モンテッソーリ教育とは?
そのため、モンテッソーリの教室や取り入れている保育園・幼稚園では、個別活動や自主性を重視したカリキュラムとなっています。子どもたちはその中で、アイロンがけなどの本格的な日常生活練習、感覚教育、算数、言語、文化を学び、異年齢の子から気づきや学びを得ていきます。
将棋の藤井聡太さんが、この教育法を受けていたことで知名度が一気に加速し、モンテッソーリの教具が売れたのは記憶に新しいかと思います。
息子がモンテッソーリの教室から門前払いに!?
車で30分のところにあるモンテッソーリの教室へ見学へ行ったのは、息子が受講対象となる2歳8か月の時。小さな教室でしたが教具や設備は本格的に揃っているところでした。
先生から教具や教室の説明を受けている最中、息子は教具に興味深々。いつもは一点集中型の息子も、この日はいろんな教具に触れていました。(他の生徒はいませんでした)
その中で、息子は小さなビーズの器という教具を2度ほどひっくり返してしまいました。先生が少し怪訝な表情を見せたような気がしましたが、その日は見学を終え、翌日申し込みの連絡をしました。
ところが「息子さんはあまり教室にいたくない、というような印象を受けました。またお母さまが妊娠中(当時、筆者は妊婦でした)とのことで、移動中の影響も気になります」との理由から断られてしまったのです。
少し理由がしっくりこなかったので、ダメもとで出産後に再度、連絡をしてみました。
すると向こうから
「お子さんには合っていない」
「体操、水泳、サッカーの方が合っていそう」
「ママが入れたいだけでしょう」
などと散々な言われよう。驚きと戸惑いを隠せませんでした。
そして、この時初めて、見学の時からすでに向こうは受け入れをしたくなかったのだと理解しました。
見学時は、もちろん筆者も息子も失礼なことをした覚えがないので、先生の様子で思い当たるとしたら、教具を2度ひっくり返したことかと思います。
その教室の卒塾生は、私立の小学校へ行き、成績も上位の子が多いようでした。つまり進学塾でしたから、おそらく息子は落ち着きがないということで、その教室が求める生徒像に合わなかったのではないかと思います。
モンテッソーリ教育に「合わない子」は本当にいるのか?
先生の言い方はさておき、疑問に思ったのがモンテッソーリに「合わない」子がいるのか?ということでした。
モンテッソーリ教育はそもそも、知的障害児向けに生まれた教育法。英才教育をするためのものではなく、当時はむしろ多動で、落ち着かない子だっていたはずです。そして本で勉強した感覚でも、人を選ぶ教育法ではないと感じたので「合っていない」という言葉には違和感を覚えました。
ただ、そうはいってもこちらは素人。あるモンテッソーリの公式団体へ、このエピソードを問い合わせてみました。
すると、「モンテッソーリ教育は、大人がそれぞれの子どもを観察してその子のニーズに応えて、その子にとって必要な援助をしようというもの。そのため、初めからその子に合っているとかいないとか、そういう対応ではない」との回答でした。
また、見学したモンテッソーリ教室は、「小学校でも良い成績を収めてほしい」とお便りに書く教室でした。そのことについても、「本当にこのような子を集めようとしているのであれば、モンテッソーリ教育の趣旨に反するもの」との回答。
つまり、モンテッソーリ教育は「合わない」という問題ではなく、ましてその教室の募集に合う子を集めようとしているのは、モンテッソーリ教育ではないとの見解だったのです。
「モンテッソーリ教育」を謳うだけの幼児教室・塾は結構多い
モンテッソーリ教育を謳った幼児教室は他にも見学しているのですが、正直「モンテッソーリ教育と謳ってはいるが、実態はあまり関係のない幼児の能力開発教室」と感じたところも確かにありました。
モンテッソーリ教育が有名になったばかりに、マーケティングツールとして利用している教室も少なくないようです。
モンテッソーリ教育、って
— みなへい (@evergreeensmile) July 3, 2015
合わない子は合わないんだね…
それやってる園からの転園組が他の園に数名いるらしい…
自分で好きな教具を選び、集中できる環境だったからこそ、小学校に入ってから却って落ち着きの無さが目立ってしまったのでは?という声もあれば、モンテッソーリ園出身者は廊下は走らず、きちんと机に座っていられる良い子ばかりという声もあり、「なにが真実なの!?」と言いたくなってしまいます。
要するに、一概にモンテッソーリの教室といっても、その姿勢や特色には違いがあるので、「合わない」と思う時は、モンテッソーリ教育が合わないというより、その教室・園が合わないのかもしれません。