2019年8月27日 更新

学校だけでなく家庭でのトレーニングがカギに!野菜好きな子どもに育てる「ベジトレ」とは?

小学校の現場で深刻化する「給食残し」問題を調査!子どもが残す給食トップは「野菜メニュー」 専門家が指南! 野菜好きな子どもに育てる「ベジトレ」とは?

生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(http://www.trendsoken.com/)が、子どもを野菜好きにするためのトレーニング=「ベジトレ」をテーマに、小学校教員および母親への調査を実施。また、子どもの食育事情に詳しい、栄養士・料理研究家・食コンサルタントの浜田陽子先生に、家庭における「ベジトレ」のポイントについてインタビューをおこないました。

「ベジトレ」とは?

近年、学校における給食の「残食率」の高さが問題になっています。こうした状況に対しては、提供する給食メニューの改善を求める声だけでなく、子どもたち自身の偏食が進んでいるという指摘も多くあがっているようです。

中でも、子どもたちの多くが苦手とする「野菜」については、残食が目立つ食材であり、学校のみならず、家庭においても適切な食育が求められます。こうした中で、現在注目を集めつつあるのが、子どもを野菜好きにするためのトレーニング=「ベジトレ」というキーワードです。

特に、小学校入学前後の家庭における「ベジトレ」は、子どもの食事傾向、さらにはその後の人格形成にも大きな影響をおよぼすという見解もあります。

現役教員に聞く!小学校の「給食残し」事情

はじめに、給食のある学校において担任・副担任を務める小学校教員300名を対象に「給食残し」に関する調査を実施しました。


<調査概要>
・調査対象:20~60代 小学校教員300名 ※現在、給食のある学校において担任・副担任を務めている方
・調査期間:2018年4月20日~4月23日 ・調査方法:インターネット調査



■10年前と比べて「偏食の児童が増えている」ベテラン教員の約8割が回答


まず、「ご自身の学校やクラスで、給食の残食率が気になることはありますか?」と聞いたところ、86%と約9割もの教員が「ある」と回答。[グラフ1] また、「現在クラスの中に偏食の児童はいますか?」という質問には、31%が「多数いる」、66%が「いる」と答えています。

さらに、教員歴が10年以上の教員からは、近年給食残しや偏食が加速しているという声も多くみられており、「10年前と比べて、給食の残食率は増えていると思う」と答えた人は66%と約7割、「10年前と比べて、偏食の児童は増えていると思う」と答えた人も79%と約8割にのぼっています。[グラフ2]
■給食において食べ残しが多い献立・食材は「野菜メニュー」が1位


そこで、具体的に「学校給食において食べ残しが多い献立・食材」を質問したところ、「野菜のメニュー」が85%で最多に。続く「魚のメニュー」(46%)、「海藻のメニュー」(36%)、「牛乳」(19%)、「ごはん・パン・麺」(17%)などの回答を大きく上回りました。[グラフ3]

また、教員たちに「野菜が食べられない/苦手な児童の特性」を聞くと、「集中力が低い」(62%)、「忘れ物が多い」(52%)、「勉強が不得意である」(52%)などがあがり、偏食は生活態度や学習能力と関連している可能性も示唆されました。

なお「野菜が食べられない/苦手な児童への対応」について質問すると、「給食に関する指導は現場に任されている」というケースが多く81%に。また、「頑張って残さず食べさせるように指導している」という教員も68%となりました。

しかし一方で、「近年は、家庭での食育が不足していると思う」(92%)[グラフ4]、「小学校入学のタイミングで、野菜が嫌いな子どもは、その後の克服が難しいと思う」(74%)などの声も多くあがっており、学校だけではなく家庭でのトレーニングを望む教員の実態が浮き彫りとなりました。

家庭における母親たちの「ベジトレ」事情

それでは一方の母親たちは、家庭において子どもの野菜嫌いとどのように向き合っているのでしょうか。小学校入学前(3~5歳)の子どもがいる母親300名に調査をおこないました。


<調査概要>
・調査対象:20~40代女性 300名 ※小学校入学前(3~5歳)の子どもがいる方
・調査期間:2018年4月20日~4月23日 ・調査方法:インターネット調査



■子どもの野菜嫌い克服に向けた、家庭での取り組みとは?

まず、「現在、お子様には嫌いな野菜がありますか?」と聞いたところ、全員が「ある」と回答。また、「小学校にあがる前までには、お子様に嫌いな野菜を克服してほしいと思いますか?」という質問では、92%の母親が「そう思う」と答えています。

そこで、家庭でどのようにして野菜嫌いの克服に取り組んでいるかを聞くと、「細かく刻んだり、ミキサーにかけたりする」(30歳)、「可愛い型でくり抜いて楽しく食べられるようにする」(29歳)、「苦手なものを食べたらご褒美のおやつをあげる」(41歳)などの回答が。

調理によって野菜への抵抗感をなくしたり、子どもが野菜を食べるモチベーションをアップさせたりと、さまざまな工夫がなされているようです。
■「何をすれば良いかわからない」の声も8割超え
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しかし一方で、「小学校にあがる前に、子どもが嫌いな野菜を克服できそうだと思う」と答えた母親は半数未満(48%)にとどまり、「思わない」(52%)という回答が多数派に。また、「子どもの野菜嫌い克服のために、何をすれば良いかわからない」母親も83%となりました。[グラフ5]

野菜嫌い克服に向けて、家庭での食育が重要であることは理解しつつも、具体的にどうすれば良いか悩んでいる人が多いと言えそうです。
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この記事のライター

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