悲しい現実…殺処分の実態
様々な理由で、保健所や動物愛護センター(行政施設)で保護される犬猫たち。中には、第二の人生を無事に歩むことが出来る子たちもいます。しかし、全ての犬猫たちにチャンスがある訳ではありません。
保健所等に引き取られた犬猫たちは、先ず「譲渡適用検査」を受けます。この検査では、凶暴性(攻撃性)の有無・人に馴染むことが出来るかどうか・病気やケガの有無等が対象内容となり、これらの検査にパスした場合にのみ、セカンドチャンスを得ることが出来る譲渡対象犬猫として扱われます。しかし、期限内に譲渡先が見つからない場合は、譲渡対象犬猫であっても殺処分となります。
環境省の「犬・猫の引き取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況*」によると、2018年(平成30年度)に殺処分された犬・猫の数は3万8,444頭(犬:7千687頭 / 猫:3万757頭)。殺処分件数は、年々減少してはいるものの、やはり沢山のペットが命を落としているのが現実です。
*参照:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
保健所等に引き取られた犬猫たちは、先ず「譲渡適用検査」を受けます。この検査では、凶暴性(攻撃性)の有無・人に馴染むことが出来るかどうか・病気やケガの有無等が対象内容となり、これらの検査にパスした場合にのみ、セカンドチャンスを得ることが出来る譲渡対象犬猫として扱われます。しかし、期限内に譲渡先が見つからない場合は、譲渡対象犬猫であっても殺処分となります。
環境省の「犬・猫の引き取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況*」によると、2018年(平成30年度)に殺処分された犬・猫の数は3万8,444頭(犬:7千687頭 / 猫:3万757頭)。殺処分件数は、年々減少してはいるものの、やはり沢山のペットが命を落としているのが現実です。
*参照:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
殺処分=安楽死ではない!
全国の保健所や動物愛護センターなどで行われる殺処分で、大体数を占めるのが「炭酸ガス(二酸化炭素)」によるものです。出来るだけ苦しまずに…という観点では、薬物投与が最善と言われていますが、コスト面から炭酸ガスによる方法を選ばざるを得ない所が多いのが現実で、薬物投与をしている自治体はごくわずかなのが現状です。
『殺処分=安楽死』という風に勘違いされている人も多いですが、そこには苦しみが伴います。炭酸ガスによる殺処分では、犬や猫たちは、狭い密室のボックス(ガス室)に一定数入れられ、炭酸ガスを注入されたのち、約10分もの間もがき苦しみながら短い一生を終えるのです。
アメリカのペット事情
筆者の住むアメリカでは、多くの人がペットを飼うことを検討したら、「ペットショップに行ってみよう」ではなく、「アニマルシェルターに行ってみよう!」となります。アメリカでは『ペットはシェルターから』という認識が非常に高く、多くのセレブたちも、シェルターから犬猫を引き取ったり、シェルターへの寄付、チャリティー活動やボランティア活動を行っているのをよく見聞きします。
ペットショップはもちろんアメリカにもありますが、その殆どはペット用品の扱いと、グルーミングサービスを提供するお店で、生体販売されているのは、爬虫類・魚・小動物になります。犬猫を販売しているペットショップは非常に少なく、繁殖業者等から仕入れた犬・猫・ウサギを販売することを禁止し、ペットショップに置くことが出来るのは保護動物のみとしている州もあります。
そんなアメリカでも、特定の犬種や猫種、純血にこだわる人も少数ですが存在し、そういった人たちは、ブリーダーから購入するのが一般的です。
ペットショップはもちろんアメリカにもありますが、その殆どはペット用品の扱いと、グルーミングサービスを提供するお店で、生体販売されているのは、爬虫類・魚・小動物になります。犬猫を販売しているペットショップは非常に少なく、繁殖業者等から仕入れた犬・猫・ウサギを販売することを禁止し、ペットショップに置くことが出来るのは保護動物のみとしている州もあります。
そんなアメリカでも、特定の犬種や猫種、純血にこだわる人も少数ですが存在し、そういった人たちは、ブリーダーから購入するのが一般的です。
アメリカでの主なペットの入手方法
アメリカペット製品協会(通称APPA:American Pet Products Association)が行った「2019-2020 ペット所有者調査*」における、『主なペットの入手方法』は以下の通りです。
※アンケートは複数回答可のため、トータルのパーセンテージが100%を超えています。
【犬の場合】※()内は2017-2018年度の調査結果
・シェルター、又はレスキューから:44%(44%)
・ブリーダーから購入:19%(25%)
・ペットショップで購入:9%(4%)
・知人や親戚からの引き取り:18%(25%)
・野良犬を迎え入れた:5%(4%)
【猫の場合】※()内は2017-2018年度の調査結果
・シェルター、又はレスキューから:43%(47%)
・ブリーダーから購入:3%(4%)
・ペットショップで購入:12%(1%)
・知人や親戚からの引き取り:21%(26%)
・野良猫を迎え入れた:21%(32%)
この様に、アメリカでは約半数近くの人たちが、シェルターやレスキューから犬猫を迎え入れており、ペットショップで購入する人がいかに少ないかが分かります。
*参照:https://www.animalsheltering.org/page/pets-by-the-numbers
※アンケートは複数回答可のため、トータルのパーセンテージが100%を超えています。
【犬の場合】※()内は2017-2018年度の調査結果
・シェルター、又はレスキューから:44%(44%)
・ブリーダーから購入:19%(25%)
・ペットショップで購入:9%(4%)
・知人や親戚からの引き取り:18%(25%)
・野良犬を迎え入れた:5%(4%)
【猫の場合】※()内は2017-2018年度の調査結果
・シェルター、又はレスキューから:43%(47%)
・ブリーダーから購入:3%(4%)
・ペットショップで購入:12%(1%)
・知人や親戚からの引き取り:21%(26%)
・野良猫を迎え入れた:21%(32%)
この様に、アメリカでは約半数近くの人たちが、シェルターやレスキューから犬猫を迎え入れており、ペットショップで購入する人がいかに少ないかが分かります。
*参照:https://www.animalsheltering.org/page/pets-by-the-numbers
我が家の愛犬もシェルターから!
実は、筆者家族が飼っている愛犬クレア(現在9歳)は、シェルターから引き取った犬です。アメリカへ越して来て、直ぐに家族として迎え入れたクレアは(当時2歳)、筆者家族が3人目の飼い主。
クレアは、ピットブルとラブラドールレトリバーのミックス犬で、最初の飼い主に闘犬として育てられ、捨てられる直前に仔犬も産まされていました。仔犬を産んで用済みとなり、シェルターへ持ち込まれたのです。
人間に対してはとても人懐っこく、普段は驚く程に穏やかな性格ですが、闘犬として育てられたため、他の動物(犬はもちろん、猫や鳥など)との接触は全てNG。他の動物が視界に入ろうものなら闘犬スイッチが入り、一瞬で獰猛な犬へと変貌するため、お散歩は時に非常に大変です。
2番目の飼い主は既に犬を飼っており、クレアの性質や性格もシェルター側から知らされていましたが、シェルターに飼っている犬のことを伏せた上でクレアを引き取り、結果上手く行かず、ものの数日で再びシェルターへ逆戻りすることに…。
そうして出会ったのが、筆者夫婦。一目クレアを見て「この子だ!!」と、直感的に何かを感じ、直ぐに譲渡を申し出ました。当時のクレアは、フィラリアに罹っており半年間の治療が必要なこと、そして少し難しい性格であること等を伝えられましたが、私たちの気持ちが変わることはありませんでした。
その上で、クレアを檻の外から出してもらい、外で触れ合いながらお互いの相性チェック。同時進行で面談も行われ、様々な質問(家族構成・休日の過ごし方・住んでる家のこと・仕事・転勤の場合も一緒に連れて行くか…等)をされました。そこでOKを貰い、書類上の手続きへと進み、数時間後には晴れてクレアを家族として迎え入れることになったのです。三度目の正直で、クレアに温かい家族と安心して過ごせる終の棲家を与えてあげることが出来たことに、私たち家族は大きな喜びを感じています。
とは言ったものの、お世話をしていて大変だと思わない日がないと言ったら、それはもちろん嘘になります。例えば、クレアのおトイレは必ず外。大雨・大雪・台風…、散歩係の筆者が体調不良だろうとも、毎日必ず外に連れて行かないといけないのは、時に肉体的に大変なこともあります。また、予期せぬ体調不良で病院通いが続き、高額な病院代に金銭的に大変だったり…ということもあります。
しかし、クレアと過ごす毎日は、本当にかけがえのないもので、クレアから貰う沢山の愛情と癒しに、どれだけ自分たちが救われたことか。シニア犬となった今、残されたクレアとの時間をより大切に過ごして行きたいと、私たち家族は思っています。そして、今後新たに犬を飼う時も、我が家では必ずシェルターから迎え入れると決めています。
クレアは、ピットブルとラブラドールレトリバーのミックス犬で、最初の飼い主に闘犬として育てられ、捨てられる直前に仔犬も産まされていました。仔犬を産んで用済みとなり、シェルターへ持ち込まれたのです。
人間に対してはとても人懐っこく、普段は驚く程に穏やかな性格ですが、闘犬として育てられたため、他の動物(犬はもちろん、猫や鳥など)との接触は全てNG。他の動物が視界に入ろうものなら闘犬スイッチが入り、一瞬で獰猛な犬へと変貌するため、お散歩は時に非常に大変です。
2番目の飼い主は既に犬を飼っており、クレアの性質や性格もシェルター側から知らされていましたが、シェルターに飼っている犬のことを伏せた上でクレアを引き取り、結果上手く行かず、ものの数日で再びシェルターへ逆戻りすることに…。
そうして出会ったのが、筆者夫婦。一目クレアを見て「この子だ!!」と、直感的に何かを感じ、直ぐに譲渡を申し出ました。当時のクレアは、フィラリアに罹っており半年間の治療が必要なこと、そして少し難しい性格であること等を伝えられましたが、私たちの気持ちが変わることはありませんでした。
その上で、クレアを檻の外から出してもらい、外で触れ合いながらお互いの相性チェック。同時進行で面談も行われ、様々な質問(家族構成・休日の過ごし方・住んでる家のこと・仕事・転勤の場合も一緒に連れて行くか…等)をされました。そこでOKを貰い、書類上の手続きへと進み、数時間後には晴れてクレアを家族として迎え入れることになったのです。三度目の正直で、クレアに温かい家族と安心して過ごせる終の棲家を与えてあげることが出来たことに、私たち家族は大きな喜びを感じています。
とは言ったものの、お世話をしていて大変だと思わない日がないと言ったら、それはもちろん嘘になります。例えば、クレアのおトイレは必ず外。大雨・大雪・台風…、散歩係の筆者が体調不良だろうとも、毎日必ず外に連れて行かないといけないのは、時に肉体的に大変なこともあります。また、予期せぬ体調不良で病院通いが続き、高額な病院代に金銭的に大変だったり…ということもあります。
しかし、クレアと過ごす毎日は、本当にかけがえのないもので、クレアから貰う沢山の愛情と癒しに、どれだけ自分たちが救われたことか。シニア犬となった今、残されたクレアとの時間をより大切に過ごして行きたいと、私たち家族は思っています。そして、今後新たに犬を飼う時も、我が家では必ずシェルターから迎え入れると決めています。
【行政施設】犬猫の譲渡条件と譲渡の流れ
各保健所や動物愛護センターでは、それぞれ譲渡条件を設けています。ここでは、神奈川県の動物愛護センターを例に、譲渡の条件と流れをご紹介します。
※案内内容は2020年9月現在のもので、新型コロナウィルスの感染状況次第で、内容に変更が出ることもあります。
【犬・猫の譲渡条件】
①飼養前講習会(わんにゃん教室)を受講していること
②神奈川県在住で、原則として65歳以下の成人*であること
③譲り受けようとする犬猫の習性・生理等を理解し、最期まで飼うことが出来る状況にあること
④動物を飼養出来なくなった時に預け先があり、預け先予定者は65歳以下であること
⑤飼育場所において動物の飼育が認められていること
⑥誓約書の内容を守れること
*65歳を超える場合は、譲渡対象動物について一定の制限を加えることを了承出来る場合に限り譲渡可能。要問合せ。
【譲渡までの流れ】
※新型コロナウィルスのため、集団による講習は中止となっており、現在は個別対応となっています。そのため、個別受講については電話で問い合わせて下さい。
①飼養前講習会の受講日時を予約する
・原則、譲渡を希望する人に向けた講習会です
・事前に譲り受けたい犬猫を決めて行った場合*、同日に個別面接の受講が可能
*譲渡可能な犬猫は、ホームページに掲載されていますが、問い合わせの時点で、掲載されていた犬猫が、既に譲渡済みの場合もあります。
②飼養前講習会を受講(受講料無料・要筆記用具)
【受講内容】
・動物を飼う心構え、法令等
・訓練犬による躾のデモンストレーション等
・受講証の発行(受講日から5年間有効)
③個別面接(※面談当日の譲渡は行われません)
【必要書類】
・飼養前講習会の受講証
・犬猫の飼養環境事前確認書(講習会にて配布)
・その他(各種証明書等の提示を求められる場合があります)
④面接の結果連絡を受ける
・犬猫の個性と希望者のマッチング次第で、譲渡を断られることもあります。
⑤譲り渡し
・動物愛護センターにて、避妊・去勢した犬猫の場合、手数料の半額として以下の金額を負担することになります。
オス:4,275円 メス:8,140円
※案内内容は2020年9月現在のもので、新型コロナウィルスの感染状況次第で、内容に変更が出ることもあります。
【犬・猫の譲渡条件】
①飼養前講習会(わんにゃん教室)を受講していること
②神奈川県在住で、原則として65歳以下の成人*であること
③譲り受けようとする犬猫の習性・生理等を理解し、最期まで飼うことが出来る状況にあること
④動物を飼養出来なくなった時に預け先があり、預け先予定者は65歳以下であること
⑤飼育場所において動物の飼育が認められていること
⑥誓約書の内容を守れること
*65歳を超える場合は、譲渡対象動物について一定の制限を加えることを了承出来る場合に限り譲渡可能。要問合せ。
【譲渡までの流れ】
※新型コロナウィルスのため、集団による講習は中止となっており、現在は個別対応となっています。そのため、個別受講については電話で問い合わせて下さい。
①飼養前講習会の受講日時を予約する
・原則、譲渡を希望する人に向けた講習会です
・事前に譲り受けたい犬猫を決めて行った場合*、同日に個別面接の受講が可能
*譲渡可能な犬猫は、ホームページに掲載されていますが、問い合わせの時点で、掲載されていた犬猫が、既に譲渡済みの場合もあります。
②飼養前講習会を受講(受講料無料・要筆記用具)
【受講内容】
・動物を飼う心構え、法令等
・訓練犬による躾のデモンストレーション等
・受講証の発行(受講日から5年間有効)
③個別面接(※面談当日の譲渡は行われません)
【必要書類】
・飼養前講習会の受講証
・犬猫の飼養環境事前確認書(講習会にて配布)
・その他(各種証明書等の提示を求められる場合があります)
④面接の結果連絡を受ける
・犬猫の個性と希望者のマッチング次第で、譲渡を断られることもあります。
⑤譲り渡し
・動物愛護センターにて、避妊・去勢した犬猫の場合、手数料の半額として以下の金額を負担することになります。
オス:4,275円 メス:8,140円