産後の身体に腹筋トレーニングが良くないことを知らないと9割が回答
産後に腹筋トレーニングがNGな理由(代表 石神直人氏よりコメント)
出産後、妊娠前と比べ変化した身体に悩む方は多くいらっしゃいます。特にお腹周りが気になり、直接的に鍛えられる腹筋トレーニングは手軽で自宅でもできるため、行っている方が多いことが今回の調査結果からもあきらかになりました。しかし実際は産後の身体に腹筋トレーニングは良くなく、それをご存知ない方が多くいらっしゃいます。
なぜいわゆる腹筋(シットアップ、クランチ)が産後すぐの女性に良くないかと言うと、産後の女性特有の体の変化が大きく分けて2つ起こってしまっているからです。
1つ目は、妊娠による子宮の膨らみ(お腹が膨らむ)により、腹筋が引き伸ばされて「腹直筋離開」という、お腹の真ん中が「開いた状態」が起こっています。※図1
この腹直筋離開が起こっている状態で、腹筋(シットアップ、クランチ)などを行ってしまうと、この腹直筋離開がさらに開いていき、結果として腹筋がうまく使えない状態となり、腰痛や姿勢の崩れから起こる肩こり、ぽっこりお腹など体型の変化などが引き起こされてしまいます。
また、2つ目の変化としてインナーユニット(腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋)という体の軸になる筋肉のバランスが産後の女性は破綻していることが多いです。※図2
(お腹は引き伸ばされ、横隔膜・多裂筋は硬くなり、骨盤底筋はお産により損傷を受け傷ついている)
このインナーユニットがうまく機能していないと、腹直筋離開による症状と同様の症状だけでなく、尿漏れなどのマイナートラブルも多く引き起こしてしまいます。産後の女性はこれらの状態を考慮した上で適切な運動をすることで、体型に対する問題だけでなく、産後に多い腰痛や肩こりなどのトラブルからも解放されていきます。
まず重要なのは見た目の筋肉(腹直筋)より、土台の筋肉(インナーユニット)をしっかり使えるようにしていくことが重要です。
その為に重要なのは「ドローイン」です。※図3
ドローインとは(図3)のようにやるのが一般的ですが産後の女性は、特にインナーユニット(腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋)を最大限に活動させるため(図4)の様に、手をバンザイさせ(肋骨を開かせ、横隔膜を働かせる)、股の間にボールを挟んだ状態で(内転筋を締めて骨盤底筋を働かせる)鼻から大きく息を吸い(お腹が膨らむ)、口から息を吐く(お腹が凹む)。
この時、注意するのは一度に強く息を吐くのではなく、ストローから息を吐くように細く長く息を吐ききること(10秒〜15秒くらいかけて)が重要となります。これを(1日×5セット約3ヶ月間)継続することで、産後に起こってしまう腹直筋離開の対策・インナーユニットの強化ができ、体型の悩みや体の痛みのトラブルを予防できます。