イタリアの公立病院なら初診から出産まで全部無料!!
妊娠・出産を考えた時に、経済的な不安を感じる人もいるかもしれません。
イタリアでは、公立の医療機関で出産する場合、なんと入院・出産費用が無料!
基本的な妊婦健診や出生前診断も無料で、妊娠・出産に関して、とにかくお金がかからないのです。
筆者はイタリアで3回出産を経験していますが、公立の病院を利用したので、入院・出産がすべて無料でした。
もちろんプライベート診療など、国の医療システムを介さない場合は、自己負担です。
筆者も第一子を妊娠中は、プライベート診療を選択したため、毎月の健診は自己負担でした。それでも、最終的に公立病院で出産をしたので、入院・出産に関する出費はゼロです。
プライベート診療のメリットは、仕事に支障が出ないよう、平日の夕方や土曜日の午前中に健診が受けられること。
第一子を授かった時はフルタイムで仕事していたため、健診日時に融通がきくプライベート診療が、都合が良かったわけです。
仕事の都合や、特定の医師にかかりたいなどの希望がなければ、公立の医療機関でもまったく不便は感じられません。むしろ毎月無料で診察をしてもらえるのは大変ありがたいことです。
このように、イタリアでの妊娠・出産は、公的医療機関を受診すれば、初診から出産まで、毎月の血液検査(一部自己負担を除く)なども含めて、一切お金がかからないのです!
無料で産めてうらやましい!・・・と思うかもしれませんが、すべて国民が納める税金から支払われていることを忘れてはいけません。
自由に動けるフリースタイル出産
いざ出産の時を迎えると、陣痛から分娩までを12畳ほどの広さの部屋で過ごします。日本では、陣痛から分娩、産後の回復までを行う部屋を「LDR」と呼ぶそうです。
イタリアでは一般的に、異常分娩でなければ自由に動いて自分の楽な体勢で挑めるフリースタイル出産を採用しています。
そして、基本的には妊婦とそのパートナーの2人きりにされ、医師・助産師は定期的に確認に来ますが、常に部屋の中にいるわけではありません。
こうしたスタイルは、よりプライベートな空間をつくり上げ、父親となるパートナーも当事者として出産に参加できるメリットがあると感じました。
部屋には一般的な分娩台のほかに、バランスボールや体重をかけて引っ張れるような綱があり、好きなように動き回ることができます。
実際には、陣痛の強さを図る機器をお腹に巻きつけていたので、思うようには動けなかったというのが正直な感想です。
母子同室で入院期間は2泊3日
無事に出産を終えてほっと一息……なんて束の間、イタリアでは母子同室が一般的です。
疲れたからちょっと寝かせて!なんて母親の思いをよそに、母子ともに健康状態に問題がなければ、出産当日から母子同室での育児がスタートします。
出産直後で疲れている中での母子同室は辛い、という声もあるようですが、筆者自身は産まれて間もないわが子を眺められて、深い幸せを感じました。
2人部屋での母子同室だったため、泣き声や夜中のおむつ交換などに気を使いましたが、そこはお互い様です。
そんな入院生活ですが、長くは続きません。
基本的に、入院期間は2泊3日。筆者が出産した病院では、14時より前に出産すると当日を含め2泊、14時より後だと当日を含め3泊というルールでした。
日本では1週間ほど入院すると後から知り、とても驚いたことを覚えています。ただ、一日も早く自宅に帰りたいと思っていた筆者にとって、2泊3日はちょうどよい期間でした。