2023年5月12日 更新

<医師が解説>手荒れしてない?冬こそ気を付けたい「あかぎれの新常識」とは

冬は寒さと空気の乾燥により、あかぎれができやすい季節。ニチバンはあかぎれに関するお悩みや予防・対処法について調査を実施しました。医師による「あかぎれ新常識」や、おすすめのケアアイテムをご紹介します!

■医師が解説!パソコンもあかぎれを悪化させるって本当⁉ 冬に向けて知っておきたい「あかぎれ新常識」

ここからは、日本皮膚科学会皮膚科専門医の花房崇明先生に、意外と知っているようで知らないあかぎれについての基礎知識や、新常識、予防・対処法について解説いただきます。
花房崇明(はなふさ・たかあき)

花房崇明(はなふさ・たかあき)

医療法人佑諒会 千里中央花ふさ皮ふ科 院長・江坂駅前花ふさ皮ふ科理事長

医学博士(大阪大学大学院)、日本皮膚科学会皮膚科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、日本抗加齢医学会

《そもそもあかぎれとは?》

あかぎれは、乾燥などによって皮膚の水分や皮脂が奪われ、皮膚が乾燥し、ひび割れができることで起こります。ひび割れが深くなり、中が赤く見えたり、出血や痛みを伴うものを「あかぎれ」と呼びます。

あかぎれは保育園や幼稚園の頃から悩む方が多いですが、赤ちゃんもあかぎれになるケースもあるため、年齢問わず注意が必要です。また、調査結果で、あかぎれのできやすい場所として「手の指先」、中でも利き手の人差し指があがっていますが、これは曲げ伸ばしによって指に負担がかかることによるものです。

《あかぎれってどうしてなるの?》

気温の低い時期は、汗や皮脂の分泌が低下して、肌が乾燥しやすくなり、皮膚の水分や弾力性が失われ、亀裂が生じやすくなります。寒さや乾燥のほか、洗剤やシャンプーなどを毎日使い続けることによる刺激、水仕事、慢性的な皮膚炎、老化、水虫などが原因で起こることもあります。

また、昨今は「PC 指荒れ」が増えつつあります。リモートワークやオンライン会議で PC に触れる時間が長くなり、キーボードやマウスが荒れた指の小さな傷を刺激し、少しずつ傷口を広げ、やがてはあかぎれとなり、症状を悪化させてしまうおそれがあります。指先に圧がかかるパソコン作業などをする際には、必要に応じてお薬を塗った上で、絆創膏などで保護するのがよいでしょう。

《アルコール消毒であかぎれ症状が悪化中!》

皮脂膜とは、皮脂と汗などが混じり合ってできたもので皮膚を保護していますが、手洗いやアルコール消毒により洗い流されてしまうことで、手荒れを招いてしまいます。皮脂膜はしばらくすると回復しますが、行く先々で手洗いやアルコール消毒を重ねる昨今では、十分に皮脂膜を回復することができず、角質層のなかの水分が蒸発し、皮膚の乾燥が進んでしまいます。

肌の表面の角質層はバリア機能という、水分が皮膚から逃げないように、肌に潤いを保つ役割がありますが、手洗いなどで傷ついてしまうと、角質層がはがれ、水分が逃げてしまい、肌が乾燥してしまいます。
バリア機能が低下してしまう石けんの洗い残しや手洗い後の水分の不適切な拭き方なども関係していると考えます。

《あかぎれの予防・対策法は?》

水回りでは、あかぎれ対策を意識することが大切です。各シーンでは以下のポイントに気を付けると良いでしょう!
洗い物 ゴム手袋を着用。お湯ではなく水を使用する。
入浴 お湯の温度 38~40℃が理想です。髪を洗う時は、あかぎれ・ひび部分に髪(液剤)が入らないように指先ではなく、手のひらを使い、入浴時は、手がつかり過ぎないよう要注意。入浴後はすぐに保湿してケアしましょう。
手洗い・消毒 手洗いは水もしくはぬるま湯で行い、よく泡立てて洗い、しっかり洗い流します。また、拭き取り時にこするのは NG。水分を吸収するように、優しく拭き取りましょう。 また、厚生労働省は「手洗いの後、さらに消毒液を使用する必要はない」と推奨していますので、手洗いか消毒のどちらかの方法で対策を行うようにしましょう。あかぎれがひどい時は、石鹸、アルコールは使わずに水もしくはぬるま湯でしっかり洗い流すだけでもよいでしょう。

《おすすめアイテムは?》

・ハンドクリーム
肌を刺激する成分を極力含んでいない(低刺激、敏感肌用など)ものがオススメです。
保湿剤はワセリンなど、成分そのもの自体には強い保湿効果は無いものの、皮膚表面に油分のベールを覆って水分の蒸発を防ぐ「エモリエント」効果のあるものと、ヘパリン類似物質、尿素、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸など水分を保持する「モイスチャライザー」作用のある「ヒューメクタント」を含むものに分けられます。

使用感(塗りごこち)などを試して、ご自身にあったハンドクリームを選びましょう。「ヒューメクタント」を含むハンドクリームを塗って水分を保持した上で、その上に更にエモリエント効果のあるワセリンなどを上塗りして、水分の蒸発を防ぐのもオススメです。

・絆創膏
皮膚に亀裂が入っている場合には、絆創膏などで保護して適度な湿度を保つことが大切です。また、キズ口からばい菌が入るのを防ぐためにも絆創膏は重要です。

モイストヒーリング(湿潤療法)が期待できるタイプの絆創膏を使えば、あかぎれを治すのに適した潤った環境をつくり、皮膚がきれいに再生するのを促すので、キズ口がそれほど痛まずにあかぎれを治すことができます。指を動かしたり、曲げたりしてもしっかりフィットするタイプのものが良いでしょう。

《あかぎれの症状が重いときは?》

あかぎれができてしまっている場合には、皮膚科専門医のクリニックに受診して相談しましょう。
皮膚科専門医があかぎれの程度などに応じて保湿剤や、湿疹がある場合などにはステロイドなどの塗り薬を処方してくれます。
キズ口からばい菌が入って腫れている場合には抗生物質の飲み薬や塗り薬が処方されることもあります。
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この記事のライター

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