香川県の郷土料理「ばら寿司」
筆者は香川県の中讃(ちゅうさん)地域出身です。香川県では、春・秋のお祭りや、冠婚葬祭などに「ばら寿司」を食べるご家庭が多く、筆者も母の作るばら寿司を食べて育ちました。香川県は水不足の県として有名ですが、昔から米の収穫量が少なく、ばら寿司は「ハレの日」のおごちそうとして食べられてきたそうです。
香川県のばら寿司は、合わせ酢の酢飯に細かく煮た具を混ぜこむもの。同じ香川県内でも、地域によって違うところもあり、具も季節によってたけのこを入れたり、里芋を入れたりするご家庭もあるようです。同じ「ばら寿司」という名前でも、岡山県や、京都府丹後地方ではまた違った料理のようで、サバのそぼろを使うという丹後地方のばら寿司をいつか食べてみたいなと思っています。
ぜひこの郷土料理を次世代に、また他県にお住まいの皆様にも伝えていきたいと思い、実家の母が祖母から受け継いだ「ばら寿司」を筆者も母に習いながら作ってみましたのでご紹介します。
作り方をご紹介します!
今回、お米は五合炊きました。筆者の実家のレシピでは、具は人参・干し椎茸・高野豆腐・れんこん・ゴボウ・油揚げ・こんにゃく・小海老です。まず、干し椎茸と高野豆腐を水で戻します。ゴボウはささがきにして、小海老以外の具材を全てみじん切りにします。椎茸の戻し汁は、後でこれらの具を煮る際に使用するため、取っておきます。
具材を煮ていきます。煮汁の分量は、椎茸の戻し汁200ml、水200ml、顆粒だし4g、みりん小さじ1です。ゴボウと小海老以外の具材をまず煮ます。(ゴボウは風味が飛んでしまいますし、小海老はかたくなってしまうため、後から入れます。)
沸騰したら、砂糖小さじ3、醤油小さじ2で調味します。調味後、小海老を入れて、小海老に火が通ったらゴボウを入れて、蓋をして具が柔らかくなるまで煮ます。
具を煮ている間に、合わせ酢をつくります。お米5合分に対しての分量は、酢100ml、砂糖125g、塩15gです。これらをよく混ぜ合わせておきます。この合わせ酢でご飯に味付けするので、具の味付けは薄めで大丈夫です。具が柔らかくなったら、ざるなどに開けて煮汁を切っておきます。
ご飯が炊けたら、合わせ酢を混ぜ合わせます。うちわであおいでツヤを出し、煮汁を切っておいた具をまんべんなく混ぜ合わせます。そして薄焼き卵を細長く切って、金糸卵を作っておきます。