2024年10月10日 更新

【経験談】ペットの安楽死。あなたはその選択肢を考えたことがありますか?

“ペットの安楽死”と聞いて、あなたはどんなイメージや意見を持っていますか?今回、日本と欧米の安楽死事情の違い、そして先日、愛犬に安楽死を選択した筆者家族の経験談をお話します。

別れの時

我が家がお世話になった病院では、安楽死専用の部屋があり、ペットと家族は時間に縛られることなく、納得の行くまでペットと最後の時間を過ごすことが許されていました。家族が「いよいよ…」と思えたら、スタッフにその時を知らせることが出来るスイッチをオンにし、その知らせを経て、獣医が部屋にきて処置を施す流れでした。

クレアの最期の瞬間は本当に穏やかで、眠るように亡くなりました。4歳半の娘には、クレアの死の全てを理解することはできていませんでしたが、それでも泣きじゃくる筆者と主人を見て、私たちが悲しんでいることはしっかりと理解していました。

ちなみに、この日掛かった医療費(受診料・検査代・安楽死処置代・火葬費*)の支払い、事務手続きなどは、部屋に通された最初の段階で全て済ませるようなっていました。こうすることで、ペットが亡くなった後、悲しみに暮れる中で会計を済ませる必要がない配慮です。また、他のペットと飼い主さんたちが居る待合室を通って帰る必要がないよう、帰りは裏口から出してもらえる配慮もありました。

*火葬費用には、ペットの足型+ジェムストーン付きのメモリアルフレーム・遺灰を入れる木箱(文字彫刻可)も含まれていました。

筆者夫婦の安楽死観

クレアの仏壇

クレアの仏壇

仏壇の台として利用しているメモリーボックスには、クレアの遺品の全てが入っています。
筆者は無宗教。また、アメリカで生活しているから、その影響で安楽死を受け入れているというわけではなく、安楽死はペットの終末期において様々な選択肢の中のひとつであり、必要な選択肢のひとつでもあるという考えを以前から持っていました。

主人に至っては、幼少期から犬や猫と共に暮らし、その中で自然死を迎えたペットもいましたが、やはり病気・病気によるQOLの低下により安楽死(主人の両親と獣医の判断)で旅立ったペットが多く、飼い主の単なる勝手・都合による場合を除いて、筆者同様時に必要な選択肢のひとつと考えています。

今回、安楽死を決断した一番の要因は、言うまでもなく「クレアのQOLの低下」でした。膀胱炎の治療をして血尿が治ったとしても、強い痛み止めでも痛みをコントロール出来ていないクレアを生き続けさせるのは、あまりに酷だと思ったからです。

もちろん、愛するクレアに一分一秒でも長く生きていて欲しいと願う気持ちは溢れるほどにありました。でも、その願いと引き換えに、クレアにこれ以上痛みを強いるのは私たちのエゴでもあると…。安楽死を決断した直後、獣医から「この子、本当はあなたたちに見せていた以上に相当の痛みに耐えていたわよ」と言われた時、安楽死を選択したことに間違いはない…と確信しました。

クレアが旅立った今、彼女の存在の大きさを改めて日々感じています。この記事を書きながら、様々な思い出が蘇り、涙で何度手が止まったか数え切れないほどです。しかし、安楽死を選択したことに後悔は一切ありません。クレアにとって、最善の選択をしたと私たちは信じているので。

また、4歳半の幼い娘を安楽死の場に立ち合わせたことに関しても、私たちは後悔はしていません。私たちが教えたわけでもなく、仏壇に供えているおやつと餌を、写真の中のクレアに亡くなったその日から毎日欠かさずあげている娘の姿を見ると、全てを理解するには幼すぎても、娘なりに何かを理解しているのではないかと思います。

まとめ

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今回の記事を通して、「安楽死=殺す」ではなく、安楽死は愛するペットに対し、飼い主が最後にしてあげることができる愛情の証のひとつである…という考え方であることを理解、又は知って頂けましたでしょうか?

欧米では安楽死が当たり前に行われているのは事実ですが、中には安楽死に反対の人ももちろんいます。逆に、筆者も含め、日本人でも安楽死が時に必要な選択肢であると考える人も少なからずいるのもまた事実です。

我が家は愛犬に安楽死を選択しましたが、それが他の家族とペットにとっての最善の終末期とは限りません。ペットと家族の数だけ別れの形もあり、それぞれの家族が納得の行く選択をすることが、ペットにとってはもちろん、家族にとっても大切なことだと思います。また、ペットの終末期において、何が正解であって何が不正解であるということも筆者はないと思っています。

それと同時に、納得の行くペットの終末期を迎えるためには、ペットの病状や飼い主の気持ちをしっかりと理解し、適格なアドバイスをしてくれる獣医を見つけることも大切なことだと思います。獣医の対応に不信感を抱くことがあれば、別の病院を受診する勇気も必要かもしれません。

自然死であれ安楽死であれ、最愛のペットを失うことは本当に辛いものです。どんな形であれ、愛するペットのために悩んだ末に出した結論が、ペットにとっての最善の結論であると筆者は強く信じています。

皆さんのペットが、1日でも長く元気に愛する家族と時間を共に過ごすことができることを心より願っています。

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