2023年12月4日 更新

【私ってモンスターペアレント⁉】現役保育士が教える「スムーズに要望を伝える方法」とは

「保育園や幼稚園に要望があるけど言いにくい」「モンスターペアレントと思われないかな」と思うことはありませんか?そこで今回は、現役保育士の私が、スムーズな要望の伝え方を解説します。

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保育園や幼稚園に要望を伝えたいと思うことはありませんか?

「でも、言うと迷惑に思われないか心配」
「もしかしたらモンスターペアレントと思われそう」


こういったお悩みをよく聞きます。
結論から言いますと、自己中心的な内容ではない限り伝えても大丈夫です。

私たち職員も、よりよい教育・保育をしていきたいと思っています。しかし、職員の視点では気がつかないことが多いのも事実です。そういった中で、保護者からの要望や第三者の視点で気がつくことも多いのです。

すぐに保護者の要望や意見は通らないかもしれませんが、前向きに運営されている園では積極的に保護者の要望や意見を聞きたいと思っています。

職員にとって怖いのは、クレームが来ることよりも、不満が積み重なりそれが爆発して信頼関係が崩れてしまうことです。そういったことになる前にも、気になることは伝えていく方がよいでしょう。

そして、この記事に辿り着いた方は、ほとんどの方はモンスターペアレントではありません。モンスターペアレントといわれる方はこういったことでは悩まないので、きっとこの記事を読まれることはないでしょう。ですので、その点は安心してくださいね。

「どういったら角が立たないのか」「子どものためにも伝えたいけど大げさにしたくない」という思いを解決すべく、現役保育士であり、子育て中で保護者の立場でもある私が、スムーズな要望の伝え方や、反対に『こういった要望は正直困る…』といった内容をお伝えしますので、ぜひ参考にして下さい。

スムーズな要望の伝え方とは?

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幼稚園教諭や保育士も人間ですので、感情的に怒り任せに言われたり、一方的に決めつけて話をされると、恐怖や不快感を覚えることがあります。

上手な伝え方としては

・“相談”という形で
・感情的に話さない
・連絡帳できっかけ作り
 
これらをポイントに伝えるといいでしょう。

“相談”という形で

いきなり「〇〇して欲しいです」「〇〇で困っているので改善してください!」と言われると、園側にも都合や方針などがあるので、対応に困ってしまうことがあります。また、言い方にもよれば威圧的にも感じてしまうかもしれません。

「子どものことで相談なのですが…」「〇〇なので~していただけると助かるのですが、していただくことは可能ですか?」などと相談という形で話をすることもポイントです。柔らかい感じで話すことで、園側も安心して話を聞きやすくなります。

感情的に話さない

お子さんがケガをしたり、トラブルに巻き込まれたりすると、感情的になってしまうこともあるでしょう。大切な我が子のことですから、感情的になってしまうのは仕方のないことです。しかし、感情的になってしまうと、園側に何を伝えたいのか分からなくなり、本来伝えたいことが伝わりません。

まずは、落ち着いて冷静になることが大切です。特にケガや友だちのトラブルなどは、お子さんからの情報だけではなく、園からの説明もしっかりと聞きましょう。落ち着いてしっかりと事実関係を把握し、感情的にならず、冷静に話をするようにしてくださいね。

連絡帳などできっかけ作り

要望を伝える時のポイントしては、連絡帳で書くよりも口頭で伝えることをおススメします。なぜなら、文章ではニュアンスが伝わりにくかったり、違う風に取られてしまうなど思いが伝わり辛いためです。

園にも職員の運営体制やタイミングなどあります。幼稚園では園バス担当などで担任が不在だったり、送迎時に他の保護者対応や体制などでゆっくりと話を聞けないこともあります。そのため、連絡帳などで「〇〇について気になります」「〇〇についてお話ししたいので、ご都合の良い時にお話できませんか?」などと簡単な要望について触れるのがいいでしょう。

事前にそういった“きっかけ作り”があると、園側としても話しをする時間を設けやすくなりますし、要望の内容を把握したり、適切な対応を検討しやすくなります。

こういった内容の要望は、先生を困らせるかも!

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保護者からの要望や意見はとても大切とお伝えしましたが、中には困るような要望があるのも事実です。

 ・園の方針に合っていないこと
 ・自己中心的なこと
 ・無理難題なこと
 ・何でも園任せ
ご自身が伝えたい内容が、これらのいずれかに当てはまっていないか、一度見返してみましょう。次のページから詳しく解説していきます。

園の方針に合っていないこと

家庭ごとに大切にしていることはありますが、園の方針と保護者の要望が合わないこともあります。例えば、『しっかりと体を動かし、のびのび活動する』といった方針の園に対して、「英語教育を取り入れて欲しい」「ひらがな学習をさせて」などの要望は、園を困らせてしまいます。おそらく、要望を聞き入れてもらうことは難しいでしょう。

家庭の方針と園の方針が大きく離れていないか、入園前に見学して確認しておくことが大切です。

自己中心的なこと

例えば、「うちの子は運動が苦手なので鉄棒や跳び箱はやめてほしい」や「(紙オムツ使用の園に対して)うちは自然派主義なので布オムツにしてください」などの要望は、園側からすると自己中心的なものとして捉えられる可能性があります。

一人ひとりに寄り添った対応というものは確かに必要なことです。しかし園は『集団生活の場』でもあります。限られた人数しか配置されない中で、昨今は人員不足で限られた人数さえも配置できない現状もあり、全員のニーズを満たすことは難しい場合もあります。

必要なことはしっかりと行うべきですが、自己中心的な要望にまでは手がまわりません。一人だけ特別なことをして手を取られることで、思わぬ事故が起こってしまったり、本来必要なことにまで手が回らないことも出てきてしまいます。

伝えたい要望は本当に必要なことなのか、一度考えてみることが大切です。

無理難題なこと

「子どもにケガをさせないで」「感染症をうつさないで」などの要望は、園側からすると無理難題で困る内容です。

確かに、登園した時の状態で保護者の元に帰ってもらうのは、原則とされています。しかし、子どもは動きが活発で、体の使い方が未熟です。転倒やぶつかり合いなどで、擦り傷や打撲などのケガをしてしまうことがありますし、お友達同士の関わり方が未熟で、引っ掻き・噛みつきなどのトラブルもあります。

ほとんどの園では、安全に配慮した環境づくりや指導に努めていますが、人間ですので防ぎきれないことも出てしまいます。また、昨今は感染症の流行が相次いでおり、しっかりと対策をしていても、集団生活の中ではどうしても感染リスクは高まります。
そのため、こういった無理難題は園側では実現することが難しく、どうしようもできません。そういった要望を出す前に、園側の立場や状況を理解した上で、もう一度考え直してみてください。

何でも園任せ

「いつになったらオムツが外れるのですか?」「園でおはしを持てるようにしてほしい」など生活習慣に関して園に任せきりの要望になっていませんか?生活習慣は園だけではなく、家庭でも行っていく必要があります。家でも取り組むようにしていきましょう。

そうは言っても、家庭ではうまくいかないこともありますよね。そういった場合は「園でして欲しい」といった要望ではなく「家庭でうまくいかないのですが、園ではどのようにしていますか?」や、「家ではしてくれないので困っているんです」など、アドバイスをもらうという形にするのもいいかもしれませんね。

解決しない場合は外部に相談を!

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担任に要望を伝えたけど納得のいく回答ではなかった、きちんと話を聞いてもらえなかったということもあるでしょう。そういった場合は園長・主任などの管理職に話をしてみましょう。

それでも、納得のいく回答が得られなかった場合は外部に相談することも一つの方法です。保育園やこども園は市区町村の役所、公立幼稚園は教育委員会で相談を受け付けています。

ただし、私立幼稚園や認可外・事業所の保育園の運営については、自主性が重んじられているため、公的な窓口がない場合があります。まずは施設の運営法人に相談して、それでも解決しない場合は、市町村の担当窓口に相談したり、弁護士などの専門家や児童相談所や消費生活センターなどの施設に相談してみましょう。
<参考>
私立幼稚園の運営について要望・意見・苦情を言いたい。|よくあるお問い合わせ|京都府ホームページ
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この記事のライター

みかっこ みかっこ

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