via genki-mama.com
暖かくなって、いろんな花が咲いて気持ちのいい季節になりましたね。筆者が学校図書館司書をしていた頃、新刊本のチェックはいつも楽しみでしたが、特に2月あたりから春を感じる絵本や児童文学の新刊が入ってくるととてもワクワクしました。
現在は、仕事ではなく母親として趣味で新刊絵本をチェックしていますが、相変わらずとても楽しい時間です。今回も新刊絵本・児童文学の中から、特に春に読みたいおすすめの本を3冊ご紹介します。
未就園児~おすすめ
はなになりました|内田 麟太郎
¥1,430
リスさん、アリにききました。アリさん、アリさん、だれがすき?アリさんにすきといわれて、うふふ。リスさん、はなになりました。こころがはなになりました。内田麟太郎さんの詩的なことばと、南塚直子さんの銅版画による、こころあたたまる作品。
表紙からも春らしさがあふれる1冊。私は南塚直子さんのやわらかな色使いの銅版画が子どもの頃から大好きで、1989年発行の「うさぎのくれたバレエシューズ」などはママたちの中にもご存じの方が多いかと思います。文は、「ともだちや」「おばけでんしゃ」などの内田麟太郎さんです。
この絵本を3歳の双子の我が子たちに読み聞かせながら、内田麟太郎さんの紡ぐことばが美しくて、特にリスさんたちが「ふふふふふ」と笑うところ、「こころがはなになりました」ということばで涙が出そうになりました。読み終わった後、娘に「ママ、だれがすき?」と聞かれて名前を呼んだ時の娘の笑顔が本当に花のようで、なんて素敵な絵本なのだろうと思いました。とてもおすすめです。
小学校低学年~おすすめ
トスカのおくりもの|マシュー・スタージス
¥1,760
ねこのトスカは、だれにもじゃまされないしずかなばしょをさがしています。でも、きょうははるのおおそうじ。いえのなかはうるさくて、しずかなばしょはありません。そこで、トスカはにわへでますが…?英国の人気作家の愛らしいねこの絵が魅力の一冊。
こちらは、1992年に木原悦子さんの訳で発行されたものが、2022年2月に復刊された新版です。ですので、旧版を子どもの頃に読んだことのあるママもいらっしゃるかもしれません。絵本に分類されますが、文字数が多めなので小学生からおすすめとしました。漢字はないので、年長さんからでも読めると思います。
春の大掃除の日に、猫のトスカは「誰にも邪魔されない静かな場所」を探しています。最後に、トスカが静かな場所を探していた理由がわかってとってもほっこり。イギリスのイラストレーター、モーティマー氏の美しい猫の絵は、猫の毛の質感まで伝わってくるほど。思わず撫でたくなるような可愛さは、猫好きのママ、お子さんたちにぜひ読んでほしいです。
小学校中学年~おすすめ
そだててみたら・・・|スギヤマカナヨ
¥1,320
たねをまいたら…ワクワクドキドキ、そしてモヤモヤ…なにがそだつのかな?ぼくはなにをそだてているんだろう?あらゆる「そだてるもの」と「そだつもの」に心からのエールを込めて!
主人公は、「たねからそだててみよう」という宿題が出た「ぼく」です。選んだたねに「たねたん」と名付けて一生懸命お世話するのですが、助言してくれる「たねや」のおじいさんの言葉のすべてが胸にしみます。
その中のひとつですが、「おなじしゅるいのたねでもひとつひとつちがっている。うまくいかんこともある。ただ、そんなふうになやむのはいっしょうけんめいそだててきたしょうこだ。」という言葉に、最近息子の発達のことで色々考えていた筆者は背中を押された気分です。おじいさんが教えてくれる「はぐくむ」ことは、育児にもつながるので、パパやママにもぜひ読んでほしいです。
その中のひとつですが、「おなじしゅるいのたねでもひとつひとつちがっている。うまくいかんこともある。ただ、そんなふうになやむのはいっしょうけんめいそだててきたしょうこだ。」という言葉に、最近息子の発達のことで色々考えていた筆者は背中を押された気分です。おじいさんが教えてくれる「はぐくむ」ことは、育児にもつながるので、パパやママにもぜひ読んでほしいです。
本文は「ぼくのたねたんは、なんのたね だったんだろう」で終わっていますが、この本を最後まできちんと読むと作者が教えてくれていますよ。本のあちこちに散りばめられたいろんな「たね」のスケッチも必見です。