2020年5月17日 更新

【体験談】『憧れ』とは程遠いアメリカ生活の現実

海外好きの人なら「出来ることなら住んでみたい!」と、海外生活に憧れを抱いたことが一度はあるかもしれません。ただ、いざ住み始めるとそこには憧れとは程遠い現実が…。今回は筆者目線で見る、リアルなアメリカ生活を皆さんにお届けします。

生活費が掛かる

アメリカでの生活費は、住む州や都市によって大きく違ってきますが、生活費は日本で暮らすよりもよっぽど高いものになると言えます。

特に日本人に人気の都市、ロサンゼルス・ニューヨーク・ハワイなど。日本人が多い分、これらの都市では、日本の食料品などを手に入れやすい、日本食レストランが多数、日本語の通じるお店やサービス、病院などがあるのは魅力的ですが、家賃は非常に高いです。また、ハワイは場所柄、食料・日用品・ガソリンなどがアメリカ本土と比べても高くなります。

筆者がバージニア在住時代、同じアパートに住んでいた友人夫婦。ご主人の仕事の都合でバージニアからハワイへ引っ越したのですが、彼らはハワイの生活費の高さに、生活スタイルがガラリと変わっていました。

バージニアでは、キッチン付きリビング+3部屋+トイレ&シャワー付きバスルーム2つの部屋に住んでいましたが、ハワイに移り住んでからは『スタジオルーム』(日本で言う、ワンルームマンション)へ大々的な縮小を余儀なくされました。

大人2人+子供1人が狭い1部屋で暮らすというのは、想像以上にかなり窮屈だ…と、友人夫婦は語っていました。

それでは、ここからもっと詳しく何にお金が掛かるのかをお話していきます。

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アメリカ生活で欠かせないのが『車』。日本のように、公共交通機関が発達していないので、特定の都市、ニューヨーク・サンフランシスコなどを除いて、車がない生活はまず考えられません。

公共交通機関が人々の足になっている都市やエリア、大学周辺を走っているバスは別ですが、一般的にバスや電車を利用する人は、車を購入することが出来ない貧困層が大多数を占めています。また、アメリカは同じ街中でも、治安の良い所と悪い所が点在するため、利用にあたっては時に危険を伴うことも。

一家における車の所有数も、アメリカは日本と比べて多いです。夫婦2人生活、奥さんが専業主婦や在宅勤務などであれば、車1台で難なく生活出来ますが、子供がいる場合、車1台で生活するのは非現実的。

(乳幼児の場合)子供の検診・急な病気・学校や習い事の送迎・その他の用事などで、車1台ではどうしようもなくなってしまうのが理由です。我が家も、子供が出来たことをきっかけに2台目を購入しました。

車の数が増えれば、当然その分の車のローン・維持費も更に掛かりますが、生活の足である以上避けられない出費になります。

余談になりますが、アメリカでは車を所有していても、保険に加入していな人が車を乗り回していることがあります。そのため、アメリカで車を購入した場合は『無保険車障害保険*』に加入することも重要です。

*『無保険車障害保険』とは、加害者側が自動車保険に入っていなかった場合、自分が加入している保険会社が、修理代や医療費などを補償してくれるものです。

ちなみに、私たち家族が現在住んでいるテキサス州南部の地方都市では、車保持者の3分の2が保険未加入という恐ろしい実態が明らかになっています。

医療費

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アメリカの医療費は高いことで有名ですが、その高さは日本と比べると桁違いです。

米国勢調査局の調査によると、2018年度の保険未加入者は全米で2,750万人(国民の8.5%)。アメリカの医療制度は非常に複雑で、更に保険そのものが高額。2014年に導入された医療保険制度『オバマケア』により、保険加入者は増えましたが、それでも高い医療費に病院に行きたくても行けない…手術費や治療費を払えずに自己破産…など、現状は厳しいものがあります。

まず、アメリカで病院に行くには、保険の都合上かかりつけの医師を決めることから始まります。そして、そのかかりつけの医師に診てもらうにも要予約が基本。日本の様に、『風邪引いたから、ちょっと病院行ってくる』は、アメリカではまず考えられない話で、そもそも風邪くらいでは(よっぽど症状が悪い、又は症状が長引いてる以外)アメリカ人は病院にはまず行きません。

「具合が悪い」「怪我をした」…でも、かかりつけの医師の所では予約が取れないという場合、『アージェントケア』という準救急に行くことが一般的です。そして、診療費は入っている保険や病院によって金額が変わり、救急車も有料です。

ここで、あくまで一例になりますが、私の出産に掛かった費用をご紹介したいと思います。

『無痛分娩・娘の黄疸治療・入院期間5泊6日』で、なんと『17,000ドル』(1㌦100円計算として170万)。妊婦検診・出生前診断・妊娠悪阻(重度のつわり)中の点滴治療・ER(救急)受診・検診外のエコー検査*・薬…を含めた場合、総額500万は優に掛かっていると思います。

*アメリカでは、通常の妊婦検診で行われるエコー検査の回数が、妊娠期間中を通してたったの2~3回。日本では、検診の度に行われるエコー検査ですが、医療費の高いアメリカではこれが普通となっています。私の『検診外のエコー』とは、検診の度にお腹の大きさが週数に対して非常に小さかったため、胎児の成長・その他異常がないかを確認するために、検診とは別にエコー検査に行っていました。

ただ、これだけ掛かった妊娠~出産費用ですが、実は私は一銭も払っていません。というのも、主人の所属する機関は、所属者(20年以上勤続した退職者を含む)+家族(子供は年齢制限有り)が利用することが出来る専用の病院が設けられており、医療費はタダになっています。

出産費用は、病院側から“実際には、これだけの費用が掛かっています”ということを書面上で見せられた金額で、妊娠中の費用に関しては、一般的に掛かる金額を基にざっと計算したものになります。

通常、特に大きなトラブルを伴わない妊娠~出産であれば、保険内容で金額は違ってきますが、かなりの額は保険でカバーされることになり、実費は数千ドル程度で済むようです。それでも、日本と比べるとかなり高くなるのは間違いないです。

歯科治療も同じく高いアメリカ。これに関しては、私も歯科専用の保険に入り、一般の歯医者で検診やクリーニング・治療に行っているのですが、以前クラウン(1本)を被せ治す必要があり、見積もりを出してもらったところ…なんと、自己負担金『約750ドル(7万5千)』。実際の費用は『約1,500ドル(15万)』だったので、保険のお陰で安くはなっていたものの、この金額に驚いたのは言うまでもありません。

外食

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ご存知の通り、アメリカは『チップ社会*』。サービスと名の付く物の多くにチップが必要になってきます。

*レストラン・デリバリー(出前)・バーやクラブでの飲み物のオーダー・美容院・ネイルサロン・タクシー・ホテルなど

レストランやカフェで食事をすると、食事代+チップを払うことになり、相場は食事料金の15~20%。チップは義務ではありませんが、よほど酷いサービスを受けた場合を除いて、もはや払うのは半強制的でマナーであると言えます。例外として、ファーストフードのお店では、チップを払う必要はありません。

外食するのが好きな人にとっては、この出費は意外と馬鹿にならないものです。

ただ、多くの日本人在住者が言うことですが、一般的なアメリカのレストランは、日本と比べると正直イマイチ…。アメリカ版ファミレスのようなお店もありますが、「この値段でこの料理?」…というのはよくある話で、日本のように手頃な値段で美味しいお店はなかなかないと言えるかもしれません。

料理単価に見合った美味しさではない上、ウェイター・ウェイトレスにチップとなると、気分的にも高くつく…というのが正直なところです。

サービスの悪さ

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『お客様は神様』という言葉があるように、日本のカスタマーサービスは世界的に見ても素晴らしいものがあります。もちろん、日本でも良くない対応を受けることはありますが、アメリカのサービスの悪さは、目に余るものがあります。

例えば、修理の予約を『午前中』に取り付けても、夕方になってようやく現れる。「遅れます」の連絡もなければ、酷いとすっぽかされることもあります。

カスタマーサービス終了時間10~15分前位に電話を掛けると、平気で電話に出ない、又は保留にしてそのまま終了時間になり、勝手に電話が切れることも。

たらい回しにされる、言ってることが人によって二転三転するのは当たり前。同じ人でも、昨日と今日で言ってることが違う…!?ということも、よくある話です。

それでは、そんなアメリカで、私自身が実際に体験した仰天エピソードをいくつかご紹介します。
エピソード① 仕事そっちのけでお喋りに夢中

これは、日本でも大人気の某ハンバーガーチェーン店での出来事。

ドライブスルーを利用しに行ったところ、私以外に並んでいる車はなく、早速注文しようとするも、本来お店側からまず言われる『○○へ、ようこそ!ご注文は何にされますか?』がない。とりあえず、こちらから『ハロー!注文したいんですけど…』と、話し掛けるも応答なし。スピーカーかマイクが壊れてる?…と、思いつつも何度か声掛けをし、やはり反応がなかったため仕方なく店内へ。

すると、そこで見た光景は…店員全員、マネージャーまでもが一緒になって、カウンターから少し離れたところで、大声で笑いながら話をしていたのです。ドライブスルーのブースの中に店員が立ってはいたものの、肝心なヘッドセットはテーブルに置かれた状態。道理で反応がないわけだ…と納得。

そして、カウンターに立ってる私の存在にも全く気付かず、『Excuse me!!!』と大声で数回呼び掛けてやっと気付く有り様。『今、ドライブスルーで注文しようとしたけど、反応なかったから店内にわざわざ来たんだけど…』と、冷静にでも怒り口調で言うも、笑いながら『あっ、そう!』と軽くあしらわれて終わり。『すみません!』の一言すらないことに、私は驚きを隠せませんでした。しかし、モラルの欠片すらないのは明らかで、それ以上文句を言う気は起きず、注文して商品を受け取り、サッサと店内を後にしました。

この店舗、治安がそこまで良くない地域にあり、その時店内にいた数人のお客さんはホームレス。こういったことも、店員の質に影響がある…と、後から主人には言われました。
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