2020年6月1日 更新

【体験談】高齢初産&無痛分娩!筆者のビックリ&想定外オンパレードの出産録

初産でも…経産婦であっても、出産の展開を予め予測するのはなかなか難しいものですよね。そして、出産の数だけ出産のストーリーがあり、そのエピソードは実に様々。今回、感動エピソードとは程遠い筆者の出産ストーリーをご紹介します。

検診から突然入院宣告

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妊娠初期~中期にかけて、重度のつわり『妊娠悪阻(おそ)』で点滴治療をしていた筆者。アメリカでは、妊婦検診でエコー検査をするのは、妊娠期間中を通して通常2~3回と非常に少ないのですが、筆者の場合つわりの影響や体質もあってか、お腹がやっと出始めたのが妊娠6ヵ月と遅く、妊婦検診の度にお腹のサイズで引っかかってしまい、検診とは別に毎回エコー検査を受けに行っていました。

妊娠38週のエコー検査*で、「羊水が少なめ」と指摘を受けた筆者。ただ、赤ちゃんのサイズに問題はなく、羊水が少なめだけど異常とまではいかないレベル…とのことで、この時の検査は終了。

*この時のエコー検査は、医師によるものではなく、超音波検査士によるものでした。

そして迎えた39週(39週2日目)の検診。開口一番、医師から「先週のエコー検査で羊水が少ないってことだっだけど、今からするエコー検査でやっぱり少なかったら、今日促進剤を使って出産ね!」と、予想もしていなかった発言。

38週の検査で「異常とまではいかない…」と言われたことで、出産は陣痛が来る日まで待つものだと思っていたので、医師の発言に一緒に付き添って来ていた主人と2人してビックリ!そして始まったエコー検査の診断は「完全に羊水過少。今日出産だから、即入院ね!!」と言い渡され、医師は早速LDR*(陣痛分娩室)へ連絡。

*LDRとは、Labor(陣痛)Delivery(分娩)Recovery(回復)を略した言葉で、陣痛・分娩・回復までを全て同じ部屋(個室)で行うもの、アメリカで考案されたシステムです。

がしかし、LDRが満室とのことで一旦帰宅指示。医師からは「当分、LDRが空きそうにない」と言われ、病院から連絡が来るまで暫く家でゆっくり出来る…なんて呑気に考えたのも束の間、「入院グッズ取ったら、直ぐに(病院へ)戻って来て!」と言われ、帰宅後犬の世話を済ませ再び病院へ。

この間(病院⇒帰宅&犬の世話⇒病院)約1時間半。病院に戻り、そこから待合室で1時間半待たされ、いざ入院スタート。

誰もが予想していなかった陣痛開始

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LDRは、ホテルの一室の様になっており完全個室。筆者が利用した病院では、テレビ・カウチ・リクライニングチェア・トイレなどが完備され、その他にもアイスキャンディーやジュースも用意されていました。

午後4時前に空いたLDRへ通され、用意された病院着に着替え、お腹にNSTを付けた状態でベッドで待機。途中、何度か担当の看護師さんから問診を受けたりしつつも、この日は出産が立て込んでいたため、最初の4時間はほぼ放置状態。しかし、設備の整ったLDR室のお陰で、テレビを見ながら主人と話をしたりで、快適に過ごしていました。

そして、午後8時。ここから誰も予想していなかった展開が…。

何かの用事でやって来た看護師さんが、部屋を出る前になんとなくNSTモニターをチェック。その瞬間、看護師さんから「えっ!?ちょっと、陣痛来てるわよ。しかも、もう4~5分間隔!!」看護師さんも驚いていましたが、筆者と主人ももちろんビックリ。

看護師さんと主人からは、「痛い素振り全く見せてないけど、この間隔でお腹痛くないの?」と突っ込まれてしまう程、陣痛を認識していなかった筆者。

実は、少し前からお腹の痛みは若干感じていたものの、以前にも似たような痛みがあり(自覚はありませんでしたが、恐らく前駆陣痛)、痛いと言う程の痛みではなく、何より痛みが引いたり戻って来たり…という規則的な間隔ではなかったため、単なる腹痛だと思っていました。

まさかの陣痛発覚で、慌てて子宮口のチェックが入り、開き具合は4センチ。この段階で、看護師さんから、自然分娩・無痛分娩のどちらを希望するか?の意思確認。

筆者は、嘔吐恐怖症。友人数人から、麻酔の副作用で吐き気&嘔吐があった…という体験談を聞いていたため、無痛分娩で産みたいとは思っていたものの、決断しきれないままこの日を迎えていました。そのため看護師さんに相談し、医師の許可を得て、予め吐き気止めを点滴に入れてもらうことで、無痛分娩で挑むことを決めました。

読めないお産スピード

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アクセル全開!

思いもよらない陣痛スタートでしたが、「初産だから、まだここからが長いわよ!明日中に産まれたら早いほうかな。」と言われていました。

それから約1時間後の、午後9時過ぎ。それまでなんてことなかった痛みが、猛烈な痛みに変化!あまりの痛さに、ベッドの手摺りを握りしめ、顔はしかめっ面、言葉も出せない状態に。

そんな私の様子を見て、看護師さんには「そんなに痛い?でも、まだまだこれからもっと痛くなるわよ!」と忠告されたのも束の間、モニターチェックした看護師さんがまたまた驚く事態に…。

「陣痛2分間隔!?ちょっと、もう1回子宮口確認するわね!」で、子宮口8.5センチ。

ここから看護師さんは、慌てて麻酔医に連絡。が、忙しい先生はなかなか現れず。その間、お腹の中で何かがパンッ!と弾ける感覚と共に破水。「破水したっぽいです」と、看護師さんに伝えるも、「おしっこじゃない?」と疑われ、「いや、おしっこの量を遥かに超えてます!これは絶対破水です!」なんて会話をしつつ、確認してもらうまでの間にも、破水の第2波…第3波が。

確認後、当然破水の診断。びしょびしょに濡れたパッドを変えてもらい、陣痛の波に悶えながら、ひたすら麻酔医を待つこと暫し…。やっと現れた麻酔医を目にして「これでやっと麻酔を打ってもらえる…!」と思いきや、先ずは麻酔のリスク説明。

2分間隔の陣痛で、痛さのあまり医師の説明なんて全く耳に入らず…と言うよりは聞く耳すらない状態。付き添いの主人がしっかり聞いているだろう…と想定し、長い説明の後、ようやく同意書サイン。

ただ、陣痛の波真っただ中で紙とペンを差し出され、すかさず「先生、今サインは出来ません!痛みが引くの待って下さい!」と言ったことで、皆は大爆笑。一緒に笑う余裕などなかった筆者は、陣痛の波を乗り切ったところで急いでサイン。この時点で、直ぐに麻酔を打ってもらえるのかと思っていたら、今から準備する…とのことで、更に待たされることに。

かなり待たされた後、ようやく背中に麻酔注入。これで楽になる…とホッとしていたものの、喋ることが出来るくらいまで痛みは若干引くも、手摺りを握りしめないと痛みをしのげず、顔も必然的にしかめっ面に。

その姿に「そんなにまだ痛い?う~ん、麻酔したからそんなに痛いはずないんだけどな…」と看護師さん。その後、再び登場した医師に状況報告。それを受けて、棒のような物で、足・お尻・腰をツンツンされ、麻酔の効き具合を確認し、麻酔追加となりました。

更に、手元のボタンを使い、痛みに応じて20分おきに自分で麻酔を追加出来るようになっていたのですが、痛みに強い分、困ったことに傷み止めや麻酔などが効きにくい体質の筆者。追加の麻酔後も痛みはかなりあり、見兼ねた医師が20分と言わず、いつでも自分で麻酔を追加出来るように設定し直してくれました。

しかし、無意識につい痛みを我慢してしまい、その度に看護師さんや主人から「麻酔、麻酔!」と言われて、慌ててボタンを押し麻酔を追加していました。

麻酔で急ブレーキ ⇒ 急発進

度重なる麻酔追加で、ようやく楽になってきた…と思ったら、痛みと共に陣痛の波まで遠のいてしまい、猛スピードで2分間隔まで進んだ陣痛が、まさかの4分間隔に後退。そのまま約2時間が経過。

娘の心拍が少し低下していることが判り、『このまま心拍が低下し続けると、帝王切開にもなり得る』とのことで、この段階で初めて促進剤を少し使うことに。

その準備を待っている間、麻酔を自分で追加しても効きが悪くなり、かなりの陣痛をまた感じるようになっていましたが、そのことを告げることなく促進剤を注入。ここから暫く様子見ということで、「促進剤の効果が出て来る前に、今のうちに少しでも寝ておいてね!」と看護師さんからアドバイス。

部屋の照明も消され、主人は瞬時に仮眠突入。一方筆者は、痛みのために寝れず。その20分後、麻酔の効果をほぼ感じられないまでに痛みが押し寄せてき、気付いた看護師さんに「もうそんなに痛い?そんなに早く促進剤が効くとは思えないけど、そんなに痛いなら子宮口一応確認しようか」…で確認すると、既に全開!!!

産まなきゃ!…ということで、慌てて駆けつける医師と助産師さん。いざ、出産がスタートしました。

ぶっつけ本番

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妊娠中、一切お産の勉強をしていなかった筆者。呼吸法やいきみ方など、何となくどこからか聞いた知識のみで、ぶっつけ本番でお産に挑んだ無謀者。

ラマーズ法…目を閉じちゃいけない…息を止めたらいけない…。など、僅かな知識は頭の片隅にあったものの、いざ始まったお産では注意されなかったこともあり、これら全てを無視。助産師さんたちの掛け声と共に、陣痛の波に合わせてがむしゃらに1時間程いきみ続けていました。

かなり早い段階で娘の頭は下がってき、髪の毛がチラッと見えていたのですが、頭が引っかかり、そこからがなかなか進まず…。その間、助産師さんは少しでも出入口付近を広げるために、指を突っ込み円を描くようにぐるぐるマッサージしていたのですが、そこそこ痛みを感じるくらい激しめのマッサージでした。暫くして娘の心拍が再び低下し始め、この時点で会陰切開。

そして知らないうちに、更に看護師さんたちの数が増え(うろ覚えですが、確か6~7人)、部屋中にいたスタッフ全員から凄い大声で「プッ~シュ!!(いきんで!!)」を連呼され、その30分後に晴れて娘誕生。陣痛発覚~出産まで約7時間半と、初産にしてはかなり早い方でした。

「あぁ、やっと終わった…!!」これが、産んだ直後の率直な感想。長かった妊娠~出産が終わったという安堵感はありましたが、“感動と”いう感情は一切沸きませんでした。一緒に立ち会っていた主人は感動屋で、涙もろい性格。「きっと娘の誕生に泣くだろうな…」と思っていた私の期待を裏切り至って冷静で、それにはちょっと拍子抜けしてしまいました。
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この記事のライター

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