2016年12月9日 更新

親も子どもも心にとどめておきたい『ぼちぼちいこか』な心意気

子どもは笑い、大人はなんだか癒される絵本『ぼちぼちいこか』。何をやっても上手くいかないかばくん。チャレンジし続けても失敗ばかりのかばくんが出した結論は…?

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何をやっても上手くいかないかばくんが挑戦を続ける姿を描いた絵本『ぼちぼちいこか』。

私は高校生の時の家庭科の授業で、先生に読んでもらって初めて知りました。

子どもに読むと大笑いするけれど、大人が読むとなんだか励まされるという不思議な魅力がある絵本、『ぼちぼちいこか』の面白さをご紹介します。

絵本『ぼちぼちいこか』とは?

作者

マイク・セイラー作、ロバート・グロスマン絵、今江祥智(いまえよしとも)訳

あらすじ

重量級かつ、ちょっと不器用なカバくんがいろんな仕事に挑戦します。
「ぼく、消防士になれるやろか。」―――「なれへんかったわ。」
「船乗りはどうやろか。」と意気込んでも「どうもこうもあらへん。」
「ピアニストになるちからはー ありすぎやったな。」

他にも、パイロットにバレリーナにカウボーイ…色んな仕事にチャレンジしてみるものの、あえなく失敗。

「どないしたら ええのんやろ。」と途方にくれたカバくんは、ここらでちょっとひとやすみ…。
「ま、ぼちぼちいこか ― ということや。」
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ぼく、しょうぼうしになれるやろか
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なれへんかったわ

『ぼちぼちいこか』の魅力

関西弁がかもしだす独特の「おかしさ」

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ま ぼちぼちいこか ― ということや。
この本の特徴は文体が「関西弁」であることです。

原題は『What can a hippopotamus be?』というのですが、もし、この本のタイトルが『かばくん何になれる?』や『ちょっとずつ進もうよ』みたいなタイトルだったら第一印象がだいぶ変わるのではないかと思います。

翻訳者の今江祥智さんは『ぼんぼん』などの著書で有名な児童文学者なのですが、すごくセンスのある翻訳だなあと思います。

言葉遊び的なことも取り入れていて、声に出して読んでいると、思わず吹き出しそうに…。内容と関西弁の響きやニュアンスが絶妙にマッチしているんです。

突っ込みいれたくなるかばくんの様子も、なんだか吉本新喜劇をみているようです。

子どもには「笑い」、大人には「癒し」

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うちゅうひこうし、

ひこうできず…。
『ぼちぼちいこか』は現在4歳の三男もお気に入りで、よく「読んで~」とリクエストされます。笑いながら読んでいます。次男も幼稚園で先生に読んでいただいたようですし、文章自体はとても短いので2歳くらいからでも楽しめるかもしれません。

私が千葉に引っ越して、小学校での読み聞かせボランティアを再開した時に再開第一弾として四年生に向けてこの絵本を読みました。

四年生への読み聞かせの選書って難しいです。本が好きな子と読まない子の落差が激しいですし、反応も薄い…。

私の母語が関西弁なので、自己紹介も兼ねて、という思いもあったのですが、「笑ってほしい、楽しんでほしい」を願ってこの絵本を選んだんです。それと、私の高校の時に家庭科の先生がこの絵本を読んでくれた、ということも頭にありました。

笑える絵本ではありますがこの本の根底にあるテーマは、「あきらめない心」だと思うんです。

人生の中には、頑張っても頑張っても報われなかったり、壁にぶつかったりと、それこそ「どないしたらええのんやろ」と立ちすくんでしまう場面にでくわすことってありませんか?

そんな時に、ちょっとひとやすみをして「ま、ぼちぼちいこか、ということや。」と考えることってとっても大事だと思うんです。

「ぼちぼちいこか」はあきらめの言葉でも逃げの言葉でもありません。「今は少しずつだとしても、前に進もう」という前向きな言葉なのです。

家庭科の先生は、勉強や部活などで様々な挫折も味わい始めた多感な高校生の私たちに、そんなことを伝えたかったのかな、と大人になってこの本を読んで気づきました。なので、人間関係や勉強も少しずつ複雑になってきた四年生のみんなにこの本を読みました。

最初はシーンとしていた教室にだんだんと笑いが広がり、みんなが興味をもって聞いてくれているのが伝わってきて、私もパワーをもらえました。

みんなもいつか、この絵本の本質に気づいてくれるかもしれない。(多分四年生の時点で気づいている子も多いでしょう。)いつか「どないしたらええのんやろう」な場面に遭遇した時に、「ぼちぼちいこか」という考え方もあることをチラッとでも思い出してくれたら嬉しいなと思います。
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税込¥1,296
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むっく むっく

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