2019年9月28日 更新

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎を防ぐ!肌を「内側」から育てるスキンケアに注目

「フィラグリン」の”産生ケア”で肌本来のバリア機能を強化 ~秋からの乾燥対策 0歳からのスキンケアで肌に健やかな将来を~

日本におけるアトピー性皮膚炎の発病率は上昇傾向にあり、昨年ではアトピー性皮膚炎の出現率が中高生で最大値を記録(※1)。また、近年では「アレルギー・マーチ(※2)」が注目され、乳幼児期のスキンケアがますます重要視されています。

そんな中、様々な商品や情報が提供されている一方で、肌トラブルに悩む子どもやママ・パパは後を絶ちません。開院以来のべ1万1千件、約2,000人の0歳児の肌を診てきた「わかばひふ科クリニック」院長の野﨑誠さんが、乳幼児期のスキンケアにおけるポイントを解説します。

※1平成30年度 学校保健統計調査
※2 乳幼児期のアトピー性皮膚炎に始まり、食物アレルギー、小児ぜんそく、鼻炎と成長するにつれて次々と異なる疾患が発症する現象。

アトピーを繰り返さない健やかな肌を育てるために、0歳からのスキンケアが必須。

「アレルギー・マーチ」とは?
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大人でも皮膚の厚さはラップ1枚分、赤ちゃんはその半分の厚さしかありません。皮膚そのものが完全にでき上がっていないのです。さらに、肌表面には皮脂がほとんどつくられず、肌の内側の角質層にある水分やセラミドなどの保湿物質の量も大人よりもはるかに少ないため乾燥しやすく、外部からのアレルギー物質や刺激の影響を受けトラブルが起きやすい状況にあります。赤ちゃんの肌は”もちもち”というのは、実は大間違いなのです。

肌のバリア機能が整っていない子どもは、常に、外部からのアレルギー物質や刺激物質の侵入のリスクにさらされています。「アレルギー・マーチ」のように、乳幼児期の肌トラブルをきっかけにトラブルの絶えない肌になってしまうこともあるため、新生児からの正しいスキンケアで、一生ものの健やかな肌をお子様に与えてあげてください。

赤ちゃんの肌を守るためには?

肌は常に清潔に。保湿剤は、お風呂上りに少し時間をあけて、ゆっくりと全身に。

汗やよだれ、お乳、食べ汚し、おしり周りの汚れは早めに優しく拭き取り、入浴時にボディソープできちんと洗ってあげましょう。保湿剤を塗るタイミングは、風呂上がりがベストです。ただし、赤ちゃんは入浴中に大量の汗をかいており、入浴直後に保湿剤を塗ると逆に汗疹(あせも)ができることがあるので、少し時間をあけてからが良いです。

お風呂から上がって15分後の保湿剤の塗布でも肌の保湿力はほとんど変わらないため、子どもにおむつ1枚を着せて、その後ママ・パパが体を拭き自分の服を着てから保湿剤を塗ってあげても問題ありません。

一般的に、保湿剤はベビーローションやクリームなどが良いです。赤ちゃんが汗っかきなので、汗疹対策も兼ねてローションの方が良いでしょう。赤ちゃんの敏感な肌のためにも添加物の少ない低刺激のものが理想です。

塗る順番は、顔を最優先に、そのまま下に向かってゆっくりと。乾燥しやすい場所だけでなく、おしゃべりしながら全身に塗ってあげれば、赤ちゃんとのコミュニケーションにもなります。擦りこむのは、摩擦で汗疹ができてしまうため厳禁です。
室内の湿度を50%、温度を25℃程度に。

空気の乾燥が原因で乾燥肌になっている場合は、加湿器を使うことで乾燥肌を防ぐことができます。ただし、湿度が高すぎると汗をかきやすくなり湿疹の原因にもなるため、50%程度に保ちましょう。同じく室内の温度が高すぎても汗をかきやすくなるため、25℃程度に保つのがベストです。
乾燥肌は生活習慣病の可能性も。十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事を。

生活習慣が乾燥肌を引き起こす場合もあります。睡眠や食事内容にも注意しましょう。皮膚をつくるためにはたくさんの栄養素が必要なため、過剰に体重にこだわり自己判断で食事制限したり、離乳食の進行が遅れたりすると、栄養バランスが崩れ皮膚の乾燥がひどくなってしまいます。また、ママ・パパの生活習慣も、間接的に赤ちゃんの皮膚の状態に影響します。

日々、仕事や家事に追われストレスを抱えた状態より余裕のある状態の方が、赤ちゃんへの注意も行き届き皮膚トラブルを抑えることにもつながります。家族や身の周りの人たちと連携して、できるだけゆとりをもって赤ちゃんと接することができるようにしたいです。

スキンケアの盲点!バリア機能を肌の内側から高める「フィラグリン」産生。

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肌の乾燥対策といえば、ついつい「外側」からの保湿ばかりを考えてしまいがちです。しかし、実は、「内側」からうるおいのある肌をつくれることはあまり知られていません。

そこで注目したいのは「フィラグリン」。「フィラグリン」は肌の内側でつくられるたんぱく質で、細胞の骨格となるたんぱく質を束ね角層を頑丈にする働きと、自らが肌の内側で天然の保湿成分に変化し角層を柔軟に保つ働きによって、乾燥から肌を守るためのバリア機能になります。

「フィラグリン」が不足した皮膚は角層が薄く、「フィラグリン」の産生が促進された皮膚は角層の厚みが増すということや(※3)、「フィラグリン」の不足だけでアトピー性皮膚炎が生じるという研究結果も発表されています(※4) 。

荒れた土地にいくら熱心に水や養分をやっても植物が育ちにくいのと同じように、まずは肌そのものの環境を整えることが重要です。 「フィラグリン」の産生を促すことは、うるおいを高め維持しようとする肌本来の力の強化につながり、保湿剤をはじめとする「外側」からのケアの効果も高めてくれると言えるでしょう。「フィラグリン」の産生促進効果のあるベビースキンケア も試してみると良いでしょう。

※3 公益社団法人日本皮膚科学会 『The Journal of Dermatology』(2015年)より
※4 mosby 『Journal of Allergy and Clinical Immunology』(2017年11月付)より

秋に向けて早めの乾燥対策を!1年を通じたスキンケアでベストな肌環境をキープ。

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■9月のまだ暑い時期は、乾燥肌の原因が潜んでいて油断大敵。

強い紫外線は肌表面の皮脂を破壊します。これによって、肌は内部の水分が蒸発しやすい状態に。ただでさえ皮脂の少ない赤ちゃんの肌は、ますます乾燥していきます。また、汗を大量にかくと皮脂膜が流れ肌の水分が奪われます。さらに、何度も汗をぬぐうことで肌のバリア機能も弱くなり乾燥肌の原因となります。今からしっかり保湿しましょう。

■ 秋冬は保湿をより強化するケアが必要。

保湿剤の剤形が水っぽいものから少しこってりとしたものに変えるとよいでしょう。回数も意識して多めにしていくことが必要です。特に寒い時期は、ママ・パパも一緒に保湿ケアをすることをお勧めします。洗い物をするときに水からお湯に切り替わると指が荒れるので、気温が下がり秋深まる1ヶ月前から保湿ケアをしっかりと行いましょう。

大人の中にはフィラグリンが明らかに不足していると感じられる人が実は多いです。フィラグリンなら赤ちゃんだけでなく、ママ・マパパも一緒に使えます。赤ちゃんのスキンケアを素手で行うことでママ・パパの指先の保湿にも繋がり、忙しい毎日の親子の時短スキンケアになります。スキンケアは通年が鉄則。今から肌環境を整え、秋や冬に備えることが大切です。
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この記事のライター

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