2020年4月30日 更新

子どもが毎日同じ絵本を読んでとせがむのは何故?コロナ疲れの親子にも知ってほしい!専門家に聞いた大切な話

寝る前の絵本タイム。子どもが選ぶ絵本は不思議といつも同じものだったりしませんか?中には微妙なストーリーだったり、やたら長かったり。またコレ!?何故コレ!?と親はちょっとうんざりしてしまうこともありますが、実は大切な理由があるそうです。

日課にしている方も多い、絵本の読み聞かせ。子どものリクエストに付き合い毎日のように同じ絵本を繰り返し読んであげることは、結末を知っている子どもが安心してファンタジーの世界を楽しむことができる、繰り返すことで言葉の意味や使い方を吸収するなど、様々なメリットがあるといわれています。

読み聞かせそのものに多くの効果があることは知られていますが、今回は“子どもがお気に入りの絵本を繰り返し読んであげることの大切さ”についてご紹介します。

園長先生の言葉と講演会での出来事

筆者の息子は1歳半頃から、毎晩必ず同じ絵本を読んで欲しいとアピールするようになりました。それも対象年齢が少し上のシュールな絵本。通っている保育園でたまたまその話題になったとき、園長先生からは「とても大切なことなので めげずに続けてあげて下さい」とアドバイスを頂きましたが、正直深く気にしていませんでした。

その言葉の意味を知ったのは、玉川大学教授であり乳幼児教育学の専門家としてNHK Eテレ「すくすく子育て」にも出演されている大豆生田 啓友(オオマメウダ ヒロトモ)さんの講演会で紹介された、以下のお話でした。

大豆生田さんのお嬢さんが3歳の頃、さのようこさん作『すーちゃんとねこ』という絵本をいつも持ち歩いていたそうです。すーちゃんに風船を横取りされたねこちゃんが、沢山の風船を得たのちにすーちゃんに可愛い仕返しをする物語です。
ある時大豆生田さんがテーブルにお菓子を置いて子どもたちを呼ぶと、突然 お嬢さんはその前に立ちはだかりお兄ちゃん達に通せんぼして、絵本の中のねこちゃんのセリフそっくりに「ダメ!これぜーんぶワタシのふうせん!」と叫んだそうです。

思えば、お兄ちゃんにはよく色々なものを横取りされることが多かったので、絵本の中のねこちゃんに自分の悔しさを重ね合わせていたことに気付かされたというエピソードでした。

子どもは、現実の悲しい出来事や理不尽さを乗り越えるために、絵本の中の一場面やごっこ遊びを通じ、空想の世界を役立てているそうです。絵本のセリフや遊びの中で、冒険したり、表現の場としたり、時には心の傷を克服しようとします。

絵本を読み聞かせて貰う時間は子どもに幸福感を与える効果も高く、2020年の教育改革でも注目されている「非認知能力」を育むためにも重要とのことでした。

非認知能力を育てる あそびのレシピ 0歳~5歳児のあと伸びする力を高める|大豆生田 啓友

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非認知能力はどうしたら育つのか。いま、世界が注目!健やかな心、将来の幸せと成功につながるあと伸びする力。

非認知能力とは

「非認知能力」とは、IQやテストの点数、偏差値のような数値化できる認知能力の対義語であり、数値化することができない「意欲」「粘り強さ」「自己抑制」「自己肯定感」「社会性」「好奇心」「想像力」「共感力」「柔軟性」といった主に生きる強さに関わる能力のこと。

「2017年全米最優秀女子高生」をスカイ・ボークさんが受賞後、日本人母であるボーク重子さんの著書『「非認知能力」の育て方』も話題になりました。

ボークさんによると、非認知能力とは「正解のない問題に自分なりの答えを見つけて解決する力」であり、「自分の人生をデザインし、人生の成功をつくることができる」といいます。

「非認知能力」の育て方:心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育|ボーク 重子

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災害や病気…不謹慎なごっこ遊びも まず見守る

ごっこ遊びは想像力を高めるだけでなく、子どもが自分で何かを乗り越える力を養うことにつながるといわれます。

災害が起き一定期間が過ぎた頃、子どもたちが地震や火事、津波・水害等のごっこ遊びをすることがあります。大人から見れば非常識・不謹慎に見えますが、これは子どもなりに心を癒すための本能的な行動です。
子どもは、大人のように恐怖や不安を上手な言葉で表現することができません。そのためひとつの表現方法として、災害ごっこをすることも多いのです。子どもはショッキングな出来事も、遊びを通じて気持ちや考えを表現し、少しずつ心の安定を取り戻していくといわれています。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、子どもたちは登園・登校や友達と遊ぶことを制限され、子どもだけで心細く留守番をしたり、禁止だらけの中で大きなストレスがかかっている状況です。過去に例のない世界的な恐怖の中、子どもたちはコロナごっこやウイルスごっこをするかもしれません。

そのような時はいじめや危険な遊びでない限り、見守る姿勢が大切です。悪をやっつけるヒーローを待ち望む気持ちや、今まで通りの日常やファンタジーの世界に逃げ安心したい思いの現れと受け止め、自分の心を自分でケアしようとしている子どもをそっと支える方法を考えましょう。
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