2021年2月27日 更新

絵本は子供だけのものじゃない!パパやママにこそ読んでほしい絵本3選

良い絵本は、大人が読んでも素晴らしく、心に響くものです。司書資格を持ち、学校図書館司書の経験もある筆者が大人にこそ読んでほしい絵本をご紹介します。

せかいでいちばんつよい国

せかいでいちばんつよい国|デーヴィド・マッキー

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せかいじゅうの人びとをしあわせにするためにせかいじゅうをせいふくした、ある大きな国のだいとうりょうのおはなし。
大きな国の大統領は強い兵隊をしたがえて次々戦争をしに行き、次々と征服していきます。最後に残ったのはとっても小さい国。ところがこの国には兵隊がいなくて、戦争をしにきたはずなのに、なんだか歓迎されている雰囲気…。さて、この小さな国を征服することはできたのでしょうか?

最後、自分の国に帰った大統領が、息子にあの小さな国の子守歌を歌ってあげる場面は、何度読んでもぐっと来ます。筆者が怖いなあと思うのは、大きな国の人々は、自分達の暮らしが最高の暮らしだと固く信じていて、「世界中の人々を幸せにするため」にほかの国を征服しようとしているところです。

実際に起きた戦争という過去の過ちへの作者の強いメッセージを感じます。‟強い”ってなんだろう。そんなことを考えさせてくれる絵本です。

空の絵本

空の絵本|長田 弘

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詩人・長田弘が生みだした美しいことばの粒。かけがえのない一日一日の鮮やかさ。絵本作家・荒井良二がかみしめ、味わって、一枚一枚の絵に描ききった珠玉の一冊。
いつも当たり前のようにある「空」。くもり空から雨になり、雨があがって、日が暮れて、夜になって…と、一日の空の移ろいが、その場の空気感さえも感じられるような絵と言葉で綴られています。筆者は特に、雨あがりのページと、夜空のページが大好きで、何度でも開いてしまいます。

詩人の長田弘さんと画家の荒井良二さん。東北地方ご出身のお二人が、2011年、東日本大震災の年に出版された絵本です。移り変わる空の絵に圧倒され、「だんだんと」優しく紡がれる言葉。読み終わった時、子どもたちとゆっくり空を見上げたくなります。何度でも読みたい1冊です。

このお二人の「水の絵本」も、美しい言葉と絵をかみしめることができてとてもおすすめです。

おおきな木

おおきな木|シェル・シルヴァスタイン

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いつでもそこにある木。成長し、変わっていく少年。それでも木は、少年に惜しみない愛を与え続けた・・・何度でも読み返したい、シルヴァスタインのロングセラー絵本
きっとこの絵本を読むパパやママは、木のほうに感情移入してしまうと思います。今、朝から晩まで私にひっついてくれる我が子たちは、すぐに大きくなり、私の手を離れて走り出していきます。ずっとママといたい、とは思わなくなり、もっと違うものを求めてくるでしょう。

私はこの木のように、いつまでもいつまでも無償の愛を注げるだろうか。そんなことまで考えてしまいます。読み手により受け取り方が変わる本です。

こちらは村上春樹さんの訳で2010年に出版されましたが、原作の「The Giving Tree」はかなり前の本で、日本語訳ではほんだ きんいちろうさんの訳で1976年に出版されています。ほんださんの訳と村上さんの訳は少し違うので、図書館や中古でほんださん訳のほうを見つけた方はぜひ読み比べてみて下さい。原作の英語もそんなに難しくないので、原作のほうも機会があればぜひ。

まとめ

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三冊とも、読む人や読む環境により様々な解釈ができる絵本です。筆者は、子どもの頃はもちろん、大学時代のゼミの研究や、学校図書館司書をしていた頃など大人になってからもたくさんの絵本を読みましたが、その頃に読んだ絵本を母親になってから読むと、また違った読み方になったりもします。

良い絵本は、心の栄養です。お子さんのために絵本を読むのは素晴らしいことですが、ぜひパパやママご自身のためにも「お気に入りの一冊」を見つけてみませんか?

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月とレモン 月とレモン

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