夫に転勤の辞令が下ると住まいや仕事、子どもの生活など環境は一変します。
ついていくと覚悟しても転勤先でイチから人間関係を構築するのは難しく、また身近に助けを求められる人はいません。そのためママは孤独を感じやすく、心身に相当な負荷がかかります。
筆者は30年間、生まれ育った愛知県を離れ、まったく土地勘のない大阪府へと引っ越してきました。夫には「会社という繋がり」があるけれど、退職して社会との繋がりのない筆者はまっさらな状態でスタートしなければなりません。
つらく孤独に感じ「どうにか生活を変えたい!」と試行錯誤をくり返し、今では楽しく穏やかに子育てができています。
転勤ママが「孤独だな……」と感じるとき
子どもが未就学児の場合、保育園に通っていなければ自分から外に出ないと交流は持てません。そうは分かっていても外に出たくなくて、何をするにも気力が出ませんでした。
そんな筆者が転勤先に引っ越した当時、とくに孤独だと感じたのはこのような時でした。
1.友人と気軽に会って話せないから
大阪へ引っ越す前から1日中、誰とも話さないのは日常的でした。ちょっと話したいなぁと実家に行くこともありましたが、頻度は高くなかったため転勤先でも「苦にはならないだろう」と深く考えもしませんでした。
しかし、いざ引っ越すと「連絡したら会える距離」と「連絡しても会えない距離」はまったく違うことに気づくのです。ふらっとお茶できないことを実感した途端、いたたまれない不安が襲ってきました。近くに住んでいたわけではなかったものの、”同じ県内にいる” ”会おうと思えば会える”という安心感は大きかったんだ、とようやく気づきました。
2.転勤先でのママ友作りは難しいから
「評判の良い小児科や保育園の情報を聞き出したいなぁ」とママ友作りを頑張った時期もありました。しかし意識するほど空回りし、報われない気持ちが生まれて孤独感はより強まるばかり…。
幼稚園や小学校など学校に通っていれば共通の話題ができ、話しやすいかもしれません。しかし転勤妻かつ未就学児の場合、話しかけるチャンスは少なく、ママ友作りはそうも簡単にはいかないです。
気が合いそう、と思っても初対面でLINE交換するわけにもいかず。かといって再び会えるのかの保証もなく、アレコレ考えすぎて身構えていたせいか「ママ友」と呼べる相手は結局1人もできませんでした。
3.近くに頼れる存在がおらず不安を抱えるから
1番困ったのが自身の通院です。筆者は産後の回復が遅く、長いこと通院していました。
引っ越す前は義両親の近くに住んでいたため子どもをお願いしたり、来てもらうなどして通院できましたが、大阪に引っ越したらそうはいかず。このご時世ということもあり子どもの同伴はNGばかり。外部サービスを試みましたが、病児保育や一時保育の空いてる日と通院日が合わず、どうすればいいのか困惑しました。
夫に無理を言って事なきを得ましたが「私なんかのために…」「ダメなママだ」と申し訳なさは尋常ではなかったです。身近に頼れる人がいないとこんなにも困るのかと大きな孤独に襲われ、心は不安定気味になってしまいました。
4.見知らぬ土地での子育てはストレスMAX
大阪に引っ越してから子育てへのストレスはMAXに。というのも愛知では車で移動するのが当たり前で、子連れでもストレスなくササっと移動できました。……が大阪では電車バスが主流のため、移動手段がガラリと変わったのです。
見慣れないバスに、独特の重苦しい空間に子どもは泣き叫び、焦った筆者は目的地に着いていないにも関わらず途中下車。もうバスに乗りたくない!と思っても、買い物には行かなければならず移動がとにかくストレスでした。
さらに土地勘もなく、知らない道を調べながら進むのにも余計疲れてしまい、帰宅する頃にはもうクタクタ。どうしても身が入らず、無気力状態の日もザラにありました。
他には公園へ行ってもすでにママ友の輪ができていて、ポツンと子どもと2人で遊ぶ姿はなんだか惨めに感じました。まさか自分が「アウェイ育児」に苦しむなんて思ってもみなかったです。