2016年12月12日 更新

読書感想文にもおすすめ!親子で考えよう~平和について考える絵本~

夏になると、広島、長崎の原爆忌、終戦記念日などをきっかけに戦争と平和について考える機会が増えませんか?子供と一緒に平和って何?とお話しできるような絵本をご紹介します。

土家由岐雄/作 武部本一郎/画

土家由岐雄/作 武部本一郎/画

太平洋戦争の末期、上野動物園では、爆撃により猛獣たちが街に出てしまうのを防ぐため、さまざまな動物たちが殺されました。

ライオンも、トラも、ヒョウも、クマも、ダイジャも…

そしていよいよ3頭の象も殺されることになったのです…。
子どもたちにとって身近な「動物園のぞうさん」を通して、戦争の虚しさ、悲しさを伝えてくれる「かわいそうなぞう」。以前は教科書にも載っていたそうで、読んだことがある、またはご存知の方も多い本ではないでしょうか。

直接的な戦闘シーンは出てこないのですが、弱りゆくぞうたちの絵は、読んでいて胸がつまります。こんな悲しいことがおきない世の中であってほしいという気持ちが自然とわいてくる絵本です。
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大切に育ててきた象達の弱りゆく姿を見届けなければいけなかった飼育員さんたち。

彼らの悔しさ、悲しさもとても伝わってきます。

まちんと

松谷みよ子/作 司修/絵

松谷みよ子/作 司修/絵

すこし むかし ちいさな子が
もうじき 三つになる子が

広島に すんでいて
昭和二十年八月六日の朝
げんしばくだんに
おうたげな…
表紙からして、なかなか手に取るのが勇気がいる『まちんと』。

舌足らずな可愛らしいしゃべり方をする小さな子供まで容赦なく巻き込まれる戦争の現実を描いた絵本です。

作者は「いないいないばぁ」、「ちいさいモモちゃんシリーズ」などで知られる松谷みよ子さん。大学生の時、サークルで松谷みよ子さんをお招きして講演会を開くことになった時に、初めて読んだ絵本です。

大学生ですら「怖い」「夢に出そう」という感想が出てくるほど、原爆の描写をしっかり描いている絵本です。(それでもまだマイルドな部類に入ると私は思いますが)読まれる時は親子ともに注意していただきたいのですが、うちの子どもたちは意外と怖がらずに読んでいました。

人々の命を奪う炎が恐ろしくも美しい絵で表現されています。

松谷みよ子さんの童話『ふたりのイーダ』、『私のアンネ・フランク』も平和を考えるのにおすすめです。
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亡くなった女の子の魂は鳥になります。

いまでも「まちんと、まちんと」と言いながら飛び続けているのかもしれません…。

おこりじぞう

山口勇子/原作 沼田曜一/語り 四国五郎/絵

山口勇子/原作 沼田曜一/語り 四国五郎/絵

笑った顔して、町のよこちょうにたっていたお地蔵さんは、八月六日原子爆弾をうけ、爆風でふきとばされた。

そんなおじぞうさんのところへ、ぼろぬののようになった小さな女の子がやってきて…。
私の人生の中の「ベスト・オブ・トラウマ絵本」の『おこりじぞう』。実家の本棚にさりげなく置いてありました。

文章も、絵も、リアルな原爆の被害を真正面から表現していて、本当に怖いです。

でも、何よりインパクトがあるのが『笑顔のお地蔵さんが仁王様の顔に変わる瞬間の絵』。もう、一生忘れられないです。

まるでその場にいたかのように、戦争の恐ろしさを表現している絵本だと思います。
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こんなに優しいお顔のお地蔵さまが…。

まとめ

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むっく むっく

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