2019年8月22日 更新

楽しいばかりではないけれど…。「愛する喜び」を感じられる絵本

【図書館司書資格を持つママがオススメ絵本をご紹介!】少し大人向けですが、誰かを愛する切なさ、喜びを感じられる絵本をご紹介します。子ども達が読んでも心に残る何かがありますよ。

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「恋するときめき」、「愛する喜び」、覚えていますか?

忙しい毎日の中で失いがちなそんな気持ちを思い出させてくれるような絵本『100万回生きたねこ』、『いつもいっしょに』『しろいうさぎとくろいうさぎ』をご紹介します。

子ども達への読み聞かせにもおすすめです。

100万回生きたねこ

100万回生きたねこ|作・絵 佐野 洋子

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100万回も死んで、100万回も生きたねこがいました。
100万人の人がそのねこをかわいがり、100万人の人がそのねこがしんだときなきました。

ねこは、1回もなきませんでした。

あるとき、ねこはだれのねこでもないのらねことなり、
ねこの見向きもしない1ぴきのしろいねこに出会います…。
名作絵本として名高い『100万回生きたねこ』。私は子どもの頃、この絵本を題材にした人形劇を観たのをきっかけに読んだのですが、子どもの頃抱いた感想は「ねこ死んじゃうし悲しい話やなぁ。」でした。

しかし大人になって読むと、100万回も生を繰り返しても、「幸せ」を知らなかったねこが、最後に初めて「幸せ」「愛」「悲しみ」を知り、生きる喜びを感じるという話だとわかりました。

子どもに読んでも「面白かった~!」という感想が返ってくる感じの絵本ではありませんが、子どもの頃に読んだ後に何だかひっかかるこのような絵本を読んで、大人になって絵本の本質を知る、という体験もいいものだと思います。

我が家では子ども達に読むと、三男(5)は寝てしまい、次男(小1)は「100万回も生きるなんてすごいな~。いったいいつ頃から生きてるのかな。恐竜いるくらいからかな」と言っており、長男(小4)は横で別の本を読んでいたけれど、徐々にこの絵本の展開が気になってきたようで途中からしっかり耳を傾けていました。

高学年のクラスで読み聞かせしたいような本です。
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「可愛い絵柄」ではないのですが、
ねこの感情がよく伝わってくるすごい絵だと思います。

「別れ」は悲しいものだけれど、
「愛」を知ることができたからこそ、ねこはここまで
悲しむことができたのです。

いつもいっしょに

こんの ひとみ/作 いもと ようこ/絵

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一人ぼっちのくまの家に、ある日うさぎがやってきます。うさぎにために毎日、料理を作り、世話をするくま。誰かのために何かをするなんて初めてのくまは、嬉しくてわくわくします。
ところが、うさぎは、ただくまのそばでにこにこしているばかり。何もいいません。だんだん不安になってきたくまは、うさぎにひどいことを言ってしまい…。
読んでいて、なんだか自分の結婚生活を振り返ってしまった『いつもいっしょに』。

一緒に暮らせることが嬉しくて、ついつい頑張ってしまったけれど、反応が返ってこないことにイライラして、うさぎちゃんに感情をぶつけてしまう…そんなくまくんの姿に思わず「わかる!くまくんの気持ち!」と思ってしまいました。

見返りを求めてはいけないけれど、「感謝の気持ち」を言葉にしてもらえると嬉しい時ってありませんか?
同様に、感謝の気持ちをきちんと伝えることも大切ですよね。

うさぎちゃんは何か事情があって、言葉にできないようようで、くまくんに感情をぶつけられて目に涙をためるようすがなんとも切ないです。

文章も簡潔でいもとようこさんの絵も可愛らしいので、2・3歳くらいのお子さんから読める絵本だと思います。
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新婚の時はこんな感じだったかな…
と思えるシーン。

誰かと一緒に暮らすことの難しさと素晴らしさを
考えられる絵本かと思います。

しろいうさぎとくろいうさぎ

ガース・ウィリアムズ/ぶん、え 松岡 享子/やく

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しろいうさぎとくろいうさぎ、二ひきのちいさなうさぎが、
ひろい、もりのなかに、すんでいました。

二ひきは、いっしょにたのしくくらしていましたが、
あるとき、くろいうさぎはかなしいかおをすることが
おおくなって…。
ふわふわで、思わずさわりたくなってしまいそうな、二ひきのうさぎの絵がとても愛らしい絵本です。

ですが、この絵本はそれ以上に「繊細な恋心の描写」がたまりません!

言い出したいけど、なかなか言葉にできないくろうさぎの気持ち。想いを打ち明けられた時のしろうさぎの表情。
想いが通じ合った時に二匹が取り合う手と手…。

恋する切なさとときめき、幸せがぎゅっとつまった一冊だと思います。
私は、結婚が決まった友達にプレゼントしたこともあります。

我が家の男子に読んだら、反応はいまいちだったのですが、女の子が読んだら心に響くと思います。

実際、私も子どもの頃読んで、こんな恋がしたいなぁと漠然と憧れた思い出があります。お話はやや長めなので、読んであげるなら4歳くらいからがおすすめです。
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こんな感じでずっと悲しそうな顔でもじもじしている
くろうさぎ。

彼がこんな表情をする理由は…。

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この記事のライター

むっく むっく

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