就学相談(発達・知能検査)を受ける
ちなみに、本来幼稚園の年中さんに通う年齢ですが、娘は幼稚園には通っていません。我が家が住むアメリカでは、年長さんからが義務教育になっていることと(※州によって違うこともあります)、我が家では娘をホームスクールすると決めたこともあり、そのことに関しても、この検査で教育者の意見を聞く良い機会となりました。
予想外の検査結果!
■言語能力について
現在、医療観点から見たスピーチセラピー(言語療法)を受けている娘ですが、特別支援級では教育的観点から見たスピーチセラピー(※詳しい内容までは分からないのですが、医療観点とは全く違うアプローチだそうです)のサービスも必要に応じて提供しているとのこと。
しかし、娘には「必要ナシ」という診断。確かに、同じ年齢の子供と比べると、言葉の遅れがあるのは明らかではあるものの、娘の「環境」を考慮したとき、この遅れは納得のいくものであるとのこと。この「環境」のひとつは、バイリンガル環境であること。そして、もうひとつは、家族(筆者と主人)以外と基本接触する機会がないというものです。
■知能検査
総体的評価で、娘は同年代の子供より知能指数が高い(年齢より2学年上)という評価を受けました。数字や文字、地形など、特に記憶することに力を発揮しているようです。
これは、元々娘が記憶することが比較的得意であったことと、3歳7ヶ月からものは試しで始めた、学習タイムが功を奏したのでは…と、思っています。学習内容に関しては、後ほど詳しくお話しようと思います。
■行動観察
集中力を発揮する一方で、興味がよそに行ってしまうと、他のことを忘れてしまう傾向が強いとのこと。別の言い方をすると、ひとつのことにしか集中できないということでもあります。
じっと座っていることができない(直ぐに椅子から立とうとする・座っていても体のどこかを常に動かしているなど)、動き回るなどの多動性が非常に強い。
■アスペルガー症候群の可能性の示唆
医学的に高機能自閉症の診断を受けている娘ですが、今回の検査を通して、教育のプロの見解では「アスペルガー症候群」の可能性が非常に高いと示唆されました。
アスペルガー症候群は、一般的に自閉スペクトラム症の特徴・特性を持つものの、「言葉の遅れがない」というのが、高機能自閉症との大きな違い。
娘は、この言葉の発達に遅れがあるのは事実で、この見解は意外なものでしたが、先にお話した「環境」を考慮したと考えると、「なるほど…」とも思える見解でした。
■ホームスクールが向いている
ホームスクールが子供の教育の選択肢として認められているアメリカですが、教育に携わる立場の人から言わせると、やはり学校が提供する教育に勝るものはない…という考えが多くあるのもまた事実です。 そんな中、6人全員が異論ナシで「娘さんは、学校という場での勉強には向いていません。ホームスクールが、彼女にとって最高で最適の環境です!」と断言。 しかし、娘に欠けているソーシャルスキルを少しでも身に付けるためには、ホームスクールのコミュニティの中で、同じくホームスクールの子供たちのための課外活動に参加し、そこで少しでも同年代の子供と触れ合う…ということを勧められました。■特別支援を受けられない!
全ての結果を総体的に診断した結果、現段階では娘は「スペシャルニーズのプログラム(特別支援)」を受ける必要がない(受けるに値しない)という判断でした。これが意味することは、仮に娘をホームスクールではなく、学校に通わせるとなるとき、「普通級」に通わせるということです。
この診断に、筆者夫婦はかなり驚いたというのが本音です。私たちは、娘自身が「他の子みたいに、学校に通いたい!」と言えば、そのときはホームスクールを辞め、学校へ通わせるつもりですが、「普通級しかチョイスがない」というのは、果たしてどうなのかな…とも、思っています。
発達障害児が特別支援級、普通級どちらに通うか。これはどちらの場合でもメリット・デメリットがあると思うので。とはいえ、娘の発達状況は日々変化しますし、その日(学校に通いたい日)が来るかも今はまだ分からないので、この点については、臨機応変に対応したいと思っています。