人口のおよそ8割が睡眠に問題を抱えている日本。先進国の中でも男女ともに睡眠時間が短い国の1つです。中でも仕事と育児、家事の3役をこなしている子育て世代の睡眠スタイルは、自身の睡眠課題に加えて、子どもの睡眠や成績に影響を及ぼしていることが明らかになってきており、親と子の睡眠について専門家が警鐘を鳴らし始めています。
世界各国の睡眠時間の実態
世界各国の睡眠時間から、日本人の睡眠時間は他国と比較すると、男女ともに短いことが指摘さ
れています。また、女性の方が男性よりも睡眠時間が短いことも諸外国と違った点です(図1)。平成28年国民健康・栄養調査結果では、子育て世代の休息が十分にとれてないこともあげられています。
日本人の睡眠課題は、睡眠時間が短いことに加えて睡眠の質が低下傾向にあることです。小学3年生以下の子どもを持つ25~44歳の女性402名に調査を行ったところ、「昼間眠たくな
る」「朝すっきり起きられない」「途中で目覚めてしまう」といった、睡眠の質低下に関する様々な悩みが見られました。
れています。また、女性の方が男性よりも睡眠時間が短いことも諸外国と違った点です(図1)。平成28年国民健康・栄養調査結果では、子育て世代の休息が十分にとれてないこともあげられています。
日本人の睡眠課題は、睡眠時間が短いことに加えて睡眠の質が低下傾向にあることです。小学3年生以下の子どもを持つ25~44歳の女性402名に調査を行ったところ、「昼間眠たくな
る」「朝すっきり起きられない」「途中で目覚めてしまう」といった、睡眠の質低下に関する様々な悩みが見られました。
【専門家が分析】子育て世代の“睡眠の質”低下、主な原因は「ストレス」!
ストレスは睡眠に大きく影響することが知られていますが、子育て世代は仕事・家事・育児とオーバーワーク気味で、時間にも制約があり、気分転換もしづらい環境にある為ストレスを溜め込みやすい環境下にあります。
ストレスにより睡眠の質が低下すると、成長ホルモンがしっかりと分泌されず、翌日に疲労感や倦怠感が残り、日中のパフォーマンスが落ちてしまいます。これが日々重なることで悪循環をおこしてしまいます。
ストレスにより睡眠の質が低下すると、成長ホルモンがしっかりと分泌されず、翌日に疲労感や倦怠感が残り、日中のパフォーマンスが落ちてしまいます。これが日々重なることで悪循環をおこしてしまいます。
親の睡眠スタイルが子どもにも影響・・・
親の睡眠スタイルが子どもに影響することが調査によりわかってきています。(図4)
子どもの脳や身体の発達と睡眠との間には密接な関係が存在します。母親と子どもの就寝時間について尋ねた調査によると、母親が23時前後に就寝の場合、子どもは20時~22時には寝ています。しかし、母親が午前0時以降に就寝すると、子どもも午前0時に寝る傾向が高まります。(図5)
子どもの健全な発達を考えるうえで、子どもの睡眠について保護者が十分に把握し、子どもを早く寝つかせ、また親自身も早く寝ることが大切です。
子どもの脳や身体の発達と睡眠との間には密接な関係が存在します。母親と子どもの就寝時間について尋ねた調査によると、母親が23時前後に就寝の場合、子どもは20時~22時には寝ています。しかし、母親が午前0時以降に就寝すると、子どもも午前0時に寝る傾向が高まります。(図5)
子どもの健全な発達を考えるうえで、子どもの睡眠について保護者が十分に把握し、子どもを早く寝つかせ、また親自身も早く寝ることが大切です。
(上)出典:白川修一郎ら: 子どもの睡眠と親の生活習慣. 小児歯科臨床 9(12): 33-38, 2004より作図
(下)出典:睡眠文化研究所「東京400家族 都市生活における家族の睡眠の現状」より作図
(下)出典:睡眠文化研究所「東京400家族 都市生活における家族の睡眠の現状」より作図