2020年1月17日 更新

自尊心を傷付けない。子どもの心に届く効果的な叱り方

真剣に向き合えば向き合うほど、「ああしなさい」「こうしなさい」とつい口うるさくなってしまいがち。感情に任せて怒りをぶつけない、効果的な叱り方について紐解いていきます。

「怒る」と「叱る」の違いって?

「怒る」と「叱る」はどこか似ているようですが、その意味は全く違うものです。
おこ・る【怒る】 の解説
[動ラ五(四)]《「起こる」と同語源。感情が高まるところから》
1 不満・不快なことがあって、がまんできない気持ちを表す。腹を立てる。いかる。「真っ赤になって―・る」
しか・る【𠮟る/×呵る】 の解説
[動ラ五(四)]目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる。「その本分を忘れた学生を―・る」

つまり、

【怒る】・・・怒りの感情をそのまま外に爆発させること
【叱る】・・・相手によりよい方法を教示すること

「自分は怒っているという事実を相手にただただ知らせる」といったネガティブな行動の「怒る」に対し、「叱る」は「いけないことを指摘し、相手に別の行動をするように導く」といったポジティブな意味合いになります。

「感情的に怒られる」そのとき、子どもって?

例えば、「今日はここまで遊ぼうね」と時間を決めたにも関わらず、約束の時間になっても子どもがおもちゃを片付けなかったとします。

その際、

「片付けるって約束したでしょ!」
「話をちゃんと聞いていたの!?」

と、感情にまかせて怒ってしまうと、自分の価値や存在意義を肯定する【自己肯定感】や、場面に合わせて必要な行動をうまく自分は遂行できるんだと認める【自己効力感】を子どもから奪うことに繋がることがあります。

さらに、子どもは親の問題解決能力をそのまま取り入れると言われているため、

「困ったことを解決するにはこんな風に大きな声を出せばいいんだ」
「嫌なことがあったらこんな風に叩けばいいんだ」

と学習し、例えばお友達との問題を解決する場にもそれを応用してしまうことも。

「叱る」とき、これは控えています

1.過去のことを持ち出す

「あの時もそうだったし、毎回どうしてこうなるの」「いつもいつもできないわね」など、過去にしてしまった失敗を持ち出すと、「また上手くできなかった」「この先うまくできる気がしない」と、成功に向かって挑戦する気持ちがしぼんでしまうことに。
2.別の欠点を並べる

「何をやらせてもダメなんだから」「いつも話を聞かないもんね」など、その時に叱りたい対象とは別の話を持ち出すと、結局何が悪かったのか、何を直せばよいのかが分からず、子どもはかえって混乱してしまいます。
3.全否定する

褒められたら嬉しいし、貶されたら悲しい。大人がそうであるように、もちろん子どもも同じですよね。「なんて悪い子なの」「ダメな子だね」と自分を全否定されるような言葉は、子どもの心に深いダメージを与えます。同時に、自分以外の誰かの小さな失敗も受け入れにくくなる傾向も。

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この記事のライター

梅田ミズキ 梅田ミズキ

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