2020年4月6日 更新

【体験談あり】小児科看護師が教える「突発性発疹」について

だいたいの子どもが初めて高熱が続くと疑われる「突発性発疹」。小児科看護師である筆者が我が子2人の体験談も交え、医療機関にかかるタイミングや看護師として気を付けてほしいことをわかりやすく解説します!

しっかり全身状態を観察することが大切です!

全身状態を観察しましょう。意識状態が朦朧としているときなどは、危険な状態の可能性もあります。しかし、多くの場合が0歳から1歳であり、なかなか意思疎通が出来なかったりする年齢です。しっかり水分が取れているか、おしっこが出ているか、眠れているかの観察を行ってください。

ここで2つほど、ママやパパに不安にさせてしまうことをお話します。

突発性発疹は稀に合併症を引き起こす可能性があります。
1つ目は、「熱性けいれん」です。
発熱の初期に起こることが多く、けいれんにより発熱に気づくこともあります。基本的な症状は意識がなくなり、けいれんを起こすことです。
急に手足をかたくして突っ張る(強直性けいれん)、手足をぴくぴくさせる(間代性けいれん)、初めはかたく次第にぴくぴくする(強直・間代性けいれん)などがあり、体全体に起こったり、半身とか四肢の一部に起こったりします。また手足に力は入らずにダラーとして意識だけがなくなることもあります。

このような“ひきつけ”のとき、目は見開いて虚空を見つめ焦点が合わなかったり、左右に偏っていたりします。また呼吸は不十分なため全身の色が悪くなり(チアノーゼ)、嘔吐・失禁を伴ったりすることもあります。

けいれんは通常2~3分で収まりますが、20~30分と長く続くこともあります(けいれん重積症)。収まった後、ボーとする時期がありますが意識は元に戻ってきます。

症状や起こり方が多様なため熱性けいれんは2つのタイプ、すなわち「単純型熱性けいれん」と「複雑型熱性けいれん」に分けられます。単純型は発熱後24時間以内に起こって、全身性のけいれんであり、数分で収まり、繰り返したりしないタイプです。

複雑型は次の条件は

①けいれんの持続時間が長く15分以上
②けいれんが体の半分とか、体の一部に起こり局所性である
③一度の発熱で繰り返しけいれんが起こったり、発熱後24時間以後に起こったりする
3項目のうち1つでもあてはまるときは複雑型です。単純型は熱性けいれんのおよそ8割、複雑型は2割程度です。両者は治療や経過が違ってきます。複雑型やけいれん重積症では、けいれんの治療や他の疾患との区別のために入院が必要になることが多くなります。
熱性けいれんの症状などわかりやすいサイトを見つけたので引用させていただきました。熱性けいれんは突発性発疹だけでなく、高熱が出たときになる可能性があります。

このようなことが起こる可能性があるという知識を少しでも頭に入れておくと、いざなったときに対応できると思います。
二つ目は「急性脳症」です。
インフルエンザの次である2番目に突発性発疹によっておこることが多いとされています。

急性脳症の場合、症状はけいれん、意識障害、嘔吐の3つです。また解熱後(発熱から24時間以上経過してから)にけいれんを起こすことが多いとされています。高熱時に1回おこり、その後解熱後にもう1回起きることもあると言われており、現在研究が進められています。

予防することが難しく、早期発見早期治療が大切になってきます。

けいれんが出現した時どうすればいい?

上記で挙げた合併症は、2つとも「けいれん」が出現します。

そこでけいれんが起きた時の対処方法を説明します。

まず初めてけいれんのような状況が見られたらすぐに救急車を要請してください。
そしてママとパパに救急車を待つまで対応してほしいことがあります。


・吐いてしまう可能性があるので、体を横に向かせて誤嚥を予防しましょう。
この時食い縛る様子がありますが、タオルなどを噛ませないようにしてください。窒息してしまう可能性があるからです。

・上着を緩めたり、ボタンをはずしたりして楽に呼吸ができるようにしましょう。

・けいれんがどのくらい続いているのか時間をおおよそでいいのではかりましょう。またどのような症状が起きているのか様子を見て救急隊員、医師に伝えてください。

・まわりに危険なものはないか確認し、お子さんのまわりから物を退かしてください。
打撲等してしまう可能性があります。


一番は慌てずに落ち着いて行動することです。はじめてのけいれんだとびっくりしてパニックを起こしてしまうと思います。落ち着いて行動することを心がけていただければと思います。

まとめ

初めての体験は誰しも不安が大きいです。ましてや我が子のことになると、ママやパパの不安は大きいと思います。

初めての高熱と言われている「突発性発疹」。決して怖い病気ではありません。また知っていて実際になるのと、知らなくて体験になるのは心の余裕が違うと思います。

全身状態をしっかり観察してお子様のそばに寄り添ってあげてください。不安なことがあればかかりつけ医や「#8000」に相談してみましょう。
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この記事のライター

はるりこママ はるりこママ

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