2021年2月19日 更新

【自閉スペクトラム症】4歳児の行動・特徴の一例

筆者の娘は、自閉スペクトラム症児。4歳になった娘の1年間の成長の様子、現在の行動や特徴をお話します。自閉症児を持つ親御さんはもちろん、そうでない方にも、自閉症児を理解する機会として是非読んでみて下さい!

自閉スペクトラム症の再評価

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娘は、2019年8月(2歳8ヶ月)に『中度の自閉スペクトラム症』、2019年11月(2歳11ヶ月)に『高機能自閉症*』と診断されました。

4歳検診を前に「娘の現段階での状態を詳しく知っておきたい」という話を主人とし、検診時に担当医に相談。紹介状を貰い、2021年1月(4歳1ヶ月)に再評価をしてもらうことになりました。

*高機能自閉症とは、「1. 言葉の遅れあり」「2. 知的障害なし」「3. コミュニケーション困難あり」「4. こだわりあり」が特徴とされています。

結果は以下の通り。※()内は前回のもの。
■身体能力:4歳0ヶ月相当(3歳6ヶ月相当)
■適応・順応行動力:3歳4ヶ月(2歳8ヶ月)
■社会的・情緒的発達:2歳4ヶ月(1歳4ヶ月)
■認知能力:3歳3ヶ月(2歳0ヶ月)
■コミュニケーション力:2歳10ヶ月(2歳2ヶ月)


以下の判定は、上記の判定年齢を平均値で見たもので、前回・今回共に全く同じ判定になりました。
□身体能力:平均
□適応・順応行動力:平均
□社会的・情緒的発達:遅延
□認知能力:平均以下
□コミュニケーション力:平均以下

軽度の言葉の遅れがあり、認知能力が平均以下であるものの、顕著な遅れは見られず。また、適応・順応能力が平均内であることから、知的障害はなしの判断。結果、高機能自閉症の評価に変化はありませんでした。

余談になりますが、最初の診断時に、医師から勧められていた遺伝子検査を筆者は受けたものの(異常なしの結果)、主人は忙しさを理由に受けていませんでした。しかし、そこには「もし自分が原因だったら…」ということを知りたくない本心があったことを、少し前に打ち明けられました。

それを聞かされた時、自分勝手だな…と、思う部分が正直ありましたが、検査は2人目(または、それ以上)を持つことを考えている場合、仮に娘の自閉症が遺伝によるものだったとしたら、2人目以降の子供も自閉症児として生まれてくる可能性があるということを確かめるのが一番の目的であったため、子供は1人と決めている我が家では、主人が検査を受けなくても特に影響がなく、このまま検査を受けることはないと思われます。

ADHD(多動性症候群)グレーゾーン

自閉症の再評価の際、気になっていた娘の多動性についても診断してもらったのですが、現段階でADHDの診断こそ下されなかったものの、娘はADHDの特徴にかなり当てはまっています。

ADHDには、「不注意」・「多動性」・「衝動性」の3つの行動特性があり、生まれつきの脳機能障害のひとつであり、その原因は分かっていません。しかしながら、遺伝的要素・周産期のトラブルの有無・環境要因などが複雑に絡み合い、症状が現れるとされており、親の育て方が原因で起こるものではありません。
『DSM-5*1』に基づくADHDの診断では*2、不注意と多動・衝動性のカテゴリーで、以下の9つの症状のうち6項目が当てはまり、それらが6ヶ月以上継続し、日常生活に支障をきたしていることを基準としています。

※ADHDの診断では、医学的要素や発達的要素なども考慮されるため、以下の項目に当てはまることが、必ずしもADHDを意味するものではありません。

<注意欠如>
・勉強中に不注意な間違いが多い
・課題や遊びの活動中に、注意を持続することができない
・直接話し掛けると聞いていないように見える
・指示に従えず、業務をやり遂げることができない
・課題や活動を順序立てることが難しい
・精神的努力の持続を要する課題を避ける、嫌々行う
・なくし物が多い
・他の刺激によって気が散りやすい
・日々の活動の中で忘れっぽい

<多動性・衝動性の症状>
・手足をそわそわ動かしたり、椅子の上でももじもじする
・授業中に席を離れる
・不適切な状況で走り回ったり、高い所に登ったりする
・静かに遊べない
・まるでエンジンで動かされているように行動する
・しゃべりすぎる
・質問が終わる前に出し抜けに答えてしまう
・順番を待てない
・他人の邪魔をする
娘は、上記のチェックリストの「注意欠如」で5項目が当てはまり、「多動性・衝動性」では全ての項目が当てはまります。これだけの項目に当てはまっていながら、ADHDの診断に至らなかったのは、まだ脳が発達段階であることと、普段の行動パターンを分析した結果、暫くの間は様子を見るということになりました。

補足として、娘が検査を受けた病院では『Vanderbilt ADHD Diagnostic Rating Scale (VADRS)/ バンダービルト ADHD 評価尺度*3』が診断で使われました。

*¹:DSMとは、アメリカ精神医学会が出版している「精神疾患の診断・統計マニュアル」のことを指し、この診断基準は国際的に利用されています。DMS-5の「5」は第5版を意味します。
*²:参照:https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/disease07.html
*³:VADRSは、通常6~12歳の子供を対象としており(しかし、他の年齢層でも使用可能)、保護者用と教師用の2つの異なるフォームが用意されています。

変化の大きかった1年間

3~4歳は、娘にとって変化の大きい1年になりました。大きな変化は3つで、以下の通りです。

【変化①】
自閉症を含む、発達障害を抱えている子供にとって、難関のひとつであるトイレトレーニングを克服しオムツを卒業したこと。

【変化②】
人見知り、場所見知りをほぼ克服したこと。

【変化③】
1日のルーティンに勉強を取り入れたこと。

それでは、上記3つの変化も含めて、カテゴリー別に娘の状況をお話していきます。

トイレトレーニング完了

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個人差はあるものの、定型発達児でも難しいとされるトイレトレーニング(以下、トイトレ)。それが、発達障害児となると、そのハードルの高さはかなりのものと聞いていたため、焦っても仕方ない…長期戦(数年掛かり)になるであろうと腹を括っていました。

トイトレ開始時期に関しても、「もう○歳○ヶ月だから…」「お友達が始めたからうちの子も…」といったことは一切気にせず、娘の成長(心と体)を見極めて、娘に合ったペースでやって行こうと決めていました。

3歳になる少し前から、約7ヶ月間のトイトレ準備段階(おまるに慣れてもらう・イメージトレーニングをするなど)を経て、3歳6ヵ月からトイトレを本格的にスタート。

「この日から始めよう!」と、意気込んで日にちを決めていたわけではなく、ある朝おしっこのタイミング的にひょっとしたらイケるかも?…と思ったのがきっかけです。運よくその勘が当たり、おまるで初のおしっこを成功させたことで、そのまま本格的トイトレに突入。

何故かおまるでうんちをすることに抵抗を示し、途中酷い便秘で緊急外来に駆け込んだこともありましたが、長期戦になると覚悟していたのとは裏腹に、なんと12日間でトイトレは終了しました。

トイトレ終了から約8ヶ月経ちましたが、お漏らしは一度もなし。おしっこ・うんち共に、普通のおトイレですることもできますが、現在もおまるをメインに使っています。

▼詳しいトイトレの様子はこちら

コミュニケーション

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