2014年、児童虐待通告数が更新！過去最悪の結果に

児童虐待の通告が最悪更新されました。

2014年に全国の警察が児童相談所に通告した虐待の疑いのある18歳未満の子どもは2万8923人、10年連続で増加して過去最悪とのこと。

・暴言や無視などの心理的虐待　39％増の1万7158人
・身体的虐待　25％増の7690人
・怠慢・拒否（ネグレクト）　32％増の3898人
・性的虐待　19％増の177人
子どもの前で夫婦間で暴力を行う「面前DV」は心理的虐待に入り、45％増の1万1669人。

そもそも、児童虐待は下記の4種類に分類されます。

◆身体的虐待
殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する、など。

◆性的虐待
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフティの被写体にする、など。

◆ネグレスト
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない、など。

◆心理的虐待
言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう（DV）、など。

どうして虐待が起こるのか？

via weheartit.com

多くの場合、ひとつのことが原因ではなく、様々な要因が重なった時、家族関係が不安定になり子どもの虐待が引き起こされるといいます。

◆親の要因
・育児不安（子育てがうまくいかないなどの不安によるストレス
・親自身の虐待された経験（精神的なトラウマ）
・病気・障害（病気等の体調不良による養育力の低下）
・精神的に不安な状態（産後うつやアルコール依存など）

◆子どもの要因
・育てにくい子ども（かんしゃくが激しい・こわだりが強い）
・病気・障害（先天異常の疾患・発達の遅れなど）

◆家族をとりまく要因
・核家族化によるもの（育児に関して相談できる人がいない）
・不安定な夫婦関係（夫婦ゲンカが絶えない・DV）
・経済的不安（不景気による収入低下・失業など）
・地域からの孤立（近所の人との付き合いが薄い）

子どもの虐待事件

千葉県柏市の運転手A（27歳）方で、次女（3つ）がぐったりしているのに妻B子（28歳）が気づき、病院に運んだが栄養失調で死亡した。
2人は「欲しくてできた子どもじゃない」と知的障害を持つ次女を嫌い、虐待を繰り返していた。頻繁に殴り、外出するときも次女をテレビの脚に縛り付けて置き去りにした。食事もろくに与えず、たまにパンと水を与えるだけだった。2人は用便もうまくできない腹をたてており、「食べさせる量を減らせば、便も少なくなると思った」と供述した。
（1970年7月30日　千葉・3歳女児虐待死事件）

茨城県那珂郡東海村の大工I（当時31歳）が、長女Y子ちゃん（5つ）を死亡され逮捕される。
6日朝、IはY子ちゃんがおねしょして、濡れた下着を片付けようとしないことに腹をたて、背中に魔法瓶の熱湯をかけた。7日朝、Y子ちゃんはまたもおねしょしたため、庭に出して裸にし、真冬にビニールホースで冷水を浴びせた。そのまま5時間半ほど立たせっぱなしにして、夕方に家に入れたが8日朝、Y子ちゃんは死亡した。
（1980年1月6日　茨城・父親の5歳娘虐待死事件）

東京・練馬区の主婦A子（当時31歳）が、自宅で長女（4ヶ月）の顔にガーゼをかぶせて殺害する。夫は外出中で、自分で110番通報した。「子どもの夜泣きが激しく、自分の眠れなくなった」と供述。
（1988年5月20日　練馬区・母親の長女殺害事件）

虐待を防ぐには？

via weheartit.com

様々な要因が重なった時に起こる虐待です。

実は、自分が虐待をしているという自覚がない親もいるそうです。
周りに相談などをしている人は、「自分は虐待をしている」という自覚があり、「虐待をやめたい」と考えている人なので比較的に症状が軽いといえますが、そのままにしておけば、いずれ子どもへの虐待がエスカレートする危険性があります。