2020年5月17日 更新

【体験談】『憧れ』とは程遠いアメリカ生活の現実

海外好きの人なら「出来ることなら住んでみたい!」と、海外生活に憧れを抱いたことが一度はあるかもしれません。ただ、いざ住み始めるとそこには憧れとは程遠い現実が…。今回は筆者目線で見る、リアルなアメリカ生活を皆さんにお届けします。

エピソード② 真冬に止められた水道
真冬のとある日、いきなり我が家の水道が出なくなり、主人と2人『なぜ?なぜ?』と家中の蛇口を捻って確認。

当時、2階建て一軒家の1階に住んでいた私たち。2階には別の住人が住んでおり、明らかにトイレやシャワーを使っている音が…。そこで、他のご近所さんたちにも、念のため水が出ているかの確認をすると、出ている…とのことで、出ていないのが我が家だけと判明。

この段階で、水道局に電話。事情を説明し、直ぐに我が家に点検しに来て欲しい旨を伝えるも、週末(土曜日)だったのを理由に『緊急じゃないので、週明けまで待って!』と言われ、電話で話をしていた主人は唖然。

『水道代はキチンと払ってるし、近隣住民の水は出ている…これって緊急でしょ?』と言うも、『無理なものは無理!』と引かない水道局。

実は、この前日から私はお腹を壊しており、トイレとお友達状態。頻繁に大きい方でトイレを使うのに、流せない…というのはかなりキツイものがあり、そのことも水道局に伝えましたが相手にされず。

押し問答が続く中、イライラした水道局員に言われたのは…

『私が、あんたの家の水道を止めたわけじゃないんだから、知ったことじゃない!私はただ電話の対応をしてるだけで、私に責任はない!』

そして、なんと一方的に電話を切られてしまったのです。

この後、とりあえず近くのスーパーに駆け込み水を購入。私のお腹の具合も良くなる気配はなく、本当に週明けまで待たないといけないのかもしれない…ということで、やむを得ず家から目と鼻の先にあったホテルに泊まることに。

ホテルに着いてから、再び水道局に怒りの猛抗議電話をするも、やはり答えは『NO!』。諦めて一夜を過ごし、翌日仕事だった主人が、仕事前に忘れ物を取りにたまたま家に寄ると、閉め忘れていた蛇口の1つから水が出ていることを発見!

『NO!』とあれだけ言っていた水道局側でしたが、怒りの抗議に我が家へ出向いた模様。そして、何が原因だったか探るべく、改めて水道局に電話をすると…

『取り外すメーターを間違えた』というのが、我が家の水道が止まった理由でした。

こちらには何の非もない上、ホテル代まで使う羽目になったものの、当然何の補償もされず、とんだ目に遭ったのは言うまでもありません。
エピソード③ まさかの車内放置
車のタイヤ交換を頼みに行った時のこと。夕方遅くに『仕上がりました』と連絡をもらい、『取りに来るのは今日でも明日でも、いつでもOK』と言われ、『じゃあ、明日取りに行きます』と告げ、その時の電話は終了。

翌日、主人がお店に行き、鍵を引き取る段階で…『鍵がない!』と、店員たちがあたふた。主人も『ないってどういうことだ⁉』と、ちょっとした騒動に。

暫くして、主人の車を担当したメンテナンスの人がたまたまオフィスに現れ、そこで鍵の行方が判明したのですが…その場所は『車の中』。

置き忘れたワケでもなく、メンテナンスの人が『故意に』車内に鍵を残していたのです!

その意図というのが、『(主人の)気が変わって、店が閉まってる時に車を取りに来た時のため』という、全く理解に苦しむものでした。

そもそも、車はお店の一般駐車場に止められており、その駐車場はお店が閉まった後も、普通に人が出入り出来てしまう場所で、運が悪ければ、誰かに車ごと盗まれてもおかしくない状況だったのです。

当然ですが、主人はクレームを入れてお店を後にしました。
エピソード④ 郵便局もいい加減
日本に住む母から、月1ペースで小包を送ってもらっている私。その際利用しているのは、受け取りサインが必要なEMS(国際スピード郵便)。サインが必要=手渡しで受け取るべき荷物なのですが、そこはアメリカ…

◎玄関先に放置
◎サイズの小さい箱は、郵便受けに無理矢理押しこむ
◎玄関先まで来るのを面倒がり、不在ではなかったのにも関わらず、アパートの集合郵便受けに不在票を入れて帰る
◎再配達を頼むも、配達されず

…といったことが、数え切れない程あります。

アメリカだから仕方ないと、半ば諦めている部分はありましたが、不在じゃないのに不在票を郵便受けに入れられ、その都度片道20分も掛けて郵便局に取りに行かないといけないのは、いくらなんでもふざけてる!…と思い、これに関してはクレームを入れることに。

ただ、管轄の郵便局にクレームの電話を入れても、キチンと対応してもらえない可能性が高いと見込み、郵便局のホームページを見てみたら、クレーム専用のフォームを発見。それを通してクレームを入れました。

それが功を奏し、その後の配達では(今のところ)きちんと届けに来てくれています。

治安の悪さ

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アメリカの犯罪率は日本とは比にならず、治安が良いとはお世辞にも言えません。また、州によっては厳しい銃規制を敷いている所もありますが、何と言っても『銃社会』。

治安の良いとされる地域でも犯罪は起き、治安の悪い所では1日に何件もの殺人事件が起きるのがアメリカです。

そして気を付けないといけないのが、高級住宅が並ぶ地域でも、たった1ブロック離れるだけで、そこには『プロジェクト』と呼ばれる、低所得者用の公共住宅が立ち並んでいることがよくあり、その雰囲気の違いは明らかです。

プロジェクトのある地域では、暴力事件・殺人事件・ギャング抗争・強盗・薬物の売買などが頻繁に起きるので、うっかり道を間違えてこの地域に入り込んでしまった場合、一刻も早くその地域から出るようにしなければなりません。

私たち夫婦が、日本からアメリカに越して来た当初に住んでいた家は、私たちの住んでいた地域を中間に、東側が高級住宅街、西側はプロジェクト街という場所だったため、特に夜になると、発砲音がどこからともなく聞こえてき、パトカーが一晩に何台も我が家の目の前を通って行く…というのが日常でした。

一歩表に出ると、昼間から薬物でハイになった人や、酔っ払っている人が徘徊していることもしょっちゅうで、犬の散歩に出掛けたものの、そういった人を目にした途端、慌てて家に逆戻りしたこともよくありました。

この他、薬物問題もアメリカは非常に深刻です。薬物過剰摂取による死者数はあまりに多く、以前住んでいたバージニアでは、1日で亡くなる交通事故者の数より、ヘロインの過剰摂取で亡くなる人の方が多いという現状です。

大麻にいたっては、州によって「レクリエーション目的での使用は合法」とされている所もあり、そうでない州でも、多くのアメリカ人は『大麻は薬物のうちに入らない』と考えている人が少なくありません。事実、社会的に良いとされる職に就いている人でも、実は大麻を吸っている…なんて話はよくある話です。

また、時と場合にもよりますが、警察も大麻所持・使用であれば見逃してくれることが多くあります。この背景には、アメリカの大多数の刑務所が、既に収容人数を超える犯罪者で溢れており、大麻程度の軽犯罪でいちいち捕まえていたら、実質刑務所が回らないためです。

孤独と不便は付き物

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日本人が多く住んでいる大都市や地域に住んでいると、(個人差はありますが)さほど孤独を感じたり、不便さを感じることはないでしょうが、そうでない地域に住んでいると、孤独を感じる日本人は多いと思います。

英語に不自由のない人や、アメリカ人の友達がいれば大丈夫という人なら問題ないですが、同じ日本人同士だからこそ分かりあえる部分や、日本語で面と向かって思いっきり話が出来る相手がいるのといないのでは、精神的にかなり違ってくることは多いと思います。

インターネットが普及した今は、日本にいる家族や友人と気軽に話をすることも出来ますが、気軽に会うことが出来ないという点で、寂しさを感じる部分は避けられないでしょう。

また、食が豊富・物が豊富・お店が沢山・サービスが多種多様・交通の便が発達してる…などなど、日本ほど便利な国に住んでいる日本人からしてみると、アメリカ生活での不便さを感じることは否めません。

日本人の少ない小都市などでは、手に入る日本食はごくわずか、日本食レストランも名ばかりで、アメリカンテイストの良く言えば『創造』、悪く言えば『想像』日本食メニューばかりで、本来の日本食を求めて行ったら全くの期待外れ…ということもよくあります。

努力あってこその英語力

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アメリカである程度生活したら、自然と英語が話せるようになると思っている人も多いかもしれませんが、ハッキリ言えるのは、ただ住んでいるだけでは上達しません。

特に、日本人人口の多い都市では、例えあまり英語が話せなくても、そこまで不自由することなく普通に生活出来てしまうので、英語を上達したいと思っている人には落とし穴と言える環境です。

州によっては、運転免許の筆記試験を日本語で受けることができ(テキストも日本語)、日本人医師や看護師がいる病院があったり、病院で通訳を付けることも出来てしまう。日本食レストランに行けば、日本人が働いている。

日本人や外国人観光客が多い都市では、カタコト英語に慣れている現地の人も多く、こちらが何を言いたいか理解しようとしてくれる場面も多いと思います。

そして、いざという時に自分が英語を話せなくても、日本人の友達の誰かしらが英語に達者な人がいて、そういった人に頼ることが出来てしまう…など、カタコト英語程度でも、難なく生活出来てしまうのです。

英語環境にただ身を置いてるだけで、努力せずに勝手に英語が身に付くのは、脳の柔軟な幼児~せいぜい小学校低学年児くらいまでで、あとの人たちは努力なくして英語を習得するのは不可能と言えます。
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