ネントレで笑わなくなったという噂があるのはなぜ?
どうしてネントレで赤ちゃんが笑わなくなった、という噂が出てきたのでしょうか。それを説明するには、まず「サイレントベビー」という言葉について説明しなくてはいけません。
サイレントベビーとは、柳澤慧小児科医が著書の中で用いた言葉です。「表情が乏しく、笑わない、一見静かに見える赤ちゃん」のことを指します。
そしてその9年後、堀内勁小児科医の著書では、赤ちゃんの表情が乏しくなったのは、アメリカ式強制自立育児法が原因ではないかと述べられています。
これは、いわゆる、欧米で広く行われている「ネントレ」の一形態です。筆者自身もイギリス人のナニーによる、「ジーナ式」のネントレを試したことがあります。
そのため、赤ちゃんが自力で眠りに戻れるような習慣をつけるために、あえて放置をしているようです。
ネントレで赤ちゃんが笑わなくなる根拠はあるの?
小児科医が指摘した、ネントレと笑わない赤ちゃんについての著書は、25年以上前のものです。現在の研究ではどうなっているのでしょうか。
サイレントベビーと赤ちゃんの睡眠の因果関係を、ChatGPT(精度が高いバージョン4)に尋ねてみました。
以下の論文サイトから調べてほしいことを伝えています。
- Google scholar.
- CiNii.
- J-STAGE.
- 学術機関リポジトリ(IRDB)
- Unpaywall(アンペイウォール)
すると、ChatGPTの回答では、ネントレとサイレントベビーの因果関係を示す根拠はないという結論が出されました。
当然、AIが間違う可能性もあると考え、著者自身もCiNii.やJ-STAGE.にて論文を検索してみましたが、赤ちゃんの睡眠に関する論文はあるものの、確かに、サイレントベビーとの因果関係を示す論文は見当たりませんでした。
赤ちゃん自身が難しい研究対象であることから、単に研究が進んでいない可能性はあります。一方、ネット上では「ネントレで笑わなくなったのではないか?」という不安な声が見られるのは確かです。
しかし寝不足などの赤ちゃんの気分の問題や、親の不安から一時的にそう見えてしまう可能性もあるので、一概に因果関係を結論づけることはできないように思います。
そこで次のページでは、筆者が実際にネントレを実践した時の体験談についてご紹介します。