2022年6月13日 更新

お気に入りの包丁を長く使うために!初心者に知ってほしい包丁研ぎの基本&上級者も満足できるおすすめアイテム

包丁は研ぎ方をマスターして定期的にメンテナンスをすることで、その寿命を延ばすことができます。包丁メンテナンスの基本となる砥石の種類やおすすめのアイテム、砥石による包丁の研ぎ方についてご紹介します。

毎日の暮らしの中で使用することが多い包丁。お気に入りの包丁を購入したものの、メンテナンスの方法が分からず、最近は切れ味が悪くなってきてしまっている…という方も多いのではないでしょうか。包丁は研ぎ方をマスターして定期的にメンテナンスをすることで、その寿命を延ばすことができるのです。今回は包丁メンテナンスの基本となる砥石の種類やおすすめのアイテム、砥石による包丁の研ぎ方についてご紹介します。

包丁をよみがえらせる!砥石の種類と選び方

砥石には大きく分けて3つの種類があります。砥石の種類によって得意とする役割が異なるので、目的に合った砥石を選ぶことが大切です。ここでは、角砥石の3つの種類とその目的を整理した上で、包丁・研ぎ関連商品を扱う刃物メーカー「貝印」がおすすめする、砥石のラインナップをご紹介します。

・角砥石の種類と主な目的

砥石には「番手」と言われる砥石の粗さを示す数値があり、番手の数字が小さいほど研削力があがり、番手が大きいものほど研磨力があるので、繊細な切れ味を実現することが可能です。包丁研ぎの工程の基本は、番手を「倍」にしながら段階的に次の工程(番手)へと進めていくことです。番手の間隔が空きすぎると後の工程で研ぎ直しに時間がかかってしまうため、段階的に上げて刃先を滑らかにしていくことが、効率的な研ぎ方です。

荒砥石・・・・・削る力が強く、刃欠けを直すことに適しており、刃線を滑らかに正します。
中砥石・・・・・落ちた切れ味を復活させます。
仕上砥石・・・・繊細な刃付けで、より優れた切れ味にします。

・包丁&研ぎのプロ「貝印」がおすすめする「関孫六」砥石シリーズ

①初級者向け
コンビ砥石(#1000&4000)or 中砥石(#1000)

初心者の方には、砥石の種類は複雑に増やしすぎず使用することがおすすめです。切れ味が落ちてきてしまった包丁を中砥石(#1000)で研ぎ直します。その後仕上砥石(#4000)で仕上げることで、包丁の切れ味を復活させることができます。

貝印 関孫六 コンビ砥石 #1000&4000

6,600
研削力が高く刃先の微修正までできる汎用性の高い#1000と、繊細で鋭い刃付けが可能な#4000の両面使いができる、1台2役の両面砥石。

貝印 関孫六 中砥石 #1000

4,950
包丁を研ぎ直す砥石として最も一般的な番手の砥石です。研削力もあるので刃先の修正など微調整が可能で、汎用性が高く、日常の研ぎ直しに最適な砥石です。

②中級者向け
荒砥石(#220)+ 中砥石(#1000)+ 仕上砥石(#4000)

刃が欠けてしまった場合、荒砥石を使用することで刃欠けを修復することができます。その場合は荒砥石(#220)から研ぎはじめ、中砥石(#1000)→仕上砥石(#4000)の順で研ぐことで、刃欠けを修復し、切れ味も復活させることができます。刃欠けがなければ中砥石(#1000)から研いで頂き、仕上げ砥石(#4000)を使用することで繊細な刃付けが可能です。

貝印 関孫六 荒砥石 #220

4,400
中砥と仕上砥を兼ねた砥石。刃先の修正など微調整が必要なく、切れ味を回復させたい時に最適な砥石です。#1000よりも繊細で鋭い刃付けが可能です。

貝印 関孫六 仕上砥石 #4000

5,500
繊細で鋭い切れ味の刃を付けるための砥石で、仕上砥として、一般的な番手の砥石です。中砥で研いだ後に続けて研ぐ事で、より滑らかな刃が付きワンランク上の切れ味に仕上がります。

③上級者向け
荒砥石(#220,400)+ 中砥石(#1000,2000)+ 仕上砥石(#4000,8000)

最大6つの工程で、包丁の様々な状態に対応した研ぎ直しが可能です。荒砥石(#220)→荒砥石(#400)→中砥石(#1000)→中砥石(#2000)→仕上げ砥石(#4000)→仕上砥石(#8000)の順に研ぐことで、刃欠けの修復からかなり繊細な刃付けを実現することができます。

貝印 関孫六 荒砥石 #400

4,950
小さな刃欠けの修正や刃形状の修正に使用する砥石。研削力が高いのでスピーディーに研ぎ直しができます。錆び落としにもご使用いただけます。

貝印 関孫六 中砥石 #2000

5,500
中砥と仕上砥を兼ねた砥石。刃先の修正など微調整が必要なく、切れ味を回復させたい時に最適な砥石です。#1000よりも繊細で鋭い刃付けが可能です。

貝印 関孫六 超仕上砥石 #8000

7,150
仕上砥の後に続けて研ぐ事で、さらに繊細で鋭い刃を付ける事ができます。#4000の刃付けより切れ味を追求する場合にご使用ください。研いだ刃先が鏡面のような光沢のある仕上がりになります。

砥石を使った包丁研ぎの基本

■STEP1 研ぐ前の準備

用意するもの (砥石、研ぎ台、砥石を水に浸ける容器、包丁、布巾、新聞紙、面直し用砥石)

①砥石に水分を含ませる

あらかじめ桶などに水を張っておき、気泡がでなくなるまで(大体10~20分程度)漬けて砥石に十分に水を含ませます。泡がでなくなったら、使用できる状態となります。天然砥石の場合はほとんど水を含まないので、使用前に水に漬ける必要はありません。
※お手持ちの砥石の説明書に従ってください。

 (312491)

②包丁を正しく持つ

最も大切なことは、砥石に対する刃の角度を変えずに研ぐことです。砥石は肘より少し下、へそくらいの位置に準備し、専用の研ぎ台または濡れ布巾の上に置いて動かさないようにします。包丁は利き手でハンドルを握り、人差指で峰と呼ばれる背中、親指であごと呼ばれる刃に近いところを押さえるように持ちます。

<ポイント>
三点支持(峰+あご+ハンドル)の持ち方をすると、砥石にあてる包丁の角度が安定しやすくなります。

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■STEP2 研ぎ

③正しい動作で研ぐ

包丁を持ったら刃を手前にし、利き手でない方の人差し指、中指の2本を研ぐ部分に軽くあてます。この時、写真のように包丁を砥石の縦方向に対して約45度に置くと良いでしょう。肘を軽く曲げ、脇をわずかにあけ肩の力を抜いて、滑らかに前後に動かしましょう。包丁に添えた2本指は、切っ先、刃中、あごの近くと、研ぐ部分を変えるたびにずらしていきます。

<ポイント>
刃こぼれしにくくよく切れる刃をつけるためには、包丁を砥石にあてる角度を砥石と包丁の間に小指が少し入る程度(片側15度程度)にしましょう。また、力を入れると角度が変わりやすくなるため、力を入れず、腕の重さが少し乗る程度の力で動かします。砥石の縦方向の幅をいっぱいに使うと、効率よく研ぐことができます。

 (312496)

 (312497)

研いでいくうちに、削り落とした鋼材の微粉末と砥石が削れたもので水が黒くなってきます。この研ぎ汁は滑らかに研ぐ手助けになるので、捨てずに研ぎ続けます。
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