2022年3月16日 更新

子どもの「感覚過敏」について知ってほしい!学校や幼稚園の先生への伝え方は?

五感が鋭く、日常生活や集団生活で困難を感じる「感覚過敏」。感覚過敏のある我が子がどんなことで困っていたか、その時に筆者のとった対処法・使用アイテム・先生への伝え方についてまとめました。

嗅覚

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娘はパッケージに入った洗剤でも匂いを感じ、気持ち悪くなってしまいます。そのため、ホームセンターやドラッグストアの洗剤売り場などには立ち入ることができません。シャンプーや石鹸、食品なども、受け入れられない匂いの物が多いのでなかなか大変です。

<対処方法>

洗剤などはネットスーパーで購入し、やむをえず店舗で買わなければならない時には離れた場所で待っていてもらっていました。シャンプーや石鹸はずっと同じものを使っています。食品は、無理せず食べられるものだけを食べてOKということにしました。

味覚

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我が子は、小さい頃は偏食で小食でした。まず、主食であるお米が好きではありませんでしたし、おかずも食べられるものを探すのが難しいくらいで、魚も野菜も苦手な物ばかりだったのです。味付けも、味が濃いと食べられず、ケーキやプリンといった甘いものは少し食べると「もういらない」と言っていました。

<対処方法>

食べられない物は、調理法や味付けを変えて一応娘の皿にも盛り付けていました。無理強いして食べさせることはせず、残したいと言ったら残させていましたが、本人がチャレンジしてみて食べられるものが増えることもあったからです。

例えば、きゅうりをスライスした物は食べられませんが、乱切りであれば美味しいと感じると言っていました。また、炒めたナスは苦手ですが、お味噌汁や揚げ物だと喜びます。そうして少しずつ食べられるものを増やしていき、小学2年の現在では随分食べられるものが増えました。

逆に、ヨーグルトなど以前は食べられていたのに食べられなくなったものもありますが、「そういうものだ」と受け入れています。味の濃いものもずいぶん受け入れられるようになり、プリンやケーキも完食するようになりました。しかし、辛い物は相変わらず苦手なため、給食でカレーや豚キムチが出る時は大変だそうです。

検査方法

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感覚過敏かどうかや、感覚過敏の程度を知ることのできるテストがあります。「SP感覚プロファイル」といい、検査方法は保護者などお子さんのことをよく知っている人が質問に答えて、検査者に集計してもらいます。

筆者の場合は、「JSI-R」という検査を療育先の先生に薦められて受け、先生に集計してもらいました。こちらはチェックシートであり、あくまで目安としてとらえるものだそうですが、無料でダウンロードできるので試してみても良いと思います。

「娘には味覚や触覚に感覚過敏があるだろう」とは思っていたのですが、解答を埋めていくうちに、聴覚などの今まで気にしていなかった感覚も実は過敏だったと気付きました。結果はほとんどの感覚で過敏度が最高ゾーン。筆者は娘の感覚を否定せずに意思を尊重して過ごしてきた方だと思いますが、大変さを100%は理解していなかったので、傷付けることがあったのではないかと少し落ち込みました。

もっと早く感覚過敏の検査を受けていれば、幼稚園に検査結果を提出して理解を求めることができたかもしれないと後悔もしています。

▼「SP感覚プロファイル」についてはこちら

▼「JSI-R」についてはこちら

幼稚園や学校の先生への伝え方

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幼稚園や小学校などの集団生活では、感覚過敏を理解してもらえず、我慢させられることが多くあると思います。その場合、どうしたら良いのか?筆者の経験と共にご紹介します。

幼稚園では、我が子にとって苦手な活動や行事がたくさんありました。例えば、我が子通っていたの幼稚園では、手に絵の具を着けて手形を押して工作をすることや、絵の具を手につけてあちこちに触る「ボディペインティング」をすることがあります。他のお子さんにとっては楽しくて教育的に良い活動だと思いますが、我が子にとっては不快で辛いイベントです。

そのため、ボディペインティングは欠席し、工作は免除をお願いしました。コンディションが良ければ取り組めることも、ちょうど登園渋りがあるけれど頑張って通っていた時期なので無理だと判断したからです。しかし、筆者のいない所で先生が娘に「できるよね?」と押し切ってしまったため、娘は断れずに絵の具を手に付ける工作をして、ますます幼稚園を嫌がるようになってしまいました。

また、「他のお子さんがちょっとぶつかっただけで、娘さんが『痛い!』と大きな声を出したんです」と先生から苦情を言われることもありました。この時はまだ我が子が検査を受ける前で、はっきりと感覚過敏だとは分かっていませんでした。

「我が子の感覚はそういうもの」と分かっていましたが、先生に理解して頂くことは難しく、謝罪して終わりにしたことをよく覚えています。筆者が謝って済ませて楽した結果、我が子が当たり屋のような悪い印象を持たれて、その後に先生から辛い思いをさせられたことは後悔しかありません。

しかし、その後様々な経験を経て、幼稚園や学校などの公的な機関には、検査結果や診断書を渡すと要望を通してくれると分かったのです。小学校入学後も「給食を残す・残さない」で先生と意見が分かれて大変だったことがありますが、検査結果を提出するとすんなりと意見を通してもらうことができました。先生方が心から感覚過敏を理解できなくても、「保護者の思い込みではない客観的な証拠」があれば、無理強いをすることはできないのかもしれません。

ですから、感覚過敏のあるお子さんは学年が変わって最初の書類を提出する時に、検査結果と共に苦手なことを詳細に記して担任の先生に渡すこと、最初の個人面談でそのことについて伝えることをオススメします。

それでもどうしても担任の先生に理解してもらえない時には、お子さんに我慢させるのではなく、立場が上の先生や心理に詳しいスクールカウンセラーに相談して協力してもらうと良いでしょう。

まとめ

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感覚過敏について、知って頂くことができたでしょうか?

この記事では我が子のケースについてまとめましたが、色々な感覚過敏の出方があります。例えば、「味が混ざるのが嫌で、ハンバーガーを分解して食べる」お子さんがいるという話を聞きました。事情を知らなかったら、「お行儀が悪い」とか「変だ」とか言ってしまいそうだと思います。

しかし、感覚過敏に限らず、人は人それぞれの感覚と事情を持っているもの。そのことを忘れず、人を思いやることができれば、相手を決めつけで傷付けることは回避できるはずです。筆者は、最も身近にいる子ども達にも、一期一会の見知らぬ人にも、そのことを忘れずに接していきたいと思っています。

今、感覚過敏を持つお子さんを育てているママ達は大変なことも多いと思いますが、あまり悩みすぎないで下さい。筆者は我が子が成長するにつれて、だんだんと感覚が変化していったと感じました。食べられるものが増えましたし、疲れやすさも少しずつ改善していっているからです。

ですから、辛いものからは遠ざけて過ごしたり、必要なことであれば少しずつ慣れるように工夫をしたりしていけば大丈夫だと思います。ずっとそのままではなく、少しずつ過ごしやすくなっていくはずですから、頑張りすぎずに子どもの感覚過敏と大らかに付き合ってあげましょう。

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へびいちご へびいちご

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