2020年10月24日 更新

新型コロナウイルスの感染拡大による、ひとり親家庭への「収入」と「食」への影響とは

新型コロナウイルス感染拡大により、失業などすでに多くのひとり親家庭に経済的影響がでています。ひとり親家庭のフードバンク「グッドごはん」の利用者446名に生活への影響に関するアンケートを実施しました。

新型コロナウイルス感染拡大により、失業などすでに多くのひとり親家庭に経済的影響がでています。

ひとり親家庭のフードバンク「グッドごはん」を運営する認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンが、今年5月に行ったアンケート調査では、75%が「収入が減った」と回答し、「一日一食」の家庭も見られました。

今回、同団体では9月1日~14日に食品を申し込んだ 「グッドごはん」利用者に、同様のアンケート調査を行い、新型コロナウイルスの影響が出始める前と、今年5月及び9月の収入や食事の変化を調べました。
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【回答者について】
アンケートに回答したのは、認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンが運営する、ひとり親家庭のフードバンク「グッドごはん」を利用する、「ひとり親家庭等医療費受給者証」を持つ、主に大田区、品川区、その他東京・神奈川・埼玉在住のひとり親446名です。

※ひとり親家庭等医療費受給者証:18歳未満の子どもを養育し、所得が限度額未満かつ生活保護を受けていないひとり親家庭等に交付される医療費助成制度の医療証

収入への影響について

5月の調査では「4月の収入について」、9月の調査では「8月の収入について」、以前との変化を聞きました。

「収入が無くなった、ほぼ無くなった」と回答したのは9月時点で13.0%と、いまだに8人に1人以上が 「収入が無くなった、ほぼ無くなった」状態で生活していることがわかりました。来月から減収見込みと回答した人を合わせ「収入が減った」と回答した人は、9月の調査で66.4%という結果になりました。

また、9月の調査では前回調査に比べ、「子どものアルバイトが無くなった」という声が目立つようになり、高校生や大学生のアルバイトが家計を支えていたひとり親家庭の生活も見えてきました。
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▼実際の収入に関するコメント
・仕事がなくなりました。手当てだけです。

・シフト時間を減らされたり、学童・保育園の休校休園で子供の預け先が無く働けなかったり(ADHDの子供が居り、ひとりでのお留守番は難しい)、様々な要因が重なり大幅に減少した。

・子供の学校で感染者が出て出勤停止を余儀なくされた。その分の保証はされず、収入が半分程度になってしまった。

・商店街の小さな小売店勤務ですが、そこの経営もコロナによってかなり状況が悪く、母子家庭よりも柔軟に動ける人間が優先されシフトが減っています。

・収入は0です。新しい就労先が決まりません。面接に行く交通費もありません。

食事への影響について

食事への影響については、5月と9月の調査では「(以前と比べて)変化なし」と回答した人数にはあまり変化がありませんでしたが、「減った」と回答した内訳(複数回答可)をみると、食事が減った子どもは減少したものの、食事が減った親が増えている、という状況が見えてきました。

「子どもの食事が減った」と回答した家庭のほとんどは親も食事を減らしており、5月以前からの食品不足が常態化し、成長期の子どもたちに食べさせるために自分を犠牲にしているとみられます。中には、体重が20キロ減ったという人もいました。

また、「変化なし」と回答した中にも、量や回数は変化がないが、「食事の質」が下がった、と回答する人も複数みられ、「もやしと豆腐がメイン」「お菓子や即席めんが増えた」「果物を食べなくなった」など、栄養バランスに影響が出ている子どもはこの数字で見られる以上に存在していると考えられます。
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親と子どもそれぞれについて、平日および夏休み中の一日の平均食事回数について聞くと、「1日1食」の親が1割以上いるということがわかりました。
また、給食のない夏休みに食事回数が3回から2回に減るとみられる子どもも2割近くいると思われ、平均1日に1回しか食事をできない子どもや、1日に1度も食べられない日があった子どもがいるということは、少数だとしても見逃せない結果だと考えます。
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