2024年8月28日 更新

子どもが「溶連菌感染症」に!症状や治療法は?登園はいつからできる?

例年、冬場と春から初夏にかけて流行しやすい「溶連菌感染症」。病気の原因や症状、そして治療法やホームケアの方法などについて知っておきましょう。

子どもが感染しやすい「溶連菌」とは

国立感染症研究所 (395637)

via 国立感染症研究所
溶連菌とは溶血性レンサ球菌という細菌で、医学的には「A群β溶血性レンサ球菌咽頭炎」のことを指しています。

もともと溶連菌は、私たちの周りに常在しているごく普通の菌なのですが、咳やくしゃみ、接触、おもちゃの貸し借りなど、さまざまな経路で体内に入ると、2~5日程度の潜伏期間の後に感染症を引き起こすことがあります。感染力は非常に強く、春から初夏、そして冬場にも流行する傾向があります。

特に4歳から15歳頃の子どもに多く見られますが、2歳から3歳児や大人も感染することがあります。ただし、0歳から1歳児にはあまり見られません。

溶連菌の原因と症状

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突然39℃前後の高熱と激しいのどの痛みから始まり、のどの奥は血がにじんだように真っ赤になります。首のリンパ節が腫れたり、嘔吐や腹痛を伴ったりすることも。“いちご状舌”といって舌のボツボツが大きく赤くなったり、細かい発疹が手首や足首のあたりから全身に広がることもあります。

溶連菌感染症の主な症状は以下となります。

【熱】 〇
【発疹】 〇
【咳】×
【嘔吐・下痢】 △
【予防接種】なし


以上のような溶連菌のサインや経過を知って、早めに受診するよう心がけましょう。

「人食いバクテリア」と呼ばれる“劇症型溶連菌感染症”について

溶連菌感染症の1つに「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」と呼ばれる病気があります。メディアやネットなどでは、「人食いバクテリア」、英語でも「flesh eater(肉食い)」などというショッキングな呼ばれ方をすることもあります。

子どもは安全?

致死率が3割に上るともいわれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」。手足の壊死や多臓器不全を引き起こす可能性があり、日本でも2024年に入ってから現在までに1000人近い患者が報告され過去最多を更新するなど、その脅威は増大しています。

一般的に、30歳以上の成人がかかりやすいとされていますが、稀にではあるものの子どもでもかかってしまうことが報告されています。お子さんに以下のような症状が見られた場合は、一刻も早く病院を受診しましょう。

・手足の激痛(患部の腫れ)
・高熱
・悪寒、筋肉痛、下痢のようなインフルエンザ様の症状
・錯乱などの意識障害
・血圧低下
・めまい
・広範囲の紅斑

溶連菌の治療方法

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大切なのは、処方された抗菌薬を全て飲み切ることです。症状が治まったからと勝手に服用をやめると、溶連菌が完全に消えず、再発することもあります。再発を繰り返すと、急性腎炎やリウマチ熱などを起こすことがあります。

【ホームケアの方法】

  • 処方された抗菌薬は、お医者様の指示通り飲み切りましょう。

  • お子さんの熱が高い場合は、こまめに水分補給を行いましょう。

  • のどが痛むようなら、茶碗蒸しやうどんなどのどごしの良い食事を与えてあげてください。

  • 発疹がかゆい場合は、爪を短く切るなどして、掻きむしって傷になるのを防ぎましょう。

  • 溶連菌感染症は、他の人の体にうつりやすい病気です。看護する人は、マスクを着用し、タオルや食器の共有を避け、こまめな手洗いをして家庭内で感染が広がらないように注意しましょう。

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