひとつでがらりと変えるのは難しいもの。そこで今回は、4つに分類化されているHSPの傾向、そして、それらの気質を受け止めて前向きに過ごそうとされている方々から伺った「心地よい領域」などに触れていきます。

そこには、日常のなかで抱える生きづらさや、「“変えることが目的”ではなく、“受容したうえで和やかに過ごすひと工夫”」のヒントが溢れていましたよ。

HSPは大きく分けて4種類

HSPは、大きく4つのタイプに分けられます。

■ 内向型HSP
■ 外向型HSP「HSE」
■ 刺激追求型HSP「HSS型HSP」
■ 刺激追求型・外向型HSP「HSS型HSE」

“周囲よりも感覚が過敏な場合=HSP”ではなく、以下の「DOES(ダズ)」と呼ばれる大きな特徴すべてに当てはまることが基準です。

【DOES】
Depth of processing 「考えを深く処理する」
Overstimulation 「過剰に刺激を受けやすい」
Emotional response and empathy 「感情反応が強く、共感もしやすい」
Sensitivity to subtleties 「あらゆる感覚がするどい」
このDOESのうち、どれかひとつでも当てはまらない場合はHSPではなく「内向的な性格」になります。そして、DOESに加えてどんな特徴が見られるかで、4種類のHSPのうちどこに当てはまるかが分かりますよ。

それでは、4つの分類についてひとつずつ触れていきます。

とにもかくにもひとりが好き【内向型HSP】

4つのHSPのうち、もっとも基本的なタイプです。

刺激が苦手で、大きな冒険は避けたい。ひとりの時間を確保することで、エネルギーをじわりと回復させます。HSPの気質である過敏さが分かりやすく出現するのが、この「内向型HSP」です。
【 内向型HSPの傾向 】
・ひとりで過ごしてエネルギーを回復させる
・刺激が苦手で避ける
・人の機嫌を伺いながら過ごす
・物事をじっくりと深く考え込む
・共感力が強い

内向型HSPは、ひとりで深くじっくりと考えながらペースを保つため、行動が制限されてしまいがちに。

しかし、リスクの回避力に強くなり大きな失敗を軽減できるほか、人に親身になって接したり、創造力が広がりやすかったりなどの長所がありますよ◎

人との関わり合いが好きな【外向型HSP「HSE」】


HSEは、「Highly Sensitive Extroversion(ハイリー・センシティブ・エクストラバージョン)」の頭文字を取ったもの。“刺激には弱いのに社交的”で、「社交的HSP」とも呼ばれています。

「DOESの特徴を持ちながらも、人と過ごしたり、だれかと物事を成し遂げたりするのが好き」な方は、HSEの可能性があります。

【 HSEの傾向 】
・人に優しく、関わり合いが好き
・人との協力体制でパフォーマンスが向上する
・人からの拒否や拒絶に恐怖を感じる
・一人で深く考える時間が必要
・強い刺激は苦手

HSEは、「人と関わるのは好きだけれど強い刺激は苦手で、ひとりになって深く考える時間も必要」なタイプ。外向的と内向的の両面でがくっと疲れてしまいがちですが、気持ちが落ち込んだときには人との触れ合いでリフレッシュできます。

人のことを思いやり、穏やかで聞き上手な一面もあるタイプです◎

刺激を追い求める【HSS型HSP】

HSSは、「High Sensation Seeking(ハイ・センセーション・シーキング)」の頭文字を取ったもの。HSPのうち約30%は、この「HSS特性」を併せ持っているといわれています。

「HSEとどう違うの?」と思う方もいるかもしれませんが、HSEが“人と関わり合いたいけれど刺激に強くない”のに対し、HSS型HSPは“行動はひとりがよいけれど刺激に対して非常にポジティブ”。

つまり、HSS型HSPとHSEの違いは「社交性」にあるのです。

【 HSS型HSPの傾向 】
・好奇心旺盛
・考えるよりまず行動
・行動してから大きなミスをしてしまいがち
・何かをするときはひとりで動きたい
・社交的な外向型ではない

HSS型HSPは、人と関わり合うよりも単独行動が得意。刺激に立ち向かう好奇心はあるものの、立ち向かった結果疲れ果て、くたっと燃え尽きやすい傾向があります。

一方で、人の気持ちをうまく理解しながらひとりで考えて行動できる傾向があるのも、このHSS型HSPです◎

刺激好き+社交的な【HSS型HSE】

「HSS」の好奇心旺盛さと「HSE」の社交性とを併せ持つのが、「HSS型HSE」です。人との関わり合いが好きなうえ、刺激を求めてさくっとアクティブに行動するので、周囲からはスマートな印象を持たれやすい傾向があります。

ところが、やはり他の3種類と同じくHSP気質なことから、刺激の耐性は強くないのです。

【 HSS型HSEの傾向 】
・人との関わり合いが好き
・リーダーシップがある
・行動に移すまでが単純でスピーディー
・バランスによって力が発揮できないことがある
・HSS型HSP以上に疲れやすい

一見、アグレッシブで頼られやすいHSS型HSEですが、社交的であるがゆえに人からの強い言葉に接する機会が多くなりがちです。些細な言葉で強く傷付くシーンに、どうしても多く遭遇。人と関わることが好きで明るく振舞えるものの、影では疲れてヘトヘトになりやすい傾向があります。

「ひとりで考える時間が欲しい、でも人付き合いもしたい」ので、一見立ち振る舞いが上手なタイプといえますよ◎

つまりどのタイプも総じて“刺激には強くない”

ここまで、4分類したHSPについて触れていきました。「外向型」「社交性」と、HSPにはやや意外性のある言葉が出てきましたが、4分類すべてに言えるのは“どのタイプも刺激には強くないこと”です。

〈内向型HSP〉
ひとりが好きで刺激を好まない

〈HSE〉
人と関わるのは好きなものの、刺激は好まない

〈HSS型HSP〉
ひとりで刺激を追うものの、刺激への耐性は強くない

〈HSS型HSE〉
人と関わりながら刺激を追うものの、刺激への耐性は強くない

「外向型」「社交性がある」といって、HSPの深くじっくり考え込む気質がなくなるわけではありません。これら4つのHSPすべてに、「DOES」が含まれているというわけです。

“HSP”と“生きづらさ”は別物

もうひとつ意識しておきたいのが、“HSPとはDOESの部分のみ”であること。HSPが必ずしも傷付きやすかったり生きにくかったりするのではなく、「気質のDOESによって、生きづらさが引き起こされる可能性がある」のです。

実際に、HSP気質を持ちながらも気付いていないケースや、気付いていながらも生きづらさを感じていない方もいます。

つまり、生まれ持ったHSPの気質は変えられないものの、引き起こされるネガティブ要因は克服したり和らげたりできる可能性があるのです。

息が詰まる…そんなとき、こう向き合っています

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性格が十人十色なように、HSPの人でも、自分をすこやかに保つ手段にはそれぞれ違いがあるはず。そこで、セルフチェックなどで「HSP傾向である」と診断された4名の方に、以下のテーマに沿ってお話を聞かせていただきました。

・HSPに気が付いたきっかけ
・日常生活の中で不快に感じるHSPの特徴
・自分がHSP傾向だとを知れてよかった点
・自分なりの心の整えかた

「HSPってこういう特徴があるんだ」「自分と同じかもしれない」「ここは自分とは違いそう」など、ご自身の経験と重ねながらゆったりと読んでみてくださいね。

Eさん(20代・女性)

【HSPに気が付いたきっかけ】
会社員の頃、上司が社員に怒鳴ったりパソコンのキーボードを強く叩いたりするのを見て、自分に向けてされているような感覚に陥り、手が震えるようなことがありました。結婚してパートナーと暮らすようになってから、自分が匂い・音・光に非常に敏感なのではと気付き、その後SNSにて「HSP」の存在を知り「これは自分のことだ」と思ったのがきっかけです。

【日常生活の中で不快に感じるHSPの特徴】
・仕事のミーティングでメンバーの表情や空気感を読み取りすぎる
・過度に緊張したり気を遣ってしまう
・パートナーのピリピリとした空気感に過度なストレスを感じる

【自分がHSP傾向だとを知れてよかった点】
・「自分は心が弱い」と思わなくなった
・「特性を持つのは自分だけでない」と安心感が芽生えた
【自分なりの心の整えかた】
・趣味の料理をひたすらする
・心地よく感じる音楽や香り、言葉、映像に触れる
・ひとりの時間を堪能する
・山登りや地方への小旅行など自然豊かな場所に身を置く
・たっぷりと休息する
・信頼できて自分を否定しない人へ相談してみる
【HSPについて考えていること】
周りに自分と同じような人がいなかったこともあり、「自分の繊細さは自分の問題だ」と思っていました。HSPを知ってからは、「他人より繊細で敏感なだけだ」と受け入れられるようになり、自分を責めなくなったのが大きな変化です。「細かなことを気にしない」というのは難しいため、「気にした後にどうするか」が大切だと思っています。
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この記事のライター

梅田ミズキ 梅田ミズキ

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