株式会社大和書房は『生き物が大人になるまで~「成長」をめぐる生物学~』(著者 稲垣栄洋)を2020年7月22日(水)に発売しました。
ベストセラー「生き物の死にざま」著者最新刊発売!
ベストセラー『生き物の死にざま』の著者がつづる、生き物が大人になるまでの驚きの成長戦略の数々を紹介する最新刊『生き物が大人になるまで~「成長」をめぐる生物学~』が発売されます。
子どもだけでなく、大人が読んでもためになる「成長とはなにか」「学ぶとはなにか」「大人になるとはなにか」を考えるヒントになる物語がつづられています。著者は執筆した本はいずれも入試頻出となっている、稲垣栄洋氏。これからの世代に向けて書いた、子どもの本棚に置いておきたい1冊の決定版です。
知能を選んだ動物、本能を伸ばした虫
どれがいちばん優れているか、ということではなく、生き物たちは様々にその能力を伸ばし、活かしてきました。たとえば虫は本能をみがいてきました。生まれながらに正確な行動をとることができますが、想定外の環境の変化に対応できません。
知能に頼る動物は、学ぶことで環境の変化に対応しますが、成長に時間がかかり、しかも正しい行動をとれるとはかぎりません。
知能に頼る動物は、学ぶことで環境の変化に対応しますが、成長に時間がかかり、しかも正しい行動をとれるとはかぎりません。
早く大人になるっていいことですか?
カエルとオタマジャクシ、チョウとイモムシのように大人と子どもの姿がまったく異なる生き物がいます。一応、大人になることが生き物たちの目標だとすれば、オタマジャクシやイモムシのように弱い時期は、なるべく早く過ぎてしまったほうがよいのでしょうか。
いいえ、未熟なまま大人になってしまっては、小さく、能力の劣った生体として生きていくことになってしまいます。それを知る草がとった戦略とは…。
大きな子どもと小さな大人
かならずしも、子どもが小さくて、大人が大きいものとはかぎりません。たとえば、キングペンギンの赤ちゃんは、モコモコの毛に覆われて、大人のキングペンギンよりも大きいぐらいです。子どもと大人の姿が違う場合、それはそれぞれの時期に適切な姿をしている、ということに過ぎません。小さいのであれば小さくある理由が、軟らかいのであれば軟らかくある理由が存在するのです。