2019年8月22日 更新

絵本から幼年童話へ興味を -幼稚園の先生に教えてもらった名作たちー

我が家の次男が幼稚園の年長の1年間に担任の先生に読んでいただいた素晴らしい童話・絵本をご紹介します。

絵本は好きなのに、字の多い童話にはなかなか興味を持ってくれない。電車の本ばっかり図書の時間に借りてくる…それが我が家の長男の読書に対するちょっとした悩みでした。

私自身、絵本と児童文学の知識はあっても、その中間に位置する幼年童話の選書、読み聞かせに自信がありませんでした。

その悩みを解決してくださったのが、引っ越し先で出会った、次男の幼稚園の担任の先生です。

先生が年長組の時、読んでくださった絵本や童話に次男はもう夢中に(長男も興味をもって聞いてくれました)。先生にどんな本を読んでいるのか教えていただいて、幼稚園で読んだ後、家でも読み聞かせをしてみたら、どの本も面白い!私も毎晩読むのが楽しみでした。

私と同じような悩みを抱えている方も多いのではないかと思いますし、素晴らしい選書なので、先生のお許しをいただいた上で、たくさんの方にご紹介したいと思います。

おしいれのぼうけん

ふるたたるひ・たばたせいいち/さく

ふるたたるひ・たばたせいいち/さく

さくらほいくえんには、こわいものがふたつあります。

ひとつはおしいれで、もうひとつは、ねずみばあさんです…。
この『おしいれのぼうけん』は、読んだことがある方も多いのではないでしょうか。

ケンカをして暴れて、おしいれにとじこめられてしまったさとしとあきらの大冒険のお話です。

私自身は、小さい頃「ねずみばあさん」に震え上がった人なんですが、男の子にはたまらなく冒険心をくすぐられる話なんだと、息子ができてわかりました。男子の思考回路は「怖い」だけじゃない。「立ち向かってやる!」なんですね。(もちろん女の子の中にもたくさん同じように立ち向かえる子がいると思います。)

そして、重要なのは「クラスのみんなで一緒にきいたこと」です。お友達が一緒だと強くなれる!頑張れる!というのは、運動会、劇遊び発表会…幼稚園生活の色んな場面で感じました。

そして「友達がいたから乗り越えられる」ことは、この本のメインテーマでもあります。実生活と物語がリンクしながら、クラスみんなで、「おしいれのぼうけん」をしていたのかと思うと、うらやましいです。

この本は字の多い絵本(約80ページ)、という感じなので、私は読み聞かせした時は2~3回にわけて読みました。

いやいやえん

中川李枝子/さく 大村百合子/え

中川李枝子/さく 大村百合子/え

ちゅーりっぷほいくえんにかよっている
しげるは四つです。

ちゅーりっぷほいくえんでは
いろんなことがおこります…。
名作『ぐりとぐら』を生み出した姉妹コンビの作者さんによる『いやいやえん』。

「ちゅーりっぷほいくえん」、「くじらとり」、「ちこちゃん」、「やまのこぐちゃん」、「おおかみ」、「いやいやえん」の7つの短編から成り立っています。

私自身、家で『いやいやえん』の読み聞かせをしていて、しょっぱなの「ちゅーりっぷほいくえん」で「しげるちゃん、3兄弟みたいやん!」と噴き出してしまいました。

しげるちゃんは保育園のお約束を一日で17回も破るつわもの…。他の話でも、やりたい放題、自由奔放…でもとってもいきいきした子。

作者の方の愛情を感じる描かれ方だなぁと思っていたら、作者の中川さんが保母さんのお仕事をしてらした時にみていたお子さんに、しげるちゃんのモデルがいるそうです。

保育の現場を経験してらっしゃるからこそ描けるリアルなエピソードも多いですが、ファンタジー要素もふんだんに盛り込まれていて、とても楽しい童話です。

スタジオジブリの宮崎駿監督が映像化を熱望していた結果、ジブリ美術館で「くじらとり」が短編映画として映画化されています。

『いやいやえん』を読むと、中川李枝子さん・大村(山脇)百合子さんの他の著作を、より楽しめる「しかけ」がつまっていますので、『いやいやえん』を読んだらぜひ、『ぐりとぐら』や『そらいろのたね』などをもしっかり読んでみて下さい。私はその「しかけ」のことで、担任の先生、次男とかなり盛り上がって楽しかったです。

絵の多い童話、という感じだったので、私は1日1つの短編を読んで一週間で読み切った感じでした。

エルマーのぼうけん

ルース・スタイルス・ガネット/作 ルース・クリスマン・...

ルース・スタイルス・ガネット/作 ルース・クリスマン・ガネット/絵 わたなべしげお/訳

ある雨の日に助けた年取った野良猫から、「おそろしいどうぶつ島に捕らわれているかわいそうなりゅうの子ども」の話を聞いた少年、エルマー。エルマーはたった一人で、りゅうを助けるために、どうぶつ島へ旅立ちます…。
幼年童話の傑作として名高い『エルマーのぼうけん』。私も小さい頃、幼稚園で読んでもらったり、人形劇をみたりする機会があって夢中になりました。

今回ご紹介する本の中では、一番ページ数も字数も多く、展開もゆっくりめなので、読み聞かせの難易度としては一番高いのではないかと思います。普段読み聞かせをしていないと、いきなりこの本に挑戦するのは難しいです。

それでも、『エルマーのぼうけん』を知らないで大人になるのはもったいない!!と言いたくなるくらい面白い本なんです。

次男の幼稚園の年長さんは、毎週金曜日に園の本を借りて帰ることができたのですが、みんなが競うようにエルマーシリーズを借りている光景に私は密かに感動していました。

字の多い本をすすんで読みたいと思ってくれることは本当に難しいです。特にゲームの魅力を知ってしまった男子に本をすすめることは大変です(うちの子もゲーム大好きです)。でも、魅力的な本を適切な形で提供できれば、読書の面白さに気づいてもらうことが
可能なんだという、私にとっての道しるべになるような出来事でした。

『エルマーのぼうけん』だけ読んでも面白いのですが、続きの『エルマーとりゅう』、『エルマーと16ぴきのりゅう』という作品もあり、『エルマーと16ぴきのりゅう』は次男(現在小1)に「今まで生きてきた中で一番面白かった本!」と言わしめるほどなので、よかったら、ぜひ三部作を読破してみて下さい。(私は三部作全部読み聞かせるのに半月かかりましたが、楽しい時間でした)

ロボット・カミイ

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むっく むっく

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