空気が乾燥し、寒さが増してきた11月。でも空気が乾燥するということは、実は“いっそうキレイに星が見える”ということなんです。特に今月起こる注目の天文現象は、常に私たちの頭上に輝く「月」に関係しています。
見上げればいつも静かな光を注いでくれる、私たちにとって一番身近な存在の「月」。秋が深まる11月はしっかり防寒対策をして、家族で月が関わる天体ショーを楽しんでみませんか?そこで今回は、「星のソムリエ」の資格を持つ筆者が、11月に起こる天文現象の楽しみ方をご紹介します。
11月8日は金星に大接近した月がダイヤモンドリングのように見える!
via www.nao.ac.jp
この時期、夕方の西の空にはひときわ美しい「金星」が輝きます。
その金星が11月8日には月に隠される「金星食」(月が地球と月の間を通過することで金星が隠されるという、とても珍しい現象ですが、適切な観察方法でないと見つけにくいです)が起こるのですが、月から出てきたばかりの金星が、まるで月と接触しているように接近して見えます。
時間が経っていくと月と金星の距離は離れてしまいますが、まるでダイヤモンドをつけたリングのように見えるはずなので、ぜひ観察してみてくださいね。
11月19日は97%が地球の影に隠れる「部分月食」が起こる!
via www.nao.ac.jp
11月19日の夕方から全国で「部分月食」を見ることができます。
「月食」には、地球の影に月が全て隠されてしまう「皆既月食」と、一部分が隠される「部分月食」の2種類があるのですが、今回は「部分月食」が起こります。なんだ、一部分か…と思うかもしれませんが、一部分と言っても今回は月の97%ほどが地球の影に入るので、なかなか見応えがある月食になると思います。
部分月食が始まるのは夕方の4時18分頃からなので、この日の月は「欠けた状態」で昇ってきます。そこからどんどん地球の影が月を覆っていき、最も月がかけて見えるのは18時02分頃の予定です。影に入っている月の部分は赤胴色に見えるので、月の色にも注目してみてくださいね。
その後、月は地球の影から抜けていくので、19時47分頃には部分月食が終わり、いつもの見慣れた月の姿に戻ります。欠け始めの姿から見たい方は、東側が開けたところや、東の空を見渡せる高台などで楽しむと良いですよ。