はじめての妊娠では、ちょっとしたからだの変化に敏感になり、不安に思うことがあります。妊娠中のトラブルの中でも気になるのが「出血」。特に妊娠初期の出血にはさまざまな理由があります。今回は、妊娠中の出血トラブルの原因についてまとめました。
着床出血(月経様出血)
受精卵が子宮内膜に着床した際に、色の薄い月経のような微量の出血が1~2日続く場合があります。「着床出血」と呼ばれるもので、異常ではありません。妊娠4週頃、妊娠していなければちょうど次の月経予定日の時期にあたるため、月経と勘違いすることもあります。着床出血は出る人と出ない人がいるので、着床出血がなくても心配いりません。
子宮膣部びらん
「子宮膣部びらん」というのは病名ではなく、膣の奥深くの子宮の入り口がただれている状態のことをいいます。妊娠したからといって起こる症状ではなく、妊娠していないときの不正出血の原因として多く見られ、内診や性交の刺激で出血することもあります。
少量の出血があったり、おりものに血が混ざったりすることもありますが、おなかの痛みや張りなどの症状はありません。生理的なものなので、炎症を起こしたり性交時に出血を繰り返したりするようでなければ心配ありませんが、自己判断はせず必ず受診して状態を確認しましょう。
子宮頸管ポリープ
子宮頸管にできる良性のポリープです。子宮頸部の粘膜細胞の炎症が原因で、頸部から子宮の出口に飛び出したようになります。妊娠中は、そのポリープが絨毛膜と羊膜に炎症が起こる「絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)」の原因となり、感染症を引き起こし、早産が起こる可能性も。早産の可能性がある場合は、妊娠中でも切除することがあります。
絨毛腹下血腫
胎児を包む絨毛膜という膜の外側に、血液がたまっていることをいいます。子宮口近くにたまっていると出血しやすく、これといった症状がない場合とおなかの張りがある場合があります。切迫流産の症状のひとつと考えられていますが、妊娠が正常に継続していれば、胎盤が完成される妊娠4~5ヵ月頃には症状が治まるといわれ、赤ちゃんへの影響はないとされています。