12月11日は「胃腸の日」。「いに(12)いい(11)」(胃にいい)の語呂合わせから、日本大衆薬工業協会(現・日本OTC医薬品協会)が2002(平成14)年に制定しました。秋冬は忘年会シーズンなども重なり胃腸に関して注目されるシーズンでもあります。
今回は赤ちゃんの胃腸について、腸内フローラにも触れながら、海外でも注目されているビフィズス菌「BB-21」の期待効果についてまとめました。
今回は赤ちゃんの胃腸について、腸内フローラにも触れながら、海外でも注目されているビフィズス菌「BB-21」の期待効果についてまとめました。
0歳の子供をもつママが気になる子供の病気上位に「肌荒れ」「便秘」
2016年に雪印ビーンスタークが実施した2歳児のママ800名を対象にした調査で、子供の体調不良について気になっていたこと、気になっていることを聞いた所、肌荒れ・便秘が上位にランクインしました。肌荒れや便秘はママの悩みの種となっていることが分かります。
調査概要: 2016年 雪印ビーンスターク調べ
調査対象: 2歳の子どもを持つママ 20歳~49歳 計800人
乳児期から大人にかけて腸内細菌には変化が!
腸内の細菌には大きく3種類あり、体に働きをしてくれる善玉菌が多い状態がよい腸内環境とされています。善玉菌の中でも1番優勢なのはビフィズス菌と言われており、乳酸菌の1万倍以上(善玉菌の99.9% )が検出されると言われています。
また、ビフィズス菌は生後一週間頃に腸内で最も多い菌になることで、赤ちゃんの健康を守っています。ビフィズス菌の摂取によって、感染症予防・皮膚炎予防が期待できるという研究結果も発表されています。
赤ちゃんの腸内環境はどう決まる!? ママの腸内環境の影響は? 母乳栄養と人口栄養によってビフィズス菌にも違いがある
自然分娩で生まれた完全母乳栄養児と完全人工栄養児についてそれぞれの腸内細菌を調べた研究では、完全母乳栄養児の方がビフィズス菌が多く、また腸内細菌叢全体におけるビフィズス菌が占める割合も多い結果となりました。
生後早期におけるビフィズス菌優位の腸内細菌叢の形成が、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、気管支喘息などのアレルギー疾患の発症に関連するといわれていることから、最近では母乳オリゴ糖やビフィズス菌を含む粉ミルクや、調乳したミルクにビフィズス菌を後から添加する商品などが海外で販売されており、母乳栄養児の腸内菌叢に近づけるための試みがなされています。
人工乳に使われているビフィズス菌BB-12とその健康効果は?世界では乳児用商品が多数販売されている
海外ではあらかじめビフィズス菌を含む粉ミルクや調乳したミルクに、後からビフィズス菌を添加する乳児用プロバイオティクス商品が販売されています。商品ごとに様々な菌株が配合されていますが、その中でもプロバイオティクス粉ミルクに最も多く使用されている菌株がBB-12株(学名Bifidobacteriumanimalis subsp.lactis,)です。
このビフィズス菌BB-12株は世界各国で食経験があることから安全性が確認されているビフィズス菌です。多くのビフィズス菌は胃酸や胆汁酸に弱いですが、ビフィズス菌BB-12株はそれらに耐性をもつため、生きて腸まで到達することで、腸内細菌叢を母乳栄養児に近づける効果が期待できるといわれています。
このように海外では生後早期の乳児にビフィズス菌を摂取させる新しい食習慣が広まってきています。
ビフィズス菌BB-12に期待される効果とは!?
✔ 乳児のアトピー性皮膚炎症状改善
ビフィズス菌BB-12株の生理機能の1つとしてアトピー性皮膚炎症状改善効果が報告されています。海外の研究において、母乳栄養のみで哺育されていた平均月齢4.6か月のアトピー性皮膚炎を有する乳児を対象に、ビフィズス菌BB-12株(300~800億個/日)を含む高度加水分解乳と含まない高度加水分解乳※でそれぞれ哺育し、2か月後の症状の変化を比較しました。
その結果、ビフィズス菌BB-12株を含む高度加水分解乳で哺育された乳児はアトピー性皮膚炎の 重症度を示すSCORADスコアが低下し、明らかな症状の改善がみられました。
※高度加水分解乳…牛乳タンパク質を分解することでアレルゲンを低減したミルク
✔ 乳児の発熱および下痢リスク低減
その結果、ビフィズス菌BB-12株を含む高度加水分解乳で哺育された乳児はアトピー性皮膚炎の 重症度を示すSCORADスコアが低下し、明らかな症状の改善がみられました。
※高度加水分解乳…牛乳タンパク質を分解することでアレルゲンを低減したミルク
✔ 乳児の発熱および下痢リスク低減