第9回も昨年に続き、特別審査員として尾藤 川柳氏(十六代目川柳 川柳公論社主宰)、田中 裕二氏
(タレント「爆笑問題」)、浜田 敬子氏(ジャーナリスト)が参加し、受賞作品を決定しました。
受賞作品
大賞(1句)
<作者からのコメント>
「130万円の壁」見直しのニュースを見ていて、振り返れば本当に“壁だらけ”だったなと実感しています。私も夫の転勤で仕事を辞めたり、預け先が見つからず復職に苦労したり…。130万円の壁が引き上げられたら、今の働き方もまた見直さなければならないなと思いながら、この句をつくりました。
まさか大賞に選ばれるとは思わず、これまでの苦労が少し報われたような気がしています。子どもをもちながら働くというのは、本当に人それぞれの大変さがあると思います。どうか、私たちの前に立ちはだかる壁が一つでも減り、守ってくれる壁が増えますように。
パパママ目線賞(6句)
<作者からのコメント>
働きながら子育てをしていたとき、園の日誌を通して子どもの成長を知りました。成長を喜ぶと同時に、自分の目で見られなかったことに切なさを感じて、この川柳をつくりました。母に見せたら、「働くパパママはみんな同じことを思っているよ」と言われ、「自分だけじゃないんだ」と思いました。
私は体調を崩して退職しましたが、働きながらの子育ては本当に壮絶でした。働くパパママは、毎日本当に大変だと思いますが、周囲の人と協力しながら、楽しく子育てをしてほしいです。
<作者からのコメント>
1年弱の育休から復帰したばかりのころ、子どもの体調不良などが重なり、子育てと仕事の両立に悩んでいました。上司に打ち明けると、「家族を第一優先で働いてほしい。そういう社会をつくっていかなければ」と熱く話してくれました。
以降、お迎えの日は上司から、「今日はお迎えがあるんでしょ?」と声をかけてもらえるように。子育ては決して一人でしているわけではありません。周りの人に助けてもらった分、自分も相手を思いやる。そういう優しさのバトンがつながる社会になればいいなと思います。明日からも無理をせず、ともに奮闘していきましょう。
<作者からのコメント>
過去の上司には、「知らない間に子どもが大きくなっていた」と話す人がいたのを思い出したことが、作品づくりのきっかけです。昭和・平成・令和と時代が移り変わる中で、育児に対する父親の意識・行動が大きく変化したことを端的に表現したいと考え、「昭和百年」を盛り込みました。
「子どもが赤ちゃんのときの声はちゃんと録音して残しておきなさい。あんな素敵な声は、子どもが大きくなったらもう聞けないから」。知り合いから言われた言葉を今も思い出します。子どもは宝。今では管理職となった自分も、同僚や部下の子育てを応援していきたいです。
<作者からのコメント>
初めての保育園。提出物や持ち物の多さに愕然としながら、名前を書き続けました。その流れで会社の書類への記入も終わらせ、達成感いっぱいで提出。不備があると戻ってきた書類を見て初めて、「部署:さくらぐみ」「名前:娘の名」で提出していたことに気づきました。
新しい書類には付せんが貼られていて、「入園おめでとう。さくらぐみになったんだね!」とコメントが…。優しさに胸がいっぱいになりました。仕事と子育てで慌ただしい日々には、信じられないミスをするもの。「おもしろいエピソードがあるよ」くらいの気持ちで自慢しちゃいましょう!
<作者からのコメント>
共働き家庭の平日の夜ご飯は、時間がなくてもサクッとつくれる麺や丼など、一品メニューの登場頻度が高いのですが、昨今の米不足で米を思い切り使うことをためらってしまい、時短メニューの選択肢が減っています。ママ友の話を聞くと、おかゆにしたり、オートミールを混ぜたり、工夫している家庭もあるようです。
最近は、少しずつスーパーに米が並ぶようになりましたが、相変わらず価格が高い!(笑)我が家と同じように、米不足に負けず、子どもたちにいっぱい食べさせるためにがんばる全国のパパママにエールを送りたいです。
<作者からのコメント>
自分が育休を取得した際に感じたことを作品にしました。命の誕生を間近に見て、小さくても懸命に生きている姿から生命の神秘や尊さを感じました。復帰後は仕事と子育ての両立に追われ、立ち止まって考える時間が少なくなっています。しかし、毎日一生懸命に生きて、自分の世界を広げている子どもに導かれるように、私の生きる意味も見つけられたような気がします。
私も日々試行錯誤していますが、仕事で疲れて家へ帰った際に全力で迎えてくれる家族に救われています。大変な時期も幸せだったと振り返ることができるように、今しかない時間を楽しみましょう!