2019年3月13日 更新

ココロもカラダも変わりはじめる“10歳”の女の子のイマを切り取る『10歳キラキラ白書 2019』

10歳女子が描く、結婚観・仕事観と、それに及ぼす父親の影響について意識調査を実施。 そこから見えてきたココロもカラダも変わりはじめる“10歳”の女の子のイマとは

性役割観のもうひとつの側面。10歳女子の「ジェンダー意識」を紐解く

これまでの頁では、性役割観の「性別役割分業(例:結婚して子どもをもっても仕事は続けていきたい)」という観点から10歳女子の結婚観・仕事観を分析してきましたが、性役割観のもうひとつの側面である「ジェンダー意識(例:女の子は丁寧な言葉遣いをした方がよいなどの「○○らしさ」)」についての結果を紹介します。
10歳女子は「女の子らしさ」の意識が高い傾向に。

10歳女子は「女子は男子よりも丁寧な言葉遣いの方が良い」と思うが 7割以上(71.6%)、「女子は男子よりも料理が上手に出来た方がいい」と思うが8割以上(85%)、「男子は男らしく、女子は女らしくするのが良い」と思うが過半数以上(57.7%)という結果になりました。
10歳女子の約 3 割は化粧、約 7 割は恋をしている。

10歳女子は、周囲の様々な人から「女の子らしくしなさい」と言われています。

10歳の女の子のイマを切り取る

【将来の夢】なりたい職業 No.1は保育士・幼稚園の先生

将来なりたい職業を聞いたところ、1位は「保育士」・「幼稚園の先生」という結果になりました。
【恋愛】理想の結婚年齢は25歳。平均は 24.8歳

理想の結婚年齢は25歳。10歳女子回答者の理想結婚年齢を平均すると 24.8歳で、昨年よりも 1.6歳上がっている結果となりました。
【好きな色】女の子が最も好きな色は黒。意外にもピンクはランク外。

10歳女子の好きな色は「黒」という結果になりました。また「水色」、「白」などクリアな印象の配色も好む傾向が強いようです。ピンクは5位でした。

小野寺敦子先生解説!今回の「10歳キラキラ白書 2019年版」で明らかになったポイント

1. 今回の調査でとりあげた性役割観の2側面、「性別役割分業」と「ジェンダー意識」の形成には、それぞれ異なる要因が関係していることがわかりました。

①10歳女子の非伝統的役割分業意識(例:結婚して子どもをもっても仕事は続けていきたい)に影響を与えていたのは、「父親の家事参加」と「母親が仕事をしていること」でした。お母さんが仕事から帰ってきて忙しくしていると、お父さんが夕飯の準備をしたり風呂掃除などを自ら積極的にやっている姿を、幼い時から見て育つと、男女の家事分担は当たり前だという考えが女子の中に育ってくると考えられます。

②「ジェンダー意識」(例:女の子は丁寧な言葉遣いをした方がよいなどの「○○らしさ」)には、上記の「父親の家事参加」や「母親が仕事をしている」ことは関連していませんでした。しかし女の子らしくすることを心がけている 10歳女子は、小さな頃からお人形遊びやままごとなど家の中での遊びをよくしていました。

またこの「○○らしさ」得点の高い女子は、「化粧をしている」「恋をしている」という項目からなる「おませさん得点」が高い傾向がありました。お母さんやおばあちゃんといった周囲の人から「女の子らしくしなさい」と言われることが、ジェンダー意識の形成に影響を与えているようです。


2. かつて女の子には赤かピンク、男の子には青か黒といった色のステレオタイプがありましたが、今どき女子が最も好きな色として選んだのが「黒」「水色」「白」でした。そういうモノトーンの色が好きな女子には、女だから・男だからいう考え方はもはや通用しなくなってきているようです。

3. 10歳から16歳女子の中で10歳女子が一番お父さんとのコミュニケーションが高く、その後、低下していました。そして父親とのコミュニケーションがよくとれている10歳女子ほど「自分のカラダが好き」「毎日が楽しい」と回答していました。小野寺のこれまでの研究でも、父親は娘の異性観・結婚観やキャリア意識にも影響を与えていることが明らかになっています。お父さんたちも娘とのコミュニケーションの大切さを再認識してほしいと思います。
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