2019年9月19日 更新

自閉症をもっと知ろう!

『自閉症』という言葉を耳にすることはあっても、実際どの様な障害であるかはまだまだ知られていません。自閉症の特徴や症状を筆者の娘(自閉症)の例と共にご紹介したいと思います。

自閉症とは?

自閉症とは、正式には『自閉スペクトラム症《Autism Spectrum Disorder : ASD》』という名称で、『自閉症』『高機能自閉症』『アスペルガー症候群』この3つを総称したもので、発達障害のひとつです。『自閉』という言葉から、自分の殻に閉じこもる心の病と誤解を受けることがありますが、そうではありません。
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『対人関係を構築するのが苦手』『特定の物事に対して強いこだわりを持つ』などが、特徴的な症状にあり、断定できる原因は不明ですが、先天的な脳機能の異常によるものと考えられており、親の育て方や躾け、愛情不足などが原因ではないことが分かっています。また、女性よりも男性に多く発症し、女性の約2~4倍という報告がされています。

自閉スペクトラム症の特徴と症状

自閉スペクトラム症が疑われる子供には、大きく3つの特徴があり、成長と共にその行動特性は顕著になっていく傾向にあります。
【特徴的な症状・行動】

①言葉の遅れ
2~3歳になっても言葉がなかなか出てこず、指差しやジェスチャーも乏しい。欲しい物がある時に、誰かの手を引っ張って道具の様に使い、目的の物を取ろうとする『クレーン現象』が見られることもあります。言葉を話すようになってからも、オウム返しやその場にそぐわない発言をしたり、独り言が多い子がいます。また、年齢に見合わない難しい言葉を使ったり、大人びた言葉使いをするケースもあります。

②コミュニケーションを取るのが困難
・呼びかけに反応せず、視線が合わない、表情が乏しい。
・1人遊びを好み、人に関心を示さない。
・バイバイをする時に、手のひらを自分の方に向けてバイバイする(逆さバイバイ)。

③特定の物事・行為・場所などに強いこだわりを持つ
・『常同行動』と言われる、同じ行動を繰り返し行う動作がよく見られます。その例として、手をひらひらとかざす・つま先立ちで歩く・ぐるぐる回る・体をゆらゆら動かすなどがあります。
・スケジュール・手順・道順・方法・物の位置などへ強いこだわりが見られます。また、自閉スペクトラム症の子供は、新しい変化や環境に対応するのが非常に苦手で、それらの状況下で強い抵抗を示すことが多いです。
・数字やシンボル・文字、特定のキャラクターなどに強い興味を示し没頭する。
上記の大きな特徴以外にも、『言葉の指示が理解できない』『常に動いている・じっとしていることができない(多動性)』『感覚(視覚・聴覚・触覚など)の過敏性、あるいは感覚の鈍麻性』『自分の思い通りにならないと酷い癇癪を起こしたり、パニックに陥る』『自傷行為』『睡眠時間が短い』といった特性も多く見受けられます。

《赤ちゃん時期のサイン》

自閉スペクトラム症の特性は様々で、個人差があります。一時的に自閉的な行動が見受けられる場合でも、成長と共にその様な行動がなくなり、発達が追いつくことも多くあり、成長の差が出やすい赤ちゃん期~幼児期には、単なる成長の遅れなのか、それとも自閉スペクトラム症なのかという見分けを付けるのが難しいのが実情です。

また、赤ちゃん時期には症状が軽く、個性の範囲内と判断されるケースも多いため、実際に診断が下されるのは2歳~3歳頃という場合が多いようです。

但し、症状の重い赤ちゃんの場合、以下の様な特有のサインが多く見られます。

◎名前を呼んでも反応しない。
◎あやしたり、抱っこをしても喜ぶ様子がなく、笑わない。
◎抱っこされたり、抱きしめられるのを嫌がる。
◎視線が合っても無反応。
◎1人でも寂しがる様子がない(後追いしない)。
◎お腹が減っていたり、オムツが汚れていても、泣くことが少ない。
◎(離乳食)偏食が非常に激しい。

この様な症状がある場合、保護者自身が普段の生活の中で『あれっ?ちょっと普通とは違うかも…』と、自閉的傾向に気付きやすく、早ければ1歳検診・1歳半検診の段階で自閉スペクトラム症を診断されるケースもあります。

*娘(2歳9ヵ月)の場合*

2019年8月、私の娘は正式に『中度の自閉スペクトラム症』という診断を受けました。自閉スペクトラム症の一例として、今回娘の赤ちゃん時期から現在に至るまでの様子をご紹介したいと思います。
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