前回の記事では、外来生物の基礎知識をお話しました。生物の多様性など、様々な観点から、小学校低学年〜高学年まで幅広く調べ学習のテーマにしていただけると思います。夏休みの研究課題などで取り上げるとなると、やはり参考となる書籍やサイトがあると取り組みやすいですよね。そこで今回は、外来生物の調べ学習にオススメの参考書籍や、子ども向け学習サイトをご紹介します。
▼「外来生物」の問題を正しく知ろう①基礎知識編
夏休みの研究課題にも!「外来生物」の問題を正しく知ろう①基礎知識編 - 元気ママ応援プロジェクト
2017年、環境省が注意を呼び掛けた「ヒアリ」は記憶に新しいと思います。今回は外来生物とは何か、外来生物の何が問題なのか、などの基礎知識をまとめます。お子さんの夏休みの研究課題にもいかがでしょうか?
外来生物はなぜこわい?① 外来生物ってなに?
外来生物ってなに?|小宮 輝之
¥3,080
図鑑形式ではない、「外来生物」を考える本!ヒアリ、アメリカザリガニ、マングース、キョン、セイヨウオオマルハナバチなど。外来生物とはなにか、外来生物はなぜやってきたのか、どんな害があるのか、どういう対策があるのか、外来生物を知るための導入巻。
こちらの「外来生物はなぜこわい?」シリーズは①〜③まであり、1巻の「外来生物ってなに?」は外来生物を知るための導入巻となっていますので、ぜひ読んでみて欲しいです。2巻は陸の外来生物、3は水辺の外来生物と、生活場所で分けて紹介してくれているのもわかりやすいポイントです。とても身近な生き物が外来生物だと知って驚きます。
「スズメもモンシロチョウも外来生物だった」などのワンポイント情報も、とても参考になります。ちなみに、スズメは縄文時代、モンシロチョウは奈良時代と非常に古くに日本に入ってきていることから、長い時間をかけて日本の自然と調和しており、特に問題となることはないそうです。監修は、上野動物園元園長の小宮輝之先生です。
楽しい調べ学習シリーズ 外来生物のひみつ
外来生物のひみつ ヒアリからカミツキガメ、アライグマまで|今泉 忠明
¥3,300
在来種を捕食・駆逐したり、人命・健康に被害をあたえたりする外来生物。日本にいる代表的な外来生物の生態を写真とともに紹介。
こちらは、パート1で外来生物の基礎知識(外来生物が引き起こす問題、どういう対策をしている?など)を、パート2で主な外来生物の紹介をしてくれて、これ一冊読むだけでもかなりの情報を得ることができます。本の最後には、50音順の索引もあります。
日本のワカメが、貨物船のバラスト水(貨物船の荷物が少なくなった際に船の重しとして利用される海水)によりニュージーランドやオーストラリア、ヨーロッパに運ばれた結果、外来生物として問題になっていることなども、我々日本人でも知らない方が多いのではないでしょうか。
外来生物の紹介では危険度が5段階で表されていて、噛みつく・毒があるなど、直接的な被害以外でも危険度の高い生物が多いことに驚きます。大人が読んでも興味深い内容なので、保護者の方にもぜひ読んでいただきたいです。