2024年3月1日 更新

女性服を男性が試着しても良い?ジェンダレスな時代だからこそ考える「婦人服の男性試着」のマナー

勤務先のお店で、男性のお客様から「ブラウスとスカートの試着をしたい」と言われたことで起きたトラブルについて、販売員の私が思うジェンダーレス時代の問題点を考えたいと思います。

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最近、男女問わずファッション業界でもユニセックスやボーダレスなデザイン、サイズ感が広がってきた中、女性が男性の服を着ても良いし、男性が女性の服を着ても良い!そんな自由な社会になってきましたね。

私も夫の服を借りるので、ユニセックスが大好きです。ただ、難しいのは販売員としてお店に立っている時に、男性客の試着問題が発生することです。問題・・・というほどではありませんが、女性服の試着を希望されるお客様のごく一部の方について、販売員である私の考えを述べたいと思います。

男性から「女性もののブラウスとスカートの試着をしたい」と言われた時の出来事

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先日、閉店前に1人で店頭に立っていた時のこと、男性が1人で入って来て女性服を選び始めました。私が「何かお探しですか?」と聞くと、小さな声で「・・・僕用です。」とのお返事が。ここまでは全然問題ありません!ウェルカムなので、私も積極的に接客します。

「どのお色が好きですか?」「普段のサイズはどれくらいですか?」「好きな素材はありますか?」など、男女差のない対応をしていると、男性も少し周りを気にしながらも好みを教えてくれました。

ある程度商品が決まってきた時に、「試着しても良いですか?」とのご質問が・・・。正直にいうと、この時にはやはり少し悩んでしまいます。

販売員の視点から見た、ジェンダレス時代の服選びの課題

販売員は、なぜ男性客の試着を悩むのか?

まず、悩んでしまう理由の一つの要因は、体の作りが男女で異なるため、試着の際に服が伸びて形が崩れてしまう恐れがあるからです。また、男性が試着した服を購入することに抵抗を感じるお客様もおられ、特に、素肌に触れる面積の多いトップスは気にされる方が多いです。

そして、もう一つの理由は、試着の際はお客様との距離も近くなるため、スタッフ自体も危険な可能性があるからです。実際に、試着が終わり「見てほしい」とお声があり、カーテンを開けると何も服を身に着けていない状態・・・なんてことは数年に1回は聞く話です。

お客様の性別ではなく客観的な判断として…

当然ながら、「男性のお客様だから」と性別を理由に疑ったり断ったりはしません!本当にお洋服が欲しくて真剣に悩んでいる方もいて、一生懸命接客した結果、購入に至るケースも少なくないです。

ただ、ボーダレスな時代になってきたとはいえ、サイズ感はやはりまだ女性ラインが殆どなので、試着や購入までが難しいことも現実問題として存在します。しかし、私たち販売員は購入に至らなかったとしても、純粋に洋服が欲しいというお客様の気持ちに真剣に寄り添います。

一方で、性的指向の男性客には毅然とした態度で対応しなければいけません。大目に見てしまうと、買う気はないが自分の欲求を満たすためだけに何度も来店し、結局はトラブルに発展してしまうこともあるからです。

今回の男性客はどうなったのか?

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今回の男性のお客様は、残念ながらお洋服が目的ではなかったようです。

「試着はサイズ感の問題がありますので、一度本社に確認させていただきますがよろしいでしょうか?」と伝えると、「店員さんが着てみてください」と薄ら笑いで返答があったため、この反応から、危険性を察知しました。

「本社から店舗での試着はサイズが合わないと返答がありました。ネットの方で大きいサイズを注文して、違えば返品してくださいとのことです。申し訳ございませんが、ご自宅で個人でお取り寄せをお願いいたします。」と伝え、お帰りいただきました。

正直、この仕事16年やっているので、最初からそんな予感はしていました。このような男性客がいるせいで、本当にお洋服が欲しいと思っている男性のお客様が迷惑を被るのは、気の毒で仕方ありません。

大切な男性のお客様を守る為に一言。

お洋服屋さんは、お客様が楽しくお洋服を選んでいただける場所です。販売員である私たちは、そのお手伝いをするのが仕事です。

店員には何をしても良いという認識をお持ちの方、それは大きな間違いです。度を超えると、館自体への出入り禁止処分や法的な問題を引き起こす可能性もあります。身に覚えのある方は、今後そのような行為を慎んでください。
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