2019年8月22日 更新

児童書レーベルの文学賞「第5回角川つばさ文庫小説賞」受賞作品が決定!栄えある注目の受賞作品は…?

2018年に10周年を迎える児童書No.1シェアレーベル「角川つばさ文庫」が選びぬいた受賞作品が決定!一般部門「世界一クラブ」が金賞受賞!こども部門「空き缶をけっただけの話」がグランプリ受賞!

こども部門 準グランプリ

『生きる意味を探して』プロキオン(小学6年)

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■あらすじ
クラスで仲間はずれにされ、家にも自分の居場所がない紗奈。もう生きていたくないと、冥界へ連れて行ってくれるという番人とともに冥界へ向かう覚悟を決める。だけど、仙人や、生きられなかったことを後悔している霧の魔女たちが死を選んだ紗奈を責める。そして、紗奈が導き出した答えは——。

■作品を書いたきっかけ
人生は生きているだけで楽しくて、一回だけのチャンスなんだということを私は本から学びました。それを自分が書くことによって他の人へ伝えたいと思ったからです。

『死神さんと七不思議』日部星花(中学3年)

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■あらすじ
一也はいつも入りびたっている図書室で死神の少女と出会う。霊感の高さを見いだされて、なかば強引に学校の七不思議の調査を手伝うことに。まずは五年一組の教室に行くが、怪異の正体は霊ではなく図書館司書の女性だった。なぜ彼女はそんな行動を?一也は死神から、「思い出せ」と迫られる。

■作品を書いたきっかけ
子供の頃から好きだったファンタジーを、学校を舞台にして自分でも書いてみようと思いました。

一般部門 選考委員 選評

作家・あいはらひろゆき さん
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著書に「くまのがっこう」「がんばれ!ルルロロ」「クローバーフレンズ」など。
今年の「角川つばさ文庫小説賞」は、残念ながら大賞受賞者はなしという結果になりました。読み応えのある魅力的な作品もありましたが、さらに大きく花開いてもらうためにもあえて厳しい選考が必要だろうと選考委員一同で判断した結果です。ご理解ください。

その中で唯一、金賞をとったのが『世界一クラブ』です。この作品は一級のエンタテインメント作品としての十分な可能性を感じました。様々な分野での「世界一」たちがクラブを結成し難事件の解決にあたるというフレームは、ヒットシリーズの誕生を予感させます。

ただ、期待が大きいだけに課題も目につきます。5人の「世界一」や脱獄犯、警察など登場するキャラクターたちの作り込みが甘い点が特に気になります。本の刊行までに、もう一度キャラクターをじっくり練り上げ、魅力的な作品に仕上げていただくことを期待します。


作家・宗田 理 さん
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代表作『ぼくらの七日間戦争』。「ぼくら」シリーズは角川つばさ文庫でも大人気。
『世界一クラブ』は、世界一の能力を持った小学生5人が、学校に立てこもった脱獄犯から先生を救出するストーリーで、一気に読めるおもしろさがあった。物語の大半は一晩の救出作戦だが、そこもよく書きこまれていた。

ただ、こういう場合は、敵も世界一に匹敵するくらいのワルであってほしい。また、この脱獄犯たちは、なぜ学校に忍び込んだのか。そこにもっとも理由が必要だ。あともう一つ、主人公たちに加えたいのがドジな仲間である。あんまり優秀な者ばかりでは単調になってしまう。

以上のような点が物足りなかったため、大賞には漏れてしまったが、読み手を惹きこむ筆力と作者の将来性を買って、この作品を金賞に選んだ。


女優・本上まなみ さん
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女優、タレントとして活躍する他、エッセイや絵本などの著作も多数。
『世界一クラブ』は、宗田理先生の「ぼくら」シリーズを継承するような少年少女の群像劇。人質となった教師をチームワークを駆使して助ける物語はテンポよく、楽しく読むことができました。

犯人たちのキャラクターを描き分けることができれば、さらに厚みのある作品になるでしょう。脱獄犯が集団でありながら画ー的に見えてしまった点と、警察チームの間抜けっぷりが目立った点でドキドキ感が薄れたのが惜しかった。主人公たちに相応しい「手強い奴ら」を準備していただきたいです。

体力、頭脳、ハズしのユーモア…彼ら彼女らが「世界一」を名乗るのも納得、という活躍をして欲しい!という期待をこめ、金賞となりました。
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この記事のライター

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